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司法書士の過去問 平成27年度 (旧)平成27年度 問60

問題

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甲土地の所有権の登記名義人であるAには、配偶者B並びに子C及びDがおり、Cには子Eがいる場合において、Aが死亡して相続が開始したときに、甲土地について申請すべき登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア B、C及びDの間でAの遺産の分割の協議が成立した1年半後、Aの嫡出でない子Fについて認知の裁判が確定して認知された場合において、その後、当該協議に基づき、AからB、C及びDへの相続を登記原因とする所有権の移転の登記を申請するときは、当該協議に係る遺産分割協議書の作成の日付が当該認知の裁判の確定の日より前であっても、Fの同意を証する情報を提供しなければならない。

イ Aの自筆証書による遺言書に基づき、AからCへの相続を登記原因とする所有権の移転の登記を申請する場合において、「 遺言書はAの自筆ではなく押印はAの使用印ではないと思う 」旨のDの陳述が記載された家庭裁判所の検認期日の審問調書を提供するときは、併せて、Dの作成に係る当該登記の申請に異議がない旨の印鑑証明書付きの証明書を提供しなければならない。

ウ Aが甲土地をCに相続させる旨のみを本文とする適式な遺言書を作成していたが、その後にCがAよりも先に死亡した場合、Eは、当該遺言書を提供して、AからEへの相続を登記原因とする所有権の移転の登記を申請することができる。

エ AからB、C及びDへの相続を登記原因とする所有権の移転の登記がされた後、Bの相続の放棄の申述が受理された場合、B、C及びDは、Bが作成した相続の放棄を証する書面を提供して、BからC及びDへの相続の放棄を登記原因とするBの持分の移転の登記を申請することができる。

オ Aが、甲土地を相続人でないG、H及びIに遺贈する旨のみを本文とする適式な遺言書を作成していたが、Aの死亡後にG及びHが遺贈の放棄をした場合、Iは、G及びHが作成した遺贈の放棄を証する書面を提供して、AからIへの遺贈を登記原因とする所有権全部の移転の登記を申請することができる。
   1 .
アウ
   2 .
アエ
   3 .
イエ
   4 .
イオ
   5 .
ウオ
( 平成27年度 司法書士試験 問60 )
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この過去問の解説 (4件)

12
ア ×
 本肢においては、協議に係る遺産分割協議書の作成の日付が当該認知の裁判の確定の日より前であるため、B、C及びDへの相続を登記原因とする所有権の移転の登記を申請するときに、Fの同意を証する情報を提供する必要はありません。

イ 〇
「 遺言書はAの自筆ではなく押印はAの使用印ではないと思う 」旨のDの陳述が記載された家庭裁判所の検認期日の審問調書を提供された場合でも、併せて、Dの作成に係る当該登記の申請に異議がない旨の印鑑証明書付きの証明書を提供すれば、AからCへの相続を登記原因とする所有権の移転の登記を申請することができます。

ウ ×
 CがAよりも先に死亡した場合、遺贈の効力は生じないため、Cの子であるEは、当該遺言書を提供して、AからEへの相続を登記原因とする所有権の移転の登記を申請することはできません。

エ 〇
 AからB、C及びDへの相続を登記原因とする所有権の移転の登記がされた後、Bの相続の放棄の申述が受理された場合、B、C及びDは、Bが作成した相続の放棄を証する書面を提供すれば、BからC及びDへの相続の放棄を登記原因とするB持分の移転の登記を申請することができます。

オ ×
 Aの死亡後にG及びEが遺贈の放棄をした場合、G及びEが遺贈を受けるべきであった持分は相続人が相続するため、AからIへの遺贈を登記原因とする所有権全部の移転の登記を申請することはできません。

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4
正解は3です。2020(令和2)年7月より、法務局における遺言書の保管等に関する法律が施行され、同法11条によれば、法務局に保管される遺言書については、検認が不要となります。

ア…誤りです。遺産分割の協議後に非嫡出子の認知がされた場合、その非嫡出子の相続分については、価額による賠償をすることになります(910条)。したがって、遺産分割協議の後で、かつ共同相続の登記前であれば、「相続」を登記原因とする所有権移転登記が、当該非嫡出子の同意なくしてできます(先例)。

イ…正しいです。(公正証書遺言以外の)遺言書は、相続の開始後に、これを家庭裁判所に提出して検認を請求しなければなりません(1004条)。検認審問調書に、相続人中の一人が、「遺言は自筆のものでなく押印は遺言者の使用印ではないと思う」旨の陳述をした記載があるときは、遺言内容による登記に異議がないことを証する当該陳述者の印鑑証明書付きの証明書を要します(平10・11・26民三2275号課長通知)。

ウ…誤りです。遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡した場合には、効力を生じません(994条1項)。遺贈は特定の人に対してなされるもので、遺贈されるべき受遺者の地位を代襲することはできないというのが理由です。よって本問では甲土地に関する特定遺贈は無効となりますが、Cは相続人でもありますので、相続人B、Dと、Cの代襲相続人Eの間で遺産分割協議を行い、合意が得られれば所有権移転の登記ができます。

