看護師 過去問
第111回
問212 (午後 問92)
問題文
次の文を読み以下の問いに答えよ。
Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症(angina pectoris)と診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図はV1〜V4でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVFでST低下がみられた。
心臓カテーテル検査の結果、Aさんは急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)と診断された。心係数2.4L/分/m2、肺動脈楔入圧20mmHgでForrester〈フォレスター〉分類Ⅱ群であった。
身体所見:両側下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の粗い断続性副雑音が聴取される。
心エコー検査:左室駆出率〈LVEF〉58%
胸部エックス線検査:心胸郭比〈CTR〉48%
このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症(angina pectoris)と診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図はV1〜V4でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVFでST低下がみられた。
心臓カテーテル検査の結果、Aさんは急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)と診断された。心係数2.4L/分/m2、肺動脈楔入圧20mmHgでForrester〈フォレスター〉分類Ⅱ群であった。
身体所見:両側下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の粗い断続性副雑音が聴取される。
心エコー検査:左室駆出率〈LVEF〉58%
胸部エックス線検査:心胸郭比〈CTR〉48%
このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
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問題
看護師国家試験 第111回 問212(午後 問92) (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み以下の問いに答えよ。
Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症(angina pectoris)と診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図はV1〜V4でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVFでST低下がみられた。
心臓カテーテル検査の結果、Aさんは急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)と診断された。心係数2.4L/分/m2、肺動脈楔入圧20mmHgでForrester〈フォレスター〉分類Ⅱ群であった。
身体所見:両側下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の粗い断続性副雑音が聴取される。
心エコー検査:左室駆出率〈LVEF〉58%
胸部エックス線検査:心胸郭比〈CTR〉48%
このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症(angina pectoris)と診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図はV1〜V4でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVFでST低下がみられた。
心臓カテーテル検査の結果、Aさんは急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)と診断された。心係数2.4L/分/m2、肺動脈楔入圧20mmHgでForrester〈フォレスター〉分類Ⅱ群であった。
身体所見:両側下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の粗い断続性副雑音が聴取される。
心エコー検査:左室駆出率〈LVEF〉58%
胸部エックス線検査:心胸郭比〈CTR〉48%
このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
- 心拡大が認められる。
- 肺うっ血が起きている。
- 末梢循環不全が起きている。
- 左心室の収縮力が低下している。
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この過去問の解説 (3件)
01
フォレスター分類とは、急性心筋梗塞後の急性心不全の状態を評価するスケールです。
肺動脈カテーテルで得られる、心係数(CI)と、肺動脈楔入圧(PAWP)の2つの指標に基づき、
急性心不全の病態をsubsetⅠ~Ⅳに分類しています。
①subsetⅠ・・・急性心不全の状態ではない。もしくは軽症。
②subsetⅡ・・・肺うっ血はあるが、低灌流による末梢循環不全はない。
③subsetⅢ・・・肺うっ血はないが、低灌流による末梢循環不全がある。
循環血液量減少性ショックや右室梗塞を含む。
④subsetⅣ・・・肺うっ血・低灌流による末梢循環不全がどちらもある。
心原性ショックを含む。
胸部エックス線検査にて、心胸郭比(CTR)が48%となっています。
心胸郭比は、心臓が胸郭の大きさのどのくらいを占めるかの値になります。
これが、50%以上になると、心拡大が起こっていることになります。
Aさんの場合、50%以下になっていますので、
心拡大は起こっていません。
よって、こちらは該当しません。
Aさんの場合、フォレスター分類のⅡですので、肺うっ血はあるが、低灌流による末梢循環不全はない状態です。
身体所見で、両側下肺野での呼吸音減弱があり、断続性副雑音があることからも、
肺うっ血が起こっていることがわかります。
よって、こちらは該当します。
Aさんの場合、フォレスター分類のⅡですので、肺うっ血はあるが、
低灌流による末梢循環不全はない状態です。
よって、こちらは該当しません。
心エコー検査では、左心室の収縮能の指標として、
左室駆出率(LVEF)があります。これは、心拍ごとに心臓が放出する血液量を、
拡張期の左心室容量で割って算出されます。左室駆出率は50%以上が正常とされています。
Aさんの左室駆出率は58%となっており、50%を超えていますので、
左心室の収縮力は正常と考えられます。
よって、こちらは該当しません。
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02
この問題では、多くの検査値が羅列されているので苦手意識があるかもしれません。
全ての検査正常値を覚えておけるのが理想ですが、覚えられない場合は心筋梗塞の後、どのようなリスクがあるのか、どういう指標で評価していくのかを覚えると答えやすくなります。
心拡大は心臓の内径、内腔の大きさが大きいことです。X線や心エコーで評価します。
心胸郭比〈CTR〉は48%と正常範囲のため心拡大は認められません。50%以上は異常値です。
Forrester〈フォレスター〉分類は、急性心筋梗塞後の患者さんにおける急性心不全の状態を心係数と肺動脈楔入圧の2つの指標から評価します。Forrester分類Ⅱ群は「肺うっ血はあるが、低灌流による末梢循環不全はない」状態なので、肺うっ血が起きていることがわかります。
また、断続性副雑音は肺炎、肺うっ血、肺線維症、間質性肺炎などの疾患で生じるため、考えるときのヒントになります。
Forrester〈フォレスター〉分類は、急性心筋梗塞後の患者さんにおける急性心不全の状態を心係数と肺動脈楔入圧の2つの指標から評価します。Forrester分類Ⅱ群は「肺うっ血はあるが、低灌流による末梢循環不全はない」状態なので、末梢循環不全は起きていないと考えられます。
左室駆出率とは、心臓の機能評価の指標のひとつで、左室の収縮力(ポンプ機能)を測ることができます。
左室駆出率は正常値が55~99%ですので、低下していません。
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03
1 不正解
心胸郭比が50%未満で正常、50%以上で心拡大と判断されるため、問題ありません。
2 正解
フォレスター分類Ⅱ群であるため、病状として「肺うっ血はあるが、低灌流による末梢循環不全はない」という状態なので、正しいです。
3 不正解
フォレスター分類Ⅱ群のため、末梢循環不全はありません。
4 不正解
左室駆出率は50%以上が正常なので、問題ありません。
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