看護師の過去問
第113回
午前 問67

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問題

看護師国家試験 第113回 午前 問67 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(55歳、男性)は筋萎縮性側索硬化症<ALS:amyotrophic lateral sclerosis>で、経口摂取と胃瘻による経管栄養を併用し、在宅療養することになった。
Aさんと家族介護者への指導内容で適切なのはどれか。
  • 水分は経口による摂取とする。
  • 経口摂取中は頸部前屈位とする。
  • 経管栄養剤以外の注入を禁止する。
  • 注入時間に合わせて生活パターンを変更する。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は「経口摂取中は頸部前屈位とする」です。

頸部を前屈させることで、誤嚥のリスクを減らし、安全に食物を飲み込むことが可能です。

ALS患者にとって、誤嚥は重大なリスクとなるため、適切な頭部と頸部の姿勢を維持することが非常に重要です。

 

選択肢1. 水分は経口による摂取とする。

ALS患者では、嚥下障害が進行している場合、経口での水分摂取は誤嚥のリスクを高める可能性があります。

水分の摂取は経口だけでなく、胃瘻や経管栄養を通じて安全に供給することが推奨される場合もあります。

特に嚥下が困難な場合、経口にこだわると誤嚥性肺炎のリスクが高まります。

 

選択肢2. 経口摂取中は頸部前屈位とする。

経口摂取中に頸部を軽く前屈させることで、食物や液体が誤って気道に入るリスクを低減できます。

これにより、喉頭蓋が確実に閉じやすくなり、誤嚥を防ぐことができます。

この姿勢はALSなど嚥下機能が低下している患者にとって非常に有効です。

 

選択肢3. 経管栄養剤以外の注入を禁止する。

経管栄養では、患者の栄養状態を適切に維持するため、経管栄養剤以外にも医師の指示に従い、必要に応じて水分や他の液体を注入することがあります。

したがって、経管栄養剤以外の注入を一律に禁止することはありません

重要なのは、医療者の指示に基づいた適切な管理です。

 

選択肢4. 注入時間に合わせて生活パターンを変更する。

経管栄養の注入時間は、患者の生活パターンに合わせて調整することが重要です。

生活全体を経管栄養の注入に合わせるのではなく、患者の生活リズムに合った方法で栄養を補給することで、生活の質(QOL)を高めることができます。

 

まとめ

経口摂取中の頸部前屈位は、誤嚥を防止するために推奨される重要な姿勢です。

水分摂取に関しては、嚥下障害の程度に応じて経管栄養を利用することがあり、また経管栄養には栄養剤以外にも適切に液体を注入することが可能です。

さらに、生活パターンを無理に栄養注入に合わせるのではなく、患者の生活の質を重視した管理が求められます。

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