看護師 過去問
第113回
問88 (午前 問88)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

看護師国家試験 第113回 問88(午前 問88) (訂正依頼・報告はこちら)

肝硬変(cirrhosis)による肝性脳症(hepatic encephalopathy)で生じるのはどれか。2つ選べ。
  • 浮腫
  • 異常行動
  • くも状血管腫
  • 羽ばたき振戦
  • メドゥーサの頭

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

肝硬変(cirrhosis)による肝性脳症(hepatic encephalopathy)で生じるのは、

異常行動」と「羽ばたき振戦」です。

選択肢1. 浮腫

不正解です。

肝機能の低下によって浮腫が起こりますが、肝性脳症の症状ではありません。

選択肢2. 異常行動

正解です。

肝性脳症では、意識障害が起こることで異常行動が生じます。

これは肝性昏睡の一部であり、睡眠障害や指南障害、嗜眠状態を経て昏睡に陥ります。

選択肢3. くも状血管腫

不正解です。

くも状血管腫は、肝硬変による代謝障害が原因で生じます。

 

選択肢4. 羽ばたき振戦

正解です。

羽ばたき振戦は陰性ミオクローヌスと呼ばれます。

陰性ミオクローヌスでは、手首を背屈させて手を伸ばすと不定期に脱力します。

その際に一定の姿勢を保持しようとすることで、手首や上肢が振戦するものです。

選択肢5. メドゥーサの頭

不正解です。

メドゥーサの頭は肝硬変の症状として表れます。

腹壁静脈が怒張し、腹部の表面に拡張した静脈が見られます。

 

まとめ

肝性脳症では、精神神経症状が表れます。

精神症状は昏睡度Ⅰ~Ⅴに分類されています。

 

Ⅰ:多幸気分、だらしないなど

Ⅱ:指南障害、羽ばたき振戦など

Ⅲ:嗜眠状態、羽ばたき振戦、外的刺激で開眼するが、指示には従えないことがあるなど

Ⅳ:昏睡、痛み刺激には払いのけたり顔をしかめたりするなど

Ⅴ:深昏睡

参考になった数0

02

正解は「異常行動

羽ばたき振戦」です。

 

選択肢1. 浮腫

浮腫は肝硬変の症状としてよく見られますが、肝性脳症の直接的な症状ではありません。

浮腫は、アルブミンの減少や門脈圧亢進によって引き起こされます。

 

選択肢2. 異常行動

異常行動は、肝性脳症の典型的な症状です。

アンモニアや他の代謝産物が脳に影響を与え、意識障害や行動異常が現れます。

混乱、無気力、睡眠障害、さらには昏睡に至ることもあります。

 

選択肢3. くも状血管腫

くも状血管腫は肝硬変に関連する皮膚症状で、皮膚表面に拡張した血管が見られますが、肝性脳症の症状ではありません。

 

選択肢4. 羽ばたき振戦

羽ばたき振戦(アステリクシス)は、肝性脳症の代表的な神経症状の一つです。

手を伸ばした際に手首が不規則に震える、羽ばたきのような動きをするのが特徴です。

 

選択肢5. メドゥーサの頭

メドゥーサの頭(カピュット・メドゥーサ)は、肝硬変による門脈圧亢進の結果、腹部表面に現れる拡張した静脈ですが、肝性脳症の症状ではありません。

 

まとめ

肝性脳症では、アンモニアの蓄積などにより脳機能が低下し、異常行動羽ばたき振戦が生じます。

他の症状(浮腫、くも状血管腫、メドゥーサの頭)は肝硬変に関連していますが、肝性脳症の症状ではありません。

参考になった数0