看護師の過去問 第112回 午前 問48
この過去問の解説 (3件)
肺尖部胸壁浸潤癌は、パンコースト腫瘍ともよばれます。
胸壁に癌が浸潤することで周囲の神経が侵され、上肢の疼痛や嗄声、眼瞼下垂・瞳孔収縮(ホルネル症候群)が症状として現れます。
×:誤り
肺尖部胸壁浸潤癌では、散瞳ではなく縮瞳がみられます。
×:誤り
肺尖部胸壁浸潤癌では、構音障害ではなく嗄声がみられます。
×:誤り
肺尖部胸壁浸潤癌では、閉眼困難ではなく眼瞼下垂がみられます。
○:正しい
肺尖部胸壁浸潤癌では、腕神経叢叢が圧迫もしくは浸潤することで上肢の疼痛がみられます。
症状から疾患を推測する問題は頻出であり、臨床においても状態観察やアセスメントに役立ちます。病態と関連付けて理解する事がポイントです。
誤りです。散瞳が起こるということは、脳の末梢神経系である動眼神経や瞳孔括約筋の損傷によって、瞳孔の調節に障害が起こっていることが考えられます。
誤りです。脳梗塞や脳出血で大脳や橋に障害が起こることで、それぞれの脳神経器官の機能に障害が起こり、発語が難しくなります。また、小児では口唇口蓋裂が原因で発語が不明瞭になることがあります。
誤りです。閉眼困難は末梢神経系の顔面神経が麻痺することによって起こります。
正解です。癌細胞が胸壁に浸潤すると肋間神経や肋骨を刺激するため、胸痛が生じます。
今回は肺がんの症状についての問題でしたが、肺がんの種類によって癌細胞が発生する位置が異なるので整理しておきましょう。また、末梢神経系の12対の脳神経を理解するのは大変かと思いますが、名称と機能を関連付けて理解するようにしましょう。
肺癌が胸膜や胸郭に浸潤すると胸部や背部に痛みが生じます。また肺尖部にできる癌はパンコースト腫瘍とよばれ、肺尖部から周囲の胸郭に浸潤し、その部位の神経を侵すことで、肩の痛みや上腕の痛みやしびれ、ホルネル症候群(片側の眼瞼下垂、縮瞳、発汗異常)などさまざまな症状が出現します。
誤りです。肺尖部の癌の浸潤では縮瞳がみられることがあります。
誤りです。肺尖部の癌の浸潤で構音障害はみられません。
誤りです。肺尖部の癌の浸潤では眼瞼下垂がみられることがあります。
正解です。肺尖部の癌の浸潤では上肢の疼痛が症状として現れます。
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