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看護師の過去問 第112回 午前 問92

問題

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次の文を読み問いに答えよ。
Aさん(47歳、男性、会社員)は妻と2人暮らしで、自宅の室内で犬を飼っている。15年前に慢性糸球体腎炎(chronic glomerulonephritis)と診断され、徐々に腎機能低下が認められたので、2年前から慢性腎不全(chronic renal failure)のため血液透析療法を週3回受けている。今回、弟から腎臓の提供の申し出があり、生体腎移植の目的で入院した。入院3日、Aさんの生体腎移植手術は予定通り終了した。

この設問は、<前問>の続きの設問となります。

Aさんは術前からタクロリムスなど複数の免疫抑制薬を服用している。Aさんは「移植したら免疫抑制薬を飲む必要があることは分かっているのですが、退院後は何に気を付ければよいですか」と看護師に質問した。
Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。
   1 .
「犬は今まで通り室内で飼育できます」
   2 .
「グレープフルーツは摂取しないでください」
   3 .
「感染予防のため風疹のワクチン接種をしてください」
   4 .
「薬を飲み忘れたときは2回分をまとめて服用してください」
( 看護師国家試験 第112回 午前 問92 )
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この過去問の解説 (2件)

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この問題のポイントは以下の通りです。

・腎移植後の観察ポイント

・免疫抑制剤使用中の患者の看護

これらを踏まえて問題を解いていきましょう。

選択肢1. 「犬は今まで通り室内で飼育できます」

免疫抑制剤使用中の患者は易感染状態にあるため、ペットの飼育では注意が必要になります。

選択肢2. 「グレープフルーツは摂取しないでください」

正解です。

グレープフルーツと薬剤の併用によって、薬剤の血中濃度が低下せずに高濃度で保たれてしまいます。

選択肢3. 「感染予防のため風疹のワクチン接種をしてください」

感染予防のためのワクチン接種は重要ですが、風疹ワクチンは生ワクチンであり、タクロリムスとは併用禁忌です。

選択肢4. 「薬を飲み忘れたときは2回分をまとめて服用してください」

2回分まとめて内服してしまうと薬剤の血中濃度が高くなってしますため、絶対に行ってはいけません。

まとめ

移植患者では免疫抑制剤を使用することがほとんどです。免疫抑制剤使用中の患者への看護についても知識を整理しておきましょう。

付箋メモを残すことが出来ます。
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腎移植の看護では手術前より服用を開始する免疫抑制剤により、

易感染状態にあることに注意が必要です。

免疫抑制剤の副作用と併用禁忌も同時に覚えましょう。

選択肢1. 「犬は今まで通り室内で飼育できます」

免疫抑制剤による易感染状態であることから、

犬の飼育には注意が必要です。

選択肢2. 「グレープフルーツは摂取しないでください」

グレープフルーツや一部の柑橘類を摂取することにより、

タクロリムスの血中濃度を強くするおそれがあります。

摂取は避けたほうが良いです。

選択肢3. 「感染予防のため風疹のワクチン接種をしてください」

風疹ワクチンは生ワクチンです。

免疫抑制作用により発症の可能性が増加するため、

タクロリムスと生ワクチンは併用禁忌です。

選択肢4. 「薬を飲み忘れたときは2回分をまとめて服用してください」

2回分をまとめて飲んではいけません。

5時間以上間隔をあけて飲む必要があります。

まとめ

免疫抑制剤の併用禁忌はしっかり覚えましょう。

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