看護師 過去問
第113回
問203 (午後 問83)

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問題

看護師試験 第113回 問203(午後 問83) (訂正依頼・報告はこちら)

開心術後の心タンポナーデ(cardiac tamponade)で正しいのはどれか。2つ選べ。
  • 徐脈
  • 心音減弱
  • 心拍出量の増加
  • 中心静脈圧の上昇
  • 吸気時収縮期圧の10mmHg上昇

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この過去問の解説 (2件)

01

開心術後の心タンポナーデ(cardiac tamponade)で正しいのは、「心音減弱」と「中心静脈圧の上昇」です。

心タンポナーデは心嚢内に液体や血液が過剰に貯留し、心臓の拡張と収縮が妨げられる病態で、これらの症状が特徴的に見られます。

 

選択肢1. 徐脈

心タンポナーデでは、交感神経の亢進により頻脈が生じることが多いです。

徐脈は通常見られないため、この選択肢は誤りです。

選択肢2. 心音減弱

心嚢内の液体貯留によって心臓が覆われるため、聴診時の心音は減弱します。

これは心タンポナーデの典型的な症状のひとつです。

選択肢3. 心拍出量の増加

心タンポナーデでは、心嚢内圧の上昇により心臓が拡張できなくなり、心拍出量は減少します。

選択肢4. 中心静脈圧の上昇

心タンポナーデでは、心臓への血液還流が妨げられるため、中心静脈圧が上昇します。

これも心タンポナーデの特徴的な所見です。

選択肢5. 吸気時収縮期圧の10mmHg上昇

吸気時には胸腔内圧が低下し、右心系への血流が増加しますが、心タンポナーデではこの影響で左心系への血流が抑制され、吸気時に収縮期血圧が10mmHg以上低下する「奇脈」がみられます。

まとめ

心タンポナーデでは、「心音減弱」と「中心静脈圧の上昇」が特徴的です。

その他の症状も理解することで、適切な診断と対応が可能になります

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02

正解は、「心音減弱」と「中心静脈圧の上昇」です。

 

心タンポナーデは、開心術後では特に術後2時間以内に起こりやすい合併症です。
心臓の壁に物理的な損傷が生じることで、心嚢内に血液や心嚢液が貯留して、

心臓の拡張不全が起こります。

選択肢1. 徐脈

誤った解答です。

心タンポナーデでは、心臓の拡張不全から心拍出量が低下し、

その代償として、頻脈となります。

選択肢2. 心音減弱

正しい解答です。

心タンポナーデでは、心嚢内に液体が貯留することにより、
聴診にて、心音の減弱を認めます。

選択肢3. 心拍出量の増加

誤った解答です。

心タンポナーデでは、心臓の拡張不全により、

心拍出量が減少します。

選択肢4. 中心静脈圧の上昇

正しい解答です。

心タンポナーデでは、心臓の拡張不全により、静脈灌流が障害され、

右心房や中心静脈に血液が停滞し、中心静脈圧が上昇します。

選択肢5. 吸気時収縮期圧の10mmHg上昇

誤った解答です。

心タンポナーデでは、吸気時収縮期血圧が10mmHgを超える低下がみられる、

「奇脈」という典型的な症状が現れます。

まとめ

心タンポナーデは、早期発見と迅速な処置が必要な病態で、

「心音減弱」と「中心静脈圧の上昇」は、特徴的な所見となります。

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