看護師の過去問
第111回
午後 問42
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問題
看護師国家試験 第111回 午後 問42 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(55歳、男性、会社員)は胃癌(gastric cancer)の終末期である。
Aさんの訴えのうちスピリチュアルペインの表出はどれか。
Aさんの訴えのうちスピリチュアルペインの表出はどれか。
- 「腹痛がずっと続いています」
- 「吐き気が続くと思うと不安です」
- 「今後の生活にかかるお金が心配です」
- 「これまでの自分の人生が意味のないものに思えます」
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この過去問の解説 (3件)
01
がん患者やその家族が直面する苦痛には、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペインの4つがあるとされています。
4つの苦痛は相互に影響し合い、ひとつの痛みがさまざまな痛みを引き起こすという考え方を、全人的苦痛(トータルペイン)と呼びます。
×:誤り
腹痛は身体的苦痛のため、誤りです。
×:誤り
吐き気が続く不安は精神的苦痛のため、誤りです。
×:誤り
お金の心配は社会的苦痛のため、誤りです。
○:正しい
スピリチュアルペインとは、人生の意味や自分の存在意義などについて考え、苦悩することです。
Aさんは「これまでの人生が意味のないものに思える」と訴えているため、正しいです。
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02
今回は全人的苦痛の中の「スピリチュアルペイン」についての問題です。
全人的苦痛はトータルペインとも呼ばれ、ガン末期患者が経験する苦痛のことをいい、4つの苦痛に分類することができます。
全人的苦痛(トータルペイン)の分類
①身体的苦痛
ガンによる疼痛や身体症状、日常生活動作への影響などの身体的な苦痛
②精神的苦痛
ガンによる不安や苛立ち、うつ状態などの精神的な苦痛
③社会的苦痛
ガンにより経済(金銭面)、就労、家庭への影響、変化を余儀なくされる社会的な苦痛
④スピリチュアル(霊的)苦痛
ガンにより自分が生きる意味への問いや死への恐怖、自責の念を抱かざるを得ない苦痛
腹痛は全人的苦痛の中では身体的苦痛に当てはまります。
よって、不正解です。
吐き気が続くことが不安に感じる症状は精神的苦痛に当てはまります。
よって、不正解です。
今後の生活にかかるお金の心配は経済的(金銭的)な苦痛であるため、社会的苦痛に当てはまります。
よって、不正解です。
「これまでの自分の人生が意味のないものに思えます」はスピリチュアル的苦痛の内容に当てはまります。
よって、正解です。
今回は全人的苦痛の中の「スピリチュアルペイン」についての問題でした。
ガンは日本人死因原因の第一位であり、患者数も多いです。
ガン末期患者が経験する全人的苦痛について問う問題は出題されやすいです。
この問題を契機に、しっかり学習しておくと良いと思います。
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03
正解は「これまでの自分の人生が意味のないものに思えます」です。
がん末期の患者などが感じる痛みはトータルペイン(全人的苦痛)と呼ばれ、身体的苦痛(疾患や治療などに関連した痛み)、精神的苦痛(不安、いらだち、恐れ、怒りなど)、社会的苦痛(仕事、経済、家庭内、人間関係など)、霊的(スピリチュアル)苦痛(人生の意味、死への恐怖、苦しみの意味、自己の存在と意味、消滅から生じる苦痛など)の4つの側面から考えていきます。
各選択肢については以下の通りです。
「腹痛がずっと続いています」 →胃がんから生じている腹痛と考えられるので身体的苦痛。
「吐き気が続くと思うと不安です」 →吐き気が続くことを想像して不安を感じているため精神的苦痛。
「今後の生活にかかるお金が心配です」 →経済的な心配なので社会的苦痛。
「これまでの自分の人生が意味のないものに思えます」→自身の人生の意味について表出しているためスピリチュアルペイン(霊的苦痛)。
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