エ…正しいです。相続放棄がされた場合、放棄をした者は相続人でなかったとみなされますので(939条)、残りの相続人が当該相続放棄をした者の相続持分を引き受けることになります。本問の場合、Bによる相続放棄申述受理証明書を提供して、登記権利者をC、D、登記義務者をBとする所有権移転の登記ができます。

オ…誤りです。遺贈が無効または放棄を原因として効力を失った場合、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属します(995条)。本問でGとHが放棄した持分は、本来の相続人であるB、C、Dに帰属しますので、Iは自己の持分についてしか所有権移転の登記ができません。

4
正解は 3 です。

正しい選択肢はイとエなので、3が正解です。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア. 先例は、遺産分割協議書に記載されている作成の日付が、その相続における被相続人の子として判決により認知される前であれば、その子の同意書又はその子に対する判決を添付することなく、当該協議書により相続登記をすることができる、と規定しています(昭和43年7月11日民甲2346参照)。従って、本選択肢は誤りです。

イ. 先例は、自筆証書による遺言書の検認期日の尋問調書に、相続人の1人が「遺言書は遺言者の自筆によるものではなく、押印も遺言者の使用印によるものではないと思う」旨の陳述をしたとの記載がある場合であっても、遺言内容による相続の登記の申請に異議がない旨の当該陳述者の証明書(印鑑証明書付き)がある場合には、当該相続登記の申請は受理される、としています(平成10年11月26日民3.2275参照)。従って、本選択肢は正しいです。

ウ. 先例は、遺言者が、その者の法定相続人中の一人であるAに対し、「甲不動産をAに相続させる」旨の遺言をしたが、Aが遺言者より先に死亡している場合には、Aの直系卑属Bがいる場合でも、遺言中にAが先に死亡した場合にAに代わってBに相続させる旨の文言がない限り、Aを民法994条1項の受遺者と同視して、甲不動産は、遺言者の法定相続人全員に相続されると解するのが相当である、としています(昭和62年6月30日民3.3411参照)。従って、本選択肢は誤りです。

エ. 先例は、未登記建物につき仮差押登記嘱託に基づいて共同相続人4人名義に職権で保存登記をした後、共同相続人のうち3人がそれ以前に相続放棄をしたことを証する書面を添付して、他の共同相続人1人の所有名義にする場合、持分移転の登記によるべきである、としています(昭和30年11月21日民甲2469参照)。従って、本選択肢は正しいです。

オ. 先例は、遺言公正証書謄本と、その受遺者(A、B、C)の一部の者(B、C)の遺言放棄証書とを添付して、その他の受遺者、(A)単有名義にする遺贈の登記申請は、受理すべきではない、としています(昭和39年2月28日民甲429参照)。従って、本選択肢は誤りです。

2
正解 3

ア 誤り
遺産分割協議書に記載されている作成日付が、その相続における被相続人の子として判決により認知された日より前であれば、その子の同意書又はその子に対する判決を添付することなく、当該協議書により相続登記をすることができます(昭和43年7月11日民甲2346局長回答)。

イ 正しい
自筆証書遺言の検認期日の尋問調書に、相続人の一人が「遺言書は遺言者の自筆によるものではなく、押印も遺言者の使用印によるものではないと思う」旨の陳述をしたとの記載がある場合であっても、遺言内容による相続登記申請に異議がない旨の当該陳述者の証明書(印鑑証明書を含む)が申請書に添付されている場合には、当該相続登記の申請は受理されます(平成10年11月26日民三2275課長通知)。

ウ 誤り
遺言者が、その者の法定相続人中の一人であるAに対し、「甲不動産をAに相続させる」旨の遺言をして死亡したが、既にAが遺言者より先に死亡している場合には、Aの直系卑属がいる場合でも、遺言書中にAが先に死亡した場合には、Aに代わって直系卑属に相続させる旨の文言がない限り、甲不動産は、遺言者の法定相続人全員に相続されると解するのが相当であり、その相続の登記をなすべきとされています(昭和62年6月30日民三3411第三課長回答)。

エ 正しい
未登記の建物につき仮差押登記の嘱託に基づいて、職権で4人の共同相続人名義に保存登記をした後、3人の共同相続人がそれ以前に相続放棄をしたことを証する書面を添付して、他の共同相続人1人の名義にする場合、持分移転の登記によらなければなりません(昭和30年11月21日民甲2469号)。

オ 誤り
公正証書遺言の謄本と、その受遺者の一部の者の遺言放棄証書とを添付して、その他の受遺者の単独名義にする遺贈登記の申請は受理すべきでないとされています(昭和39年2月28日民甲429局長回答)。

以上から、正しい肢はイとエであり、3が正解となります。

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