看護師 過去問
第113回
問118 (午前 問118)
問題文
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(44歳、男性)は、午前9時に発生した震度5強の地震で自宅の2階から慌てて逃げる際に階段から転落した。午前9時30分、Aさんは殿部に激しい痛みが出現し動けなくなったため、救急車で搬送され入院した。
身体所見:体温 36.8℃、呼吸数 22/分、脈拍 100/分、血圧 76/38mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度 <SpO2>95%(room air)。
検査所見:赤血球 300万/μL、Hb 9.0g/dL、CRP 0.3mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、濃縮尿、尿比重 1.020、尿潜血(+)。
Aさんの状態で考えられるのはどれか。
Aさん(44歳、男性)は、午前9時に発生した震度5強の地震で自宅の2階から慌てて逃げる際に階段から転落した。午前9時30分、Aさんは殿部に激しい痛みが出現し動けなくなったため、救急車で搬送され入院した。
身体所見:体温 36.8℃、呼吸数 22/分、脈拍 100/分、血圧 76/38mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度 <SpO2>95%(room air)。
検査所見:赤血球 300万/μL、Hb 9.0g/dL、CRP 0.3mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、濃縮尿、尿比重 1.020、尿潜血(+)。
Aさんの状態で考えられるのはどれか。
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問題
看護師国家試験 第113回 問118(午前 問118) (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(44歳、男性)は、午前9時に発生した震度5強の地震で自宅の2階から慌てて逃げる際に階段から転落した。午前9時30分、Aさんは殿部に激しい痛みが出現し動けなくなったため、救急車で搬送され入院した。
身体所見:体温 36.8℃、呼吸数 22/分、脈拍 100/分、血圧 76/38mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度 <SpO2>95%(room air)。
検査所見:赤血球 300万/μL、Hb 9.0g/dL、CRP 0.3mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、濃縮尿、尿比重 1.020、尿潜血(+)。
Aさんの状態で考えられるのはどれか。
Aさん(44歳、男性)は、午前9時に発生した震度5強の地震で自宅の2階から慌てて逃げる際に階段から転落した。午前9時30分、Aさんは殿部に激しい痛みが出現し動けなくなったため、救急車で搬送され入院した。
身体所見:体温 36.8℃、呼吸数 22/分、脈拍 100/分、血圧 76/38mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度 <SpO2>95%(room air)。
検査所見:赤血球 300万/μL、Hb 9.0g/dL、CRP 0.3mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、濃縮尿、尿比重 1.020、尿潜血(+)。
Aさんの状態で考えられるのはどれか。
- 敗血症(sepsis)
- 骨盤骨折(pelvic fracture)
- 硬膜下血腫(subdural hematoma)
- 腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis)
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2.骨盤骨折です。
Aさんの主訴や、バイタルサイン、検査所見から病態を判断しましょう。
それぞれの基準値を把握し、逸脱しているものを考えましょう。
敗血症は、感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態です。
感染症を引き起こしている場合は、CRPが高値となります。
Aさんの場合CRP 0.3mg/dLであり、正常範囲内といえます。
明らかな感染症を起こしている場合は、10mg/dL以上の高値となるため敗血症は不適切といえます。
