看護師の過去問
第112回
午後 問68

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問題

看護師国家試験 第112回 午後 問68 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(63歳、男性)は妻と2人暮らしで、肺癌(lung cancer)の終末期で在宅医療を受けて医療用麻薬を使用中である。看護師が訪問したとき、Aさんは椅子に座って咳をしながら苦痛に耐えている様子であった。妻は「レスキュー薬が効くまでは苦しそうなので、何か私にできることはありますか」と訪問看護師に尋ねた。
このときの訪問看護師の妻への対応で適切なのはどれか。
  • 救急車を要請するよう提案する。
  • Aさんを仰臥位にする介助方法を指導する。
  • Aさんの背中をさすりながら傍にいるよう勧める。
  • 一度に2倍量のレスキュー薬の服用を試すよう説明する。

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この過去問の解説 (3件)

01

終末期には、尿量の低下や喘鳴、呼吸苦、疼痛など様々な苦痛症状が現れます。症状を緩和するための方法や、医療用麻薬の取り扱い、家族看護について押さえておきましょう。

選択肢1. 救急車を要請するよう提案する。

問題文だけでは、救急車を要請するほど緊急性が高い状況とは読み取れないため、誤りです。また、Aさんが在宅での看取りを希望しているかどうかは不明なため、Aさんが延命希望でかつ緊急性が高い状態であれば、救急車の要請を提案することが必要です。

選択肢2. Aさんを仰臥位にする介助方法を指導する。

仰臥位だと座位よりも横隔膜が下がるため、呼吸がしにくくなります。

選択肢3. Aさんの背中をさすりながら傍にいるよう勧める。

手をあてる、さするなどのタッチングは痛みを緩和し安心感を与えることができるため、終末期の患者への対応としては適切です。

選択肢4. 一度に2倍量のレスキュー薬の服用を試すよう説明する。

看護師の判断では、薬の容量の変更を行うことはできません。また、医療用麻薬は呼吸抑制などの副作用もあるため、自己判断で増量をするのは危険です。

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02

この問題は終末期の患者さんに対する家族へのかかわり方の問題です。

終末期は「本人と家族が臨んだ最期を迎えられる」ことが大切です。

その点を意識して、問題に取り組みましょう。

選択肢1. 救急車を要請するよう提案する。

終末期の患者さんに対し、苦しいからと言って救急車を呼んでしまうと、本人、家族ともに望んでいない処置をしてしまう可能性があるため、不正解です。

選択肢2. Aさんを仰臥位にする介助方法を指導する。

仰臥位に介助すると横隔膜が上がり、より呼吸が苦しくなってしまうため不正解です。

選択肢3. Aさんの背中をさすりながら傍にいるよう勧める。

手をあてたり背中をさすったりする行為は、タッチングといって不安感を軽減させる力をもっています。よって正解です。

選択肢4. 一度に2倍量のレスキュー薬の服用を試すよう説明する。

看護師の判断でレスキュー薬の増量や減量は認められていません。

医師の指示のもとであるため、不正解です。

まとめ

看護には急性期や慢性期、終末期などさまざまな状況で変わるケアがあります。

そこを理解し適切な看護を行えるよう、学びましょう。

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03

終末期の在宅療養に関する問題です。在宅療養では家族の介護・看護に関する教育も看護師の大切な役割となります。患者の家族に出来る事は何かを考えながら確認していきましょう。

選択肢1. 救急車を要請するよう提案する。

誤りです。呼吸が苦しいからといって救急車を要請する前に出来る事があります。

選択肢2. Aさんを仰臥位にする介助方法を指導する。

誤りです。呼吸困難の場合、仰臥位よりも座位の方が安楽を保つ事が出来ます。

選択肢3. Aさんの背中をさすりながら傍にいるよう勧める。

正解です。患者の安全安楽を確保しつつ、患者が安心できるケアであるため正しいです。

選択肢4. 一度に2倍量のレスキュー薬の服用を試すよう説明する。

誤りです。呼吸抑制などの副作用の観点から、レスキュー薬であっても適正量は医師から指示を仰いだうえで投与すべきであり、看護師の判断で量を増やしてはいけません。

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