看護師 過去問
第113回
問222 (午後 問102)

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問題

看護師試験 第113回 問222(午後 問102) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
Aちゃん(7歳、女児)は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に来院した。1か月前に扁桃炎(tonsillitis)に罹患した以外は既往歴に特記すべきことはない。扁桃炎(tonsillitis)は抗菌薬を内服し軽快した。検査の結果、溶連菌感染後(poststreptcoccal)急性糸球体腎炎(acute glomerulonephritis)と診断されて入院した。入院時、Aちゃんは体温 36.6℃、呼吸数 20/分、心拍数 84/分、血圧 130/80mmHgで、床上安静の指示が出された。
入院して1週が経過した。症状は軽快傾向にあるが床上安静は続いている。仲が良かった同じ病室の児が退院して、Aちゃんはイライラしている。Aちゃんの母親は、毎日昼食後から夕食まで面会をしている。
Aちゃんのストレスに対する看護師の発言で適切なのはどれか。
  • 「すぐに退院できるから頑張ろう」
  • 「好きなだけテレビや動画を観ていいよ」
  • 「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」
  • 「夕食後もお母さんに付き添ってもらおう」

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では、まず学童期の対象の発達段階と、その対象の入院生活によるストレスを理解することが必要となります。学童期は身体的・精神的に大きな成長がみられる時期です。論理的な思考もできるようになり、病気や治療について理解できるようになってきます。またストレスの原因としては、問題文にあるように「症状は軽快傾向にあるが床上安静は続いていること」、「仲が良かった同じ病室の児が退院したこと」だと考えられます。

以上を踏まえて各選択肢をみていきます。


 

選択肢1. 「すぐに退院できるから頑張ろう」

症状は軽快してきているものの、症状安静指示は継続中です。医師から退院の指示がでたという記載もないため、事実と異なる説明はするべきではありません。事実と異なる説明は、対象との信頼関係を損なうことにつながります。

選択肢2. 「好きなだけテレビや動画を観ていいよ」

現在感じているストレスに対し、テレビや動画で一時的に気を紛らわせることができるかもしれません。しかし学童期の入院は、退院後の学校生活も視野に、生活リズムを乱さないことも重要となります。そのため「好きなだけ」という説明は適切ではありません。


 

選択肢3. 「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」

正解

冒頭で述べたように、Aちゃんのストレスの原因は「症状は軽快傾向にあるが床上安静は続いていること」、「仲が良かった同じ病室の児が退院したこと」です。ベッドに寝たままプレイルームにいくことは、症状安静の指示も守りつつ気分転換も図れるため、適切な対応と言えます。


 

選択肢4. 「夕食後もお母さんに付き添ってもらおう」

冒頭で述べたように、Aちゃんのストレスの原因は、「症状は軽快傾向にあるが床上安静は続いていること」、「仲が良かった同じ病室の児が退院したこと」の2点です。そのため母への付き添い依頼はAちゃんのストレス軽減につながる働きとは言えません。

まとめ

学童期の発達段階と入院によるストレス、この2点を抑えることで問題に対する理解が深まります。問題文にある情報を整理し、適切な介入を考えましょう。

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02

Aちゃんは同室の児童が退院したことがきっかけでイライラしている可能性が高いです。床上安静中であることに留意しながら、Aちゃんに対して寄り添った支援をしているものがないか見ていきます。

選択肢1. 「すぐに退院できるから頑張ろう」

Aちゃんは症状は軽快しているものの床上安静の状態であり、退院の目途はまだたっていないため曖昧な返答は避けるべきと考えられます。よってこの選択肢は誤りとなります。

選択肢2. 「好きなだけテレビや動画を観ていいよ」

Aちゃんのイライラのきっかけは同室の児童が退院したことであるため、テレビや動画を見ることはAちゃんの孤独感や孤立感に対する対応ではないと考えられます。また、長時間のテレビ視聴は生活リズムが乱れたり、視力の低下につながる可能性があるため支援としては適切ではないと考えられます。よってこの選択肢は誤りとなります。

選択肢3. 「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」

床上安静を保ったままプレイルームに行くことで、他の子供たちとの交流ができAちゃんのストレスを軽減させることができる可能性があります。Aちゃんの状況において適切な支援であると考えられるため、この選択肢が正解となります。

選択肢4. 「夕食後もお母さんに付き添ってもらおう」

Aちゃんのストレスの原因は同室の児童が退院したことがきっかけであり、母親に付き添いを依頼する優先度は低いと考えられます。また、Aちゃんの母親にも生活があるため、安易に母親に依頼をすることは避けたほうがよいと考えられます。よってこの選択肢は誤りとなります。

まとめ

治療上の指示があることに留意しながら選択肢を見ていくことが今回のポイントとなります。また、曖昧な返答は小児であっても避けるべきなので注意しましょう。

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03

Aちゃんのストレスに対する看護師の適切な発言は「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」です。

Aちゃんにとってストレス軽減に役立つ可能性が高いためです。

選択肢1. 「すぐに退院できるから頑張ろう」

退院時期を断定的に伝えることは、状況によってはAちゃんに期待を抱かせてしまい、予定が変わった場合にかえって不安や失望感を引き起こすリスクがあります。

そのため、無理に退院を励みにするのではなく、現在の生活で心の安定を図る支援が望ましいです。

選択肢2. 「好きなだけテレビや動画を観ていいよ」

テレビや動画は一時的に気を紛らわす手段となりますが、長時間の視聴は体力低下や睡眠リズムの乱れ、目の疲れなどにつながる可能性があります。

看護師としては、規則正しい生活リズムを保てるよう促すことが適切です。

選択肢3. 「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」

ベッドに寝たままプレイルームに行くことは

Aちゃんのストレス緩和や気分転換につながるため適切です。

選択肢4. 「夕食後もお母さんに付き添ってもらおう」

Aちゃんのストレスの原因は仲が良かった同じ病室の児の退院や、病室で行動を制限されていることによりますので

母親と過ごす時間を延ばすことはストレス軽減のための対応とはいえません。

まとめ

Aちゃんのストレスを軽減することが看護師として重要です。

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