看護師の過去問
第113回
午後 問103

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問題

看護師国家試験 第113回 午後 問103 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。
A君(5歳、男児)は共働きの両親と3人で暮らしている。2歳6か月で自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder)と診断され、保育所と療育センターに通っている。保育所の健康診断で低身長を指摘され、受診を勧められて両親と来院した。A君は待合室を走ったり診察室の扉を開けたりしていた。診察室に入ると「頑張ろう」と泣きながら叫び、恐怖心を抑えている様子だった。母親は「Aは病院が苦手で、予防接種はAの手足と体を看護師さん3人で抑えて行ってきましたが、繰り返し説明することで、抑えなくても注射ができるようになりました」と話した。
診察の結果、1週後に成長ホルモン分泌刺激試験を行うことになった。母親から「Aが血液検査でパニックを起こすのではないかと心配です」と発言があった。
母親への声かけで適切なのはどれか。
  • 「検査があることは当日に説明しましょう」
  • 「予防接種ができるのであれば心配ありません」
  • 「家でA君に説明できる絵カードをお渡しします」
  • 「看護師3人でA君をしっかりと抑えて採血します」

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この過去問の解説 (2件)

01

母親への声かけで適切なのは、「家でA君に説明できる絵カードをお渡しします」です。

自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、事前に検査の流れを視覚的に理解することで、不安やパニックを軽減できる場合があります。

絵カードを活用して家庭で説明することで、A君が検査に対して心の準備をしやすくなります。

 

選択肢1. 「検査があることは当日に説明しましょう」

ASDの子どもは、当日に突然新しいことを説明されると、不安が増してパニックを起こす可能性があります。

事前に検査の内容や流れを知らせておくことが重要で、この声かけは不適切です。

選択肢2. 「予防接種ができるのであれば心配ありません」

予防接種ができるようになったのは、繰り返し説明を行い、A君が準備できたためです。

血液検査は別の手順や環境になるため、予防接種ができたからといって同じ対応で心配が不要になるとは限りません。

選択肢3. 「家でA君に説明できる絵カードをお渡しします」

絵カードなどの視覚的なサポートは、ASDの子どもにとって非常に有効なコミュニケーション手段です。

絵カードを使って、検査の手順や内容を事前に理解させることで、不安を軽減し、検査に対する適応を促すことが期待されます。

 

選択肢4. 「看護師3人でA君をしっかりと抑えて採血します」

強制的に身体を抑える対応は、A君にさらなる恐怖心や不信感を与える可能性があり、不適切です。

事前に不安を軽減する工夫を行うことが重要であり、この声かけは適切ではありません。

まとめ

A君が血液検査でパニックを起こさないようにするには、「家でA君に説明できる絵カードをお渡しします」が最も適切です。

視覚的支援を活用して事前に説明を行うことで、安心感を高め、検査への適応を助けることができます。

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02

この問題を解くポイントは、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもの特性を理解をすることが大切です。ASDの子どもは予測不能な状況に対して特に敏感で、不安を感じやすいです。

以下の選択肢を確認していきましょう。

選択肢1. 「検査があることは当日に説明しましょう」

不正解

ASDの子どもは予測不可能な出来事に不安を感じやすく、当日に初めてのことを説明することは不適切です。

選択肢2. 「予防接種ができるのであれば心配ありません」

不正解

予防接種ができるようになったのは、母親が繰り返し説明したことで可能になったので、同じアプローチをする必要があります。

一概に予防接種ができるからといって、血液検査ができるとは限りません。

選択肢3. 「家でA君に説明できる絵カードをお渡しします」

正解

視覚支援ツール(絵カードやスケジュール)を活用することで、子どもが血液検査の流れや内容を理解するのを助けてくれます。また、親が子どもに説明する助けにもなります。

選択肢4. 「看護師3人でA君をしっかりと抑えて採血します」

不正解

無理に抑えることは、子どもの恐怖心を増大させ、医療行為そのものへの拒否感を強める可能性があります。

まとめ

自閉スペクトラム症(ASD)は、予測不能な状況に対して特に敏感で不安を感じやすい特性があります。視覚的な支援を取り入れることで、状況をわかりやすく説明することで、不安を軽減させる一つのきっかけになります。

また、母親の不安を受け止めることも大切です。

こちらも一緒におさえておきましょう。

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