司法書士の過去問
平成27年度
(旧)平成27年度 問44
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問題
平成27年度 司法書士試験 問44 (訂正依頼・報告はこちら)
供託の当事者に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 契約の当事者以外の第三者は、当事者がその弁済について反対の意思を表示した場合には、自ら弁済供託をすることができない。
イ 営業の許可を受けた未成年者は、当該営業に関しない債務を免れることを目的とする場合には、自ら弁済供託をすることができない。
ウ 債務者は、被供託者を具体的に確定していない場合には、弁済供託をすることができない。
エ 当事者以外の第三者は、相手方の同意がない場合には、裁判上の保証供託をすることができない。
オ 仮差押債務者以外の第三者は、仮差押債権者の同意がある場合には、仮差押解放金の供託をすることができる。
ア 契約の当事者以外の第三者は、当事者がその弁済について反対の意思を表示した場合には、自ら弁済供託をすることができない。
イ 営業の許可を受けた未成年者は、当該営業に関しない債務を免れることを目的とする場合には、自ら弁済供託をすることができない。
ウ 債務者は、被供託者を具体的に確定していない場合には、弁済供託をすることができない。
エ 当事者以外の第三者は、相手方の同意がない場合には、裁判上の保証供託をすることができない。
オ 仮差押債務者以外の第三者は、仮差押債権者の同意がある場合には、仮差押解放金の供託をすることができる。
- アイ
- アウ
- イエ
- ウオ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
当事者がその弁済について反対の意思を表示した場合は、契約の当事者以外の第三者は、民法上第三者弁済ができませんので、弁済供託することもできません。
イ 〇
営業の許可を受けた未成年者は、その営業の範囲内では行為能力者とみなされますが、営業に関しない債務を免れる場合は、制限行為能力者となり、自ら弁済をすることができませんので、供託をすることもできません。
ウ ×
債権者不確知を理由として、債務者は弁済供託をすることができます。
エ ×
相手方の同意がない場合でも、当事者以外の第三者が裁判上の保証供託をすることができます。
オ ×
仮差押解放金は、その性質上、第三者による供託はできません。
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02
弁済供託をするものが契約の当事者でない第三者である場合は、当事者が反対の意思表示をすると弁済供託をすることが出来ません。
イ正
成年擬制を受けるのは営業の許可を受けた範囲内です。したがって当該営業に関しない債務を免れることを目的とする弁済供託はすることが出来ません。
ウ誤
被供託者が具体的に確定していない場合でも弁済供託をすることが出来ます。債務者に過失なく債権者を確知することができないと債権者不確知を供託原因とすることができます。
エ誤
裁判上の保証供託については当事者以外の第三者がする場合において相手方の同意がなくてもすることが出来ます。
オ誤
仮差押解放金の供託はたとえ債権者の同意がある場合でもすることが出来ません。
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03
正しい選択肢はアとウなので、1が正解です。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 弁済供託ができる者は、本来弁済すべき債務者ですが、第三者もまた、債務者のために弁済をなしうる範囲であれば、供託者となることができます。しかし、当事者が反対の意思表示をした場合には、弁済することはできません(民法474条1項、499条、500条参照)。従って、本選択肢は正しいです。
イ. 未成年者は、営業の許可等に基づく供託を除き、独立して自らは供託行為はできず、供託手続きに関する行為は法定代理人によってのみすることができます。従って、本選択肢は正しいです。
ウ. 債権者死亡し、相続が開始したが、相続人が誰であるか不明である場合等、被供託者が具体的に確定していない場合でも、債権者不確知を原因とする弁済供託をすることができます。従って、本選択肢は誤りです。
エ. 先例は、当事者以外の第三者であっても、裁判所が相当とみとめる場合に限り、裁判上の保証供託をすることができ、その際、相手方の同意は不要である、としています(昭和18年8月13日、民甲511、昭和35年全国会議)。従って、本選択肢は誤りです。
オ. 先例は、仮差押解放金については、第三者による供託は認められない、としています(昭和42年全国会議)。従って、本選択肢は誤りです。
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