看護師 過去問
第112回
問148 (午後 問28)

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問題

看護師国家試験 第112回 問148(午後 問28) (訂正依頼・報告はこちら)

肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy)について正しいのはどれか。
  • ウイルス感染が主な病因である。
  • 拡張障害が問題となる。
  • 左室内腔は拡大する。
  • 弁膜に肥厚を認める。

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この過去問の解説 (3件)

01

肥大型心筋症とは、心肥大を引き起こす原因となる高血圧や弁膜症などの疾患がないにもかかわらず、心筋の肥大が起こる指定難病です。

選択肢1. ウイルス感染が主な病因である。

×:誤り

心筋収縮関連蛋白の遺伝子異常が主な原因とされています。

選択肢2. 拡張障害が問題となる。

○:正しい

肥大型心筋症は、左室心筋の異常な肥大に伴って生じる左室の拡張機能障害を主とする疾患です。

選択肢3. 左室内腔は拡大する。

×:誤り

左室心筋の異常な肥大により、心室の肥厚は著明で内腔は狭くなります。

選択肢4. 弁膜に肥厚を認める。

×:誤り

肥大型心筋症では、弁膜の肥厚はみられません

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02

正解は、「拡張障害が問題となる」です。

肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy)は、心筋の異常な肥厚を特徴とする疾患で、特に左心室の心室中隔が肥厚することが多いです。

この肥厚により、心室の弾性が低下し、拡張障害が生じることが問題となります。

 

選択肢1. ウイルス感染が主な病因である。

肥大型心筋症の主な病因は、遺伝的要因です。

この疾患は常染色体優性遺伝の形態で、サルコメア(筋節)タンパク質の遺伝子変異が原因となることが多いです。

一方、ウイルス感染は心筋炎の主な原因であり、肥大型心筋症の直接的な病因ではありません。

 

選択肢2. 拡張障害が問題となる。

肥大型心筋症では、心筋の異常な肥厚により左心室の弾性が低下し、拡張障害(心室が十分に血液を受け取る能力の低下)が主な問題となります。

この拡張障害により心室内圧が上昇し、左心房や肺への負荷が増加するため、肺うっ血や呼吸困難などの症状が出現します。

選択肢3. 左室内腔は拡大する。

肥大型心筋症では、左心室の心筋が肥厚するため、左室内腔はむしろ狭小化します。

左心室が拡大するのは、心筋症の中でも拡張型心筋症(dilated cardiomyopathy)に特徴的な所見です。

肥大型心筋症においては、左室内腔が拡大することはありません。

 

選択肢4. 弁膜に肥厚を認める。

肥大型心筋症では、弁膜自体に肥厚が生じることはありません。

ただし、心室中隔の肥厚が進行すると、僧帽弁前尖が心室中隔に接近し、大動脈弁の流出路が狭窄する現象(閉塞性肥大型心筋症、HOCM)が発生することがあります。

弁膜そのものが肥厚するわけではありません。

 

まとめ

肥大型心筋症では、遺伝的要因による心筋肥厚が原因となり、左心室の弾性が低下して拡張障害が主な問題となります。

適切な診断と治療により、症状の管理や合併症の予防が重要です。

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03

肥大型心筋症とは、心室の壁が厚く・硬くなる疾患です。

心室の拡張機能(心房から心室へ血液を受け入れるはたらき)の障害が主となります。

不整脈や心機能の低下をきたすケースもありますが、

無症状のことが多いです。

選択肢1. ウイルス感染が主な病因である。

遺伝子変異が主な原因であり、家族性の発症が約半数に認められます。

選択肢2. 拡張障害が問題となる。

正解です。

選択肢3. 左室内腔は拡大する。

拡張障害のため、心室内腔は縮小します。

選択肢4. 弁膜に肥厚を認める。

弁膜ではなく、心室の壁(心筋)に肥厚を認めます。

まとめ

肥大型心筋症(HCM)のほか、

拡張型心筋症(DCM)、

拘束型心筋症(RCM)についてもあわせて学習してみましょう。

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