看護師 過去問
第113回
問199 (午後 問79)
問題文
もやもや病(moyamoya disease)について正しいのはどれか。
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問題
看護師試験 第113回 問199(午後 問79) (訂正依頼・報告はこちら)
もやもや病(moyamoya disease)について正しいのはどれか。
- 脳動静脈の奇形である。
- 浅側頭動脈の狭窄が原因である。
- 代償性の側副血行路が形成される。
- ポリオウイルスの感染が関与する。
- Willis<ウィリス>動脈輪への血栓閉塞で生じる。
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は、「代償性の側副血行路が形成される。」です。
もやもや病は、
内頚動脈と椎骨動脈が互いに吻合して作られる、
ウイリス動脈輪(大脳動脈輪)が進行性に狭窄・閉塞する疾患です。
誤った解答です。
脳動脈奇形は、胎児期に発生する先天異常で、
動脈と静脈が毛細血管を介さず直接つながり、瘤を形成することがあるため、
破裂すると、脳出血やくも膜下出血を起こします。
もやもや病の原因ではありません。
誤った解答です。
浅側頭動脈は、外頸動脈の終枝で、側頭部に分布しています。
もやもや病の原因血管ではなく、
治療のための血行再建術に用いられることがあります。
正しい解答です。
もやもや病では、ウイリス動脈輪が狭窄・閉塞した結果、
本来細いはずの周辺の毛細血管が拡張し、側副血行路を形成して、
脳の血流を維持しようとします。
誤った解答です。
もやもや病の原因は不明ですが、
患者の約10%に家族内発症がみられることから、
遺伝性の関与が研究されています。
誤った解答です。
もやもや病は、血栓による閉塞で生じる疾患ではなく、
原因不明の進行性の狭窄・閉塞が生じる疾患です。
もやもや病は、ウイリス動脈輪の進行的な狭窄・閉塞により、側副血行路が形成され、
脳血管造影で、「煙のようにもやもやした血管」という特徴的な所見がみられます。
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02
もやもや病(moyamoya disease)について正しいのは、「代償性の側副血行路が形成される」です。
もやもや病は、ウィリス動脈輪の主幹動脈(内頸動脈や中大脳動脈、前大脳動脈)の狭窄や閉塞による慢性的な血流障害により、代償的に側副血行路が発達し、それが血管造影で「もやもや」した像として観察される疾患です。
もやもや病は脳動脈に特異的な疾患であり、脳動静脈奇形(AVM:arteriovenous malformation)とは異なります。
脳動静脈奇形は、動脈と静脈の間に毛細血管を介さずに異常につながる疾患ですが、もやもや病は動脈の狭窄・閉塞が特徴です。
もやもや病の病変部位は、内頸動脈系を含むウィリス動脈輪(前大脳動脈、中大脳動脈)に集中します。
浅側頭動脈は外頸動脈系に属し、病因とは直接関係ありません。
むしろ、浅側頭動脈は手術時に血流再建(バイパス)に利用されることがあります。
もやもや病では、主幹動脈の狭窄や閉塞に伴い、脳への血流を補うために側副血行路が発達します。
この側副血行路は、脳血管造影で「もやもや」した特徴的な像として観察され、疾患名の由来にもなっています。
もやもや病は、遺伝的要因や免疫学的要因が示唆されていますが、ウイルス感染、特にポリオウイルスとの直接的な関連は確認されていません。
もやもや病は血栓による閉塞ではなく、内頸動脈終末部やウィリス動脈輪における慢性かつ進行性の狭窄が原因です。
狭窄や閉塞の正確な原因は不明ですが、血栓形成による閉塞とは異なります。
もやもや病では、ウィリス動脈輪の動脈が狭窄・閉塞することで、代償性の側副血行路が発達します。
これが特徴的な「もやもや」した像として確認される病態です。
正確な病態理解が治療やケアにおいて重要です。
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