Aさんの主訴は臀部の激しい疼痛です。
また血圧が低下しており、尿潜血(+)から、尿中に血液が混在していることがわかります。
骨盤骨折の程度にもよりますが、意識障害が起こることがあります。
硬膜下血腫は主に頭部外傷をきっかけに発症します。
Aさんの主訴は臀部の激しい疼痛であり、硬膜下血腫の場合は頭部の疼痛を訴えます。
また、血腫増大に伴い意識障害を発症する場合があります。
頭部受傷の情報が乏しく、骨盤骨折の症状が当てはまるため不適切といえます。
腰部脊柱管狭窄症の症状は、下肢の痺れや足のもつれです。
Aさんの主訴である臀部の激しい疼痛は、一見、脊椎疾患に起因したように思えますが、
Aさんの場合、外傷に伴う疼痛のため、腰部脊柱管狭窄症は考えにくいです。
この場合、検査所見においてどの数値が逸脱しているかを判断します。
Aさんは、赤血球 300万/μL、Hb 9.0g/dL、CRP 0.3mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、濃縮尿、尿比重 1.020、尿潜血(+)
正常より逸脱している項目はHbと尿潜血+というところです。
骨盤骨折による出血、それに起因した血圧や脈の異常、Hbの減少が考えられます。
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02
身体所見・検査所見の基準値を整理し、どこに異常をきたしているのかを正しく判断しましょう。
敗血症が起こった場合、感染による全身的な炎症反応に加え、血圧低下やショックを伴うことがあります。
CRPの正常値は0.14mg/dL以下であり、AさんのCRPは0.3mg/dLと正常範囲内です。
そのため、感染が起こっているとは考えられず、敗血症の可能性も低いです。
殿部の激しい痛みは、階段から転落したことによる骨盤骨折が原因だと考えられます。
また、血圧の低下、ヘモグロビン(Hb)値の低下、尿潜血が陽性となっていることから、骨盤内出血を起こしている可能性もあります。
硬膜下血腫は、頭部外傷によって硬膜下に血液が溜まっている状態を指します。
しかし、Aさんは殿部に痛みが生じているため、現段階での硬膜下血腫の可能性は考えにくいです。
腰部脊柱管狭窄症とは、脊柱管が部分的に狭くなり、神経が圧迫されて、下肢のしびれ、疼痛、歩行障害などをきたすようになった状態を指します。
現在Aさんは、殿部の激しい痛みが主症状であり、血圧・ヘモグロビン(Hb)値の低下、尿潜血陽性もみられるため、腰部脊柱管狭窄症よりも骨盤骨折の可能性が高いと考えられます。
骨盤骨折では出血、感染症、臓器・器官や神経の損傷が起こるケースが多いため、バイタルサインの観察が重要です。
また、骨盤骨折を起こすと、手術などの緊急対応が必要な場合もあるため、迅速かつ的確な診断・治療を行わなければなりません。
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03
正解は「骨盤骨折(pelvic fracture)」です。
Aさんは階段から転落し、殿部に激しい痛みがあり、動けなくなっています。
また、低血圧や貧血、尿潜血の所見は骨盤骨折に伴う内出血を示しています。
敗血症は、感染により全身的な炎症反応が引き起こされ、血圧低下やショックを伴うことがあります。
しかし、AさんのCRP値(0.3mg/dL)は正常範囲内であり、感染の兆候がないことから敗血症の可能性は低いです。
Aさんの転落による殿部の激しい痛み、低血圧(76/38mmHg)、貧血(Hb 9.0g/dL)、尿潜血(+)は、骨盤骨折に伴う大量の内出血によるショックを示しています。
骨盤骨折は、骨の損傷と同時に周囲の血管が損傷し、大量の出血が発生することがあります。
これにより血圧が低下し、貧血が進行することが特徴です。
硬膜下血腫は、頭部外傷によって硬膜下に血液がたまる状態ですが、Aさんの主訴は殿部の痛みであり、頭部に関する異常や神経症状は記載されていません。
さらに、検査所見も頭部外傷を示すものではないため、硬膜下血腫の可能性は低いです。
腰部脊柱管狭窄症は、加齢や変形性変化によって脊柱管が狭くなり、下肢のしびれや痛みを引き起こす疾患ですが、急性の外傷によって発生することはまれです。
また、Aさんの症状は腰椎の問題ではなく、転落後の急性な外傷によるものですので、この選択肢は適切ではありません。
Aさんは階段から転落し、殿部の激しい痛みと低血圧が見られ、尿潜血や貧血の所見もあるため、大量の内出血を伴う骨盤骨折が最も考えられます。
この状態は緊急の対応が必要な場合もあるため、早急な診断と治療が求められます。
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