司法書士の過去問
平成27年度
(旧)平成27年度 問22

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問題

平成27年度 司法書士試験 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

相続人に関する次のアからオまでの記述のうちで誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア 被相続人Aの親族として、亡実弟Bの実子であるCがいるだけの場合において、Aが死亡したときは、CはBを代襲してAの相続人となる。

イ 被相続人Aの子であるBが相続放棄をした場合、Bの子であるCが、Bを代襲してAの相続人となる。

ウ 夫A及び妻Bの子であるCが、故意にAを死亡させて刑に処せられた場合において、その後にBが死亡したときは、Cは、Aの相続について相続人となることができないほか、Bの相続についても相続人となることができない。

エ 被相続人は、推定相続人である兄弟姉妹の廃除を請求することはできない。

オ 被相続人の生前にされた推定相続人の廃除は、遺言によって取り消すことはできない。
  • アウ
  • アエ
  • イウ
  • イオ
  • エオ

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 4 です。

誤っている選択肢はイとオなので、4が正解です。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア. 相続人である兄弟姉妹が被相続人の相続開始前に死亡しその相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となります(民法889条2項、887条2項参照)。従って、本選択肢は正しいです。

イ. 民法887条2項では、被相続人の子が、相続の開始以前に死亡した時、又は欠格事由に該当し、若しくは廃除によって相続権を失った時は、その者の子がこれを代襲して相続人となる、と規定しています。相続放棄は、上記の代襲原因に含まれないために、Bの子CはBを代襲しません。従って、本選択肢は誤りです。

ウ. 民法891条1項は、故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にあるものを死亡するに至らせ、又は至らせようとしたため、刑に処せられた者は相続人となることができません。Cは、故意に被相続人Aと同順位にあるBを死亡するに至らしめているため、相続人とはなりません。従って、本選択肢は正しいです。

エ. 民法892条は、遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに対して重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求できる、と規定しています。しかし、兄弟姉妹に対しては、兄弟姉妹は遺留分がないので、当該請求を行うことはできません。従って、本選択肢は正しいです。

オ. 被相続人が遺言で推定相続人の廃除の取消しの意思表示をした時は、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求しなければなりません(民法894条2項、893条参照)。従って、本選択肢は誤りです。

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02

ア 〇
 兄弟姉妹の子は代襲相続人となります。

イ ×
 相続放棄は代襲原因とはならないため、Bの子であるCは代襲相続人とはなりません。

ウ 〇
 CはAを故意に死亡させたため、Aの相続にあたり、欠格事由に該当します。それと同時に、Bの相続にあたっても、同順位の相続人Aを故意に死亡させたこととなるため、欠格事由に該当します。

エ 〇
 兄弟姉妹には遺留分がありませんので、兄弟姉妹の廃除を請求することはできません。

オ ×
 廃除は、生前、家庭裁判所に請求することも、遺言ですることもでき、生前にされた推定相続人の廃除は、遺言によって取り消すことができます。

参考になった数6

03

ア正
典型的な代襲相続人です。

イ誤
相続放棄は代襲原因に該当しません。したがって、相続放棄をした人の子が相続人となることはできません。

ウ正
故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡するに至らせ、刑に処せられた者は相続欠格に該当し相続資格を失います。

エ正
廃除の要件に推定相続人が遺留分を有していることがあります。兄弟姉妹には遺留分がありません。したがって兄弟姉妹に廃除を請求することはできません。

オ誤
被相続人はいつでも廃除の請求を裁判所にすることが出来ます。また遺言によっても可能です。

参考になった数5