看護師の過去問
第113回
午前 問119
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問題
看護師国家試験 第113回 午前 問119 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(44歳、男性)は、午前9時に発生した震度5強の地震で自宅の2階から慌てて逃げる際に階段から転落した。午前9時30分、Aさんは殿部に激しい痛みが出現し動けなくなったため、救急車で搬送され入院した。
身体所見:体温 36.8℃、呼吸数 22/分、脈拍 100/分、血圧 76/38mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度 <SpO2>95%(room air)。
検査所見:赤血球 300万/μL、Hb 9.0g/dL、CRP 0.3mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、濃縮尿、尿比重 1.020、尿潜血(+)。
午前11時、Aさんの母親Bさん(80歳)は、余震が続くため避難する途中で転倒し、歩行が困難となった。Bさんは、孫のCさん(14歳、女子)に付き添われて救急車で病院に搬送された。Bさんは、意識は清明で、腰痛を訴えている。バイタルサインは、呼吸数 16/分、脈拍 90/分、血圧 135/80mmHgで、排尿によって着衣が濡れている。
外来で診察を待っている間に、Bさんの隣にいるCさんがうずくまっているのを看護師が発見した。Cさんのバイタルサインは、呼吸数 36/分、脈拍 110/分、血圧 94/40mmHgで、手のしびれ、動悸を訴えている。
看護師の初期対応で優先度が高いのはどれか。
Aさん(44歳、男性)は、午前9時に発生した震度5強の地震で自宅の2階から慌てて逃げる際に階段から転落した。午前9時30分、Aさんは殿部に激しい痛みが出現し動けなくなったため、救急車で搬送され入院した。
身体所見:体温 36.8℃、呼吸数 22/分、脈拍 100/分、血圧 76/38mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度 <SpO2>95%(room air)。
検査所見:赤血球 300万/μL、Hb 9.0g/dL、CRP 0.3mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、濃縮尿、尿比重 1.020、尿潜血(+)。
午前11時、Aさんの母親Bさん(80歳)は、余震が続くため避難する途中で転倒し、歩行が困難となった。Bさんは、孫のCさん(14歳、女子)に付き添われて救急車で病院に搬送された。Bさんは、意識は清明で、腰痛を訴えている。バイタルサインは、呼吸数 16/分、脈拍 90/分、血圧 135/80mmHgで、排尿によって着衣が濡れている。
外来で診察を待っている間に、Bさんの隣にいるCさんがうずくまっているのを看護師が発見した。Cさんのバイタルサインは、呼吸数 36/分、脈拍 110/分、血圧 94/40mmHgで、手のしびれ、動悸を訴えている。
看護師の初期対応で優先度が高いのはどれか。
- Bさんの着衣の交換
- Bさんの既往歴の確認
- Cさんの四肢の保温
- Cさんの経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>の測定
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この過去問の解説 (2件)
01
このような緊急時や多重課題の際には、生命の維持に影響を及ぼすものが最優先となります。
1人1人の病態や症状から、優先順位を正しく判断できるようにしておきましょう。
Bさんは排尿によって着衣が濡れており、交換も必要ではありますが、この状況における優先度としては高くはありません。
Bさんは、転倒によって歩行が難しい状態ではあるものの、意識清明でバイタルサインにも異常はみられません。
もちろん、Bさんの既往歴は必要ですが、この場面ではCさんへの対応が優先されます。
Cさんは、手のしびれや動悸を訴えており、過換気症候群の症状がみられます。
不安を軽減するためにリラックスを促すことは重要ですが、過換気症候群だと断定できているわけではないため、四肢の保温は、初期対応として適切ではありません。
この場面では、Cさんの状態の把握が最優先となります。
呼吸数が36回/分であり、手のしびれ、動悸を訴えていることから過換気症候群が疑われますが、他の病気の可能性も考慮する必要があり、バイタルサイン、および経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)を確認することが適切です。
過換気症候群の場合、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は正常値を示すため、深呼吸を促すなど、患者にリラックスしてもらえるように対処しましょう。
過換気症候群とは、ストレスや緊張、不安などの心理的要因等により発作的に肺胞過換気状態が生じ、呼吸性アルカローシスに陥ることをいいます。
症状として、息苦しさ、呼吸が速くなる、胸痛、めまい、動悸などがあり、手足のしびれや筋肉のけいれん、硬直がみられることもあります。
呼吸の速さや深さ、手足のしびれの有無、めまい・動悸の有無、意識状態の確認が必要です。
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02
正解は「Cさんの四肢の保温」です。
Cさんのバイタルサイン(呼吸数 36/分、脈拍 110/分、血圧 94/40mmHg)や症状(手のしびれ、動悸)から、過換気症候群が考えられます。
過換気症候群では、呼吸が速く深くなり、手足のしびれや動悸、めまいを伴うことがあります。また、呼吸が過剰になることで体内の二酸化炭素が過度に排出され、アルカローシスが起こることが特徴です。
観察のポイントとして、呼吸の深さ・速さ、手足のしびれやめまい、動悸の有無、意識状態などを確認します。
Bさんの排尿によって着衣が濡れている状態を放置するのは快適ではありませんが、緊急性は高くありません。
Cさんの状態は過換気やショックの可能性があり、より緊急に対応が必要です。
Bさんの診断や治療には既往歴の確認が重要ですが、現在の状況では、Cさんの症状がより緊急度が高いです。
既往歴の確認は、落ち着いた後に行うべき対応です。
Cさんは過換気症候群の可能性があり、手のしびれや動悸を訴えています。
このような状態では、不安を軽減し、体をリラックスさせることが重要です。
四肢を保温することで血流を促し、過換気による不快症状を和らげることが期待されます。
したがって、初期対応として優先度が高いです。
Cさんが過換気症候群である場合、酸素飽和度は通常正常です。
SpO2の測定自体は有用ですが、Cさんの状態を改善するために優先すべきはリラックスさせることです。
そのため、四肢の保温の方が優先度が高いと考えられます。
Cさんの症状から、過換気症候群の可能性が高く、まずは四肢を保温してリラックスさせることが重要です。
SpO2の測定も必要ですが、初期対応としては身体を落ち着かせるための保温が優先されます。
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