看護師の過去問
第113回
午後 問78

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問題

看護師国家試験 第113回 午後 問78 (訂正依頼・報告はこちら)

胃癌(gastric cancer)の胃切除術後5年ほどで欠乏し貧血を起こさせるのはどれか。
  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • ビタミンB12
  • ビタミンC
  • ビタミンK

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この過去問の解説 (1件)

01

胃癌の胃切除術後5年ほどで欠乏し、貧血を起こさせるのは、「ビタミンB12」です。

ビタミンB12は胃で分泌される内因子と結合することで吸収されますが、胃切除により内因子の分泌が低下するため、ビタミンB12の吸収障害が起こり、欠乏性貧血(悪性貧血)を引き起こします。

 

選択肢1. ビタミンA

ビタミンAは脂溶性ビタミンで、視力や免疫機能に重要な役割を果たしますが、胃切除に特異的に影響を受けるわけではありません。

脂質の吸収障害がなければ通常は欠乏しにくいため、貧血の原因にはなりません。

 

選択肢2. ビタミンB1

ビタミンB1(チアミン)は炭水化物代謝に関与し、欠乏すると脚気やウェルニッケ脳症を引き起こすことがありますが、胃切除後に特異的に欠乏するわけではありません。

貧血との直接的な関係もありません。

 

選択肢3. ビタミンB12

ビタミンB12は赤血球の形成に不可欠なビタミンです。

胃切除術後、内因子の分泌が減少するため、ビタミンB12の吸収が障害され、数年後に欠乏することがあります。

この欠乏によって巨赤芽球性貧血が発生し、倦怠感やしびれなどの症状を引き起こします。

したがって、胃切除術後にはビタミンB12の補充が必要となる場合があります。

 

選択肢4. ビタミンC

ビタミンCは水溶性ビタミンで、抗酸化作用やコラーゲンの合成に関与します。

欠乏すると壊血病の原因となりますが、胃切除術後に特異的に不足するわけではなく、貧血の主な原因にはなりません。

 

選択肢5. ビタミンK

ビタミンKは脂溶性ビタミンで、血液凝固因子の合成に必要です。

欠乏すると出血傾向が見られますが、胃切除後に特異的に欠乏するわけではありません。

 

 

まとめ

胃切除術後に貧血を引き起こす可能性が高いのは、ビタミンB12の欠乏によるものです。

胃切除後には内因子の減少によるビタミンB12の吸収障害が起きるため、定期的な血液検査と必要に応じたビタミンB12の補充が重要です。

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