司法書士の過去問
平成27年度
(旧)平成27年度 問19
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問題
平成27年度 司法書士試験 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
消費貸借に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 消費貸借が成立した場合、貸主は目的物を貸し渡す債務を負い、借主は目的物を返還する債務を負う。
イ 利息付きの金銭消費貸借における利息は、特約のない限り、消費貸借の成立の日の翌日から発生する。
ウ 消費貸借の予約がされた後に、当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、消費貸借の予約の効力は失われる。
エ 無利息の消費貸借の目的物に暇庇があったときは、借主は、暇庇がある物の価額を返還することができる。
オ 利息付きの金銭消費貸借における借主は、返還の時期が定められている場合であっても、その期限前に返還をすることができ、このときには、残元本のほか、実際に返還をする日までの利息を支払えば足りる。
ア 消費貸借が成立した場合、貸主は目的物を貸し渡す債務を負い、借主は目的物を返還する債務を負う。
イ 利息付きの金銭消費貸借における利息は、特約のない限り、消費貸借の成立の日の翌日から発生する。
ウ 消費貸借の予約がされた後に、当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、消費貸借の予約の効力は失われる。
エ 無利息の消費貸借の目的物に暇庇があったときは、借主は、暇庇がある物の価額を返還することができる。
オ 利息付きの金銭消費貸借における借主は、返還の時期が定められている場合であっても、その期限前に返還をすることができ、このときには、残元本のほか、実際に返還をする日までの利息を支払えば足りる。
- アイ
- アオ
- イエ
- ウエ
- ウオ
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この過去問の解説 (3件)
01
ア ×
消費貸借契約は、片務契約となりますので、貸主は債務を負いません。
イ ×
利息は、特約のない限り、消費貸借契約の成立の日に発生します。
ウ 〇
民法第587条の2の3により、消費貸借の予約は、当事者の一方が破産手続開始決定を受けたときに効力が失われます。
エ 〇
無利息の消費貸借の目的物に瑕疵があった場合は、同等のものを返還するか、その価額を返還することもできます。
オ ×
利息付きの金銭消費貸借においては、貸主にも期限の利益があり、借主は期限前に返還をする場合は、返還の時期までの利息を支払う必要があります。
正解です。
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02
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 民法587条では、消費貸借は、当事者の一方が、種類、品質、数量の同じ物をもって返還することを約して、相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生じる、と規定しています。消費貸借が成立した場合、既に貸主は目的物を貸し渡していることから、貸主が目的物を貸し渡す債務を負うことはありません。また、借主は、目的物そのものを返還する債務を負うわけではありません。従って、本選択肢は誤りです。
イ. 判例は、利息付金銭消費貸借における利息については、特約のない限り、消費貸借成立の日から、利息を支払うべき義務を負う、としています(最高裁昭和33年6月6日判決)。従って、本選択肢は誤りです。
ウ. 第587条の2の3では、消費貸借の予約は、その後に当事者の一方が破産手続開始決定を受けたときは、その効力を失う、と規定しています。従って、本選択肢は正しいです。
エ. 無利息の消費貸借においては、借主は、瑕疵がある物の価額を返還することができます(民法590条2項前段参照)。従って、本選択肢は正しいです。
オ. 期限の利益は放棄することができますが、これによって、相手方の利益を害することはできません(民法136条2項参照)。従って、本ケースでは、残元本の他に、期限までの利息を付けて返還しなくてはならいので、本選択肢は誤りです。
正解です。
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03
ア誤
消費貸借契約は片務契約に該当します。したがって借主の目的物返還債務のみ生じます。
イ誤
利息は金銭の使用料として生じます。したがって消費貸借契約の成立日から発生します。
ウ正
第587条の2の3より書面でする消費貸借は、借主が貸主から金銭その他の物を受け取る前に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、その効力を失います。
エ正
590条に貸主の担保責任が規定されています。無利息の消費貸借は貸主は瑕疵がある物の価額を返還することが出来ます。
オ誤
弁済期前の返還においても弁済期までの利息を返還しなければなりません。
正解です。
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