司法書士の過去問
平成27年度
(旧)平成27年度 問31
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問題
平成27年度 司法書士試験 問31 (訂正依頼・報告はこちら)
次の対話は、株式会社の解散と清算に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
教授:会社法上の公開会社が解散するための手続は、どのようなものですか。なお、この会社は、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社で、はないものとします。
学生:(ア) 会社法上の公開会社は、株主総会の特別決議によって解散することができます。この場合には、会社は、その株主総会の日の2週間前までに、会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければなりません。
教授:この会杜が解散の時において会計監査人設置会社で、あった場合には、清算株式会社には、監査役や会計監査人を置く必要はありますか。
学生:(イ) 監査役も、会計監査人も、置く必要はありません。
教授:では、この会社が裁判所の解散命令によって解散した場合において、定款で清算人を定めておらず、かつ、株主総会でも清算人を選任しなかったときは、誰が清算人となりますか。
学生:(ウ) その場合には、取締役が当然に清算人となります。
教授:この会社について、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するとして、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定がされた場合には、取締役は当然に清算人となりますか。
学生:(エ) いいえ。その場合には、取締役が当然に清算人となることはありません。教授:最後に、定款で定めた存続期間の満了によって解散した清算株式会社は、いつまで、株主総会の決議によって株式会社を継続することができますか。
学生:(オ) その清算株式会社は、清算が結了するまで、株主総会の決議によって株式会社を継続することができます。しかし休眠会社が解散したものとみなされた場合には、解散したものとみなされた後3年以内に限られています。
教授:会社法上の公開会社が解散するための手続は、どのようなものですか。なお、この会社は、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社で、はないものとします。
学生:(ア) 会社法上の公開会社は、株主総会の特別決議によって解散することができます。この場合には、会社は、その株主総会の日の2週間前までに、会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければなりません。
教授:この会杜が解散の時において会計監査人設置会社で、あった場合には、清算株式会社には、監査役や会計監査人を置く必要はありますか。
学生:(イ) 監査役も、会計監査人も、置く必要はありません。
教授:では、この会社が裁判所の解散命令によって解散した場合において、定款で清算人を定めておらず、かつ、株主総会でも清算人を選任しなかったときは、誰が清算人となりますか。
学生:(ウ) その場合には、取締役が当然に清算人となります。
教授:この会社について、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足するとして、破産手続開始の決定と同時に、破産手続廃止の決定がされた場合には、取締役は当然に清算人となりますか。
学生:(エ) いいえ。その場合には、取締役が当然に清算人となることはありません。教授:最後に、定款で定めた存続期間の満了によって解散した清算株式会社は、いつまで、株主総会の決議によって株式会社を継続することができますか。
学生:(オ) その清算株式会社は、清算が結了するまで、株主総会の決議によって株式会社を継続することができます。しかし休眠会社が解散したものとみなされた場合には、解散したものとみなされた後3年以内に限られています。
- アウ
- アエ
- イウ
- イオ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
株式会社は、株主総会の特別決議によって解散することができますが、この場合に債権者保護手続は必要ありません。
イ ×
清算株式会社は、会計監査人を置くことはできませんが、解散したときに公開会社であった会社は、監査役の設置義務が生じます。
ウ ×
裁判所の解散命令によって解散した場合は、裁判所が清算人を選任します。
エ 〇
定款で清算人を定めておらず、株主総会でも清算人を選任しなかったときであっても、取締役は当然に清算人とならず、裁判所に清算人の選任を求めることになります。
オ 〇
休眠会社のみなし解散の場合は、会社の継続は解散したものとみなされた後3年以内にしなければなりませんが、そのほかの場合は、会社を継続するのに期限はありません。
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02
正しい選択肢は、エとオなので、5が正解です。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 会社方499条1項は、株式会社は、清算の開始原因が生じた場合には、遅滞なく、債権者に対して、一定の期間内(2か月を下回ることはできない)に、債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、格別にこれを催告しなければならない、と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。
イ. 会社法477条4項では、解散事由に該当することになった時において公開会社であった精算株式会社は、監査役をおかなくてはならない、と規定いています。従って、本選択肢は誤りです。
ウ. 会社法842条1項、833条1項では、解散を命じる裁判によって解散した清算株式については、裁判所は、利害関係人若しくは法務大臣の申立てにより又は職権で、清算人を選任すべき、と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。
エ. 判例は、株式会社が破産手続き開始決定を受けるのと同時に、破産手続き廃止の決定がされた場合においては、定款または株主総会の決議によって取締役以外の者を清算人と定めない限り、利害関係人の請求によって、清算人を定めるべきものとしています(最高裁昭和43年3月15日判決)。従って、本選択肢は正しいです。
オ. 会社法473条では、定款で定めた存続期間の満了によって解散した場合(休眠会社が解散したものとみなされる場合も含む)には、清算が結了するまで(休眠会社にあっては、解散したものとみなされた後、3年以内に限る)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる、と規定しています。従って、本選択肢は正しいです。
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03
公開会社の場合、特別決議によって解散することができます。ただし、会社債権者に対して官報で公告する必要はありません。
イ誤
解散時に公開会社である会社は、清算会社において監査役を設置しなければなりません。
ウ誤
会社が裁判所の解散命令によって解散した場合は、清算人になる者は取締役ではなく裁判所が独自に選任します。
エ正
上記と同様に裁判所が清算人を選任します。
オ正
その通り。清算株式会社は清算が完了するまでは株式総会の決議によって会社を継続することが出来ます。
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