司法書士の過去問
平成25年度
午前の部 問22
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問題
平成25年度 司法書士試験 午前の部 問22 (訂正依頼・報告はこちら)
Aには、妻B、Bとの間の子C及びD、母E並びに弟Fがおり、Aが900万円の財産を残して死亡したという事例において、Aを被相続人とする相続について、Bがその相続を承認した場合におけるBの相続分に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、各記述における相続の放棄は、いずれも、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にされたものとする。
ア C及びDが相続の放棄の申述をしたが、Cが当該申述をする前に自己のために相続が開始されたことを知りながら相続財産の一部を自己の債務の弁済に充てていた場合には、Bの相続分は、450万円となる。
イ C及びDが相続の放棄をしたものの、Cが自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にこれを撤回する旨の意思表示をした場合には、Bの相続分は、450万円となる。
ウ C及びDが相続の放棄をし、Eが相続の承認をした後に死亡した場合において、FがEを被相続人とする相続の放棄をしたときは、Bの相続分は、900万円となる。
エ E及びFに各300万円を遺贈する旨の遺言がある場合において、Aの死亡以前にFが死亡していたときは、Bの相続分は、300万円となる。
オ Fに対して100万円を遺贈する旨の遺言がある場合において、C、D及びEが相続の放棄をしたときは、Bの相続分は、600万円となる。
なお、各記述における相続の放棄は、いずれも、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にされたものとする。
ア C及びDが相続の放棄の申述をしたが、Cが当該申述をする前に自己のために相続が開始されたことを知りながら相続財産の一部を自己の債務の弁済に充てていた場合には、Bの相続分は、450万円となる。
イ C及びDが相続の放棄をしたものの、Cが自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にこれを撤回する旨の意思表示をした場合には、Bの相続分は、450万円となる。
ウ C及びDが相続の放棄をし、Eが相続の承認をした後に死亡した場合において、FがEを被相続人とする相続の放棄をしたときは、Bの相続分は、900万円となる。
エ E及びFに各300万円を遺贈する旨の遺言がある場合において、Aの死亡以前にFが死亡していたときは、Bの相続分は、300万円となる。
オ Fに対して100万円を遺贈する旨の遺言がある場合において、C、D及びEが相続の放棄をしたときは、Bの相続分は、600万円となる。
- アウ
- アエ
- イウ
- イオ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
正しい選択肢はアとエなので、2が正解です。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. Cが相続放棄の申述をする前に、Cが自己のために相続が開始されたことを知りながら相続財産の一部を自己の債務の弁済に充てていた場合には、Bが450万円、Cが450万円ずつ相続するので、本選択肢は正しいです。
イ. 一度した相続放棄の申述は撤回することができないので、相続人は配偶者B及母Eとなり、Bの相続分は600万円となります。従って、本選択肢は誤りです。
ウ. Aの死亡時点で、配偶者Bと母Eが相続人となり、配偶者Bの相続分は600万円となります。その後、Eが相続の承認をした後に死亡し、FがEの相続分を放棄した場合には、Aの子C及びDがAを代襲してEの相続人となるので、Bの相続分には変化がありません。従って、Bの相続分は600万円となりますので、本選択肢は誤りです。
エ. 受遺者が、遺贈者の死亡前の死亡していた場合には、遺贈契約は無効となります。従って、Eに対する遺贈契約のみが有効となり、相続財産は600万円、これを配偶者と子が各1/2ずつ相続しますので、Bの相続分は300万円となり、本選択肢は正しい記述となります。
オ. 本選択肢では、BとFが相続人となり、また、AからFへの遺贈は特別受益財産となるので、Bの相続分は、(800+100)万円×3/4=675万円となります。従って、本選択肢は誤りとなります。
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02
ア 正しい。
相続財産の私の消費は、法定単純承認の事由です。よって、Cは単純承認したものと見なされますから、本件事例の相続人は配偶者たるBおよび子たるCとなり、相続分はそれぞれ450万円となります。
イ 誤り。
相続の放棄の意思表示は、919条2項の例外(制限行為能力による取消、詐欺・脅迫による取消、後見監督人の同意を得ない後見人の行為による取消、錯誤無効)のほか撤回できません。
よって、Cの相続放棄は有効となり、本件事例の相続人は配偶者たるBおよび直系尊属たるE、Bの相続分は600万円(900万円×2/3)となります。
ウ 誤り。
CおよびDが相続の放棄を行った場合、Aの相続人はBおよびEとなります。そして、E死亡時の相続人はFおよびC・D(Aの代襲相続人)ですから、Fの放棄によって当然にBの相続分が900万円となることはありません。
エ 正しい。
遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡した場合効力を生じません(994条)。よって、Bの相続分は300万円(600万円×1/2)となります。
オ 誤り。
相続人に対する遺贈がなされた場合、遺産総額に基づき算出した相続分から遺贈額を控除して当該相続人の相続分とします(903条1項・中立的遺贈の推定)。本件事例の場合、C・D・Eが相続放棄をしていることから相続人は配偶者たるBおよび兄弟姉妹たるFとなり、Bの相続分は675万円(900万円×3/4)、Fの相続分は125万円((900万円×1/4)―100万円、別途遺贈として100万円を給付される)となります。
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03
ア 正しい
相続人が相続財産の一部を処分した場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなされます(民法921条1号)。
本肢の場合、Cは相続財産の一部を自己の債務の弁済に充てているため、単純承認をしたものとみなされ、相続人は、BとCになります。
よって、Bの相続人は450万円となります(同法900条1号)。
イ 誤り
相続の放棄は、撤回することができません(民法919条1項)。
よって、本肢の場合、相続人はBとEとなり、Bの相続分は600万円となります(同法900条2号)。
ウ 誤り
本肢の場合、Aの死亡時における相続人は、BとEとなり、Bの相続分は600万円となります(民法900条2号)。その後、Eが相続の承認をした後に死亡した場合において、FがEを被相続人とする相続の放棄をしたときは、Aの子であるCとDがEの代襲相続人となり(同法887条2項)、Bの相続分には影響しません。
よって、Bの相続分は600万円となります。
エ 正しい
遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、効力を生じません(民法994条1項)。
本肢の場合、Fに対する遺贈は効力を生じないため、相続財産は600万円となり、これをBとC及びDが相続することになります。
よって、Bの相続分は300万円となります(同法900条1号)。
オ 誤り
本肢の場合、相続人はBとFになり、AからFに対する100万円の遺贈は特別受益にあたります(民法903条1項)。
そのため、本肢におけるFの相続分は、900(万円)×1/4ー100(万円)=125万円となり、
Bの相続分は、900(万円)×3/4=675万円となります(同900条3号)。
以上から、正しい肢はアとエであり、2が正解となります。
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