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司法書士の過去問 平成25年度 午前の部 問29

問題

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自己の株式と親会社株式(親会社である株式会社の株式をいう。以下同じ。)との比較に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア  株式会社は、他の会社から、発行済株式の総数の20分の1を超える数の自己の株式について質権の設定を受けることができないが、親会社株式について質権の設定を受けることはできる。

イ  株式会社は、自己株式について剰余金の配当をすることができないが、その有する親会社株式について剰余金の配当を受けることはできる。

ウ  株式会社は、吸収分割により、他の会社から、自己の株式を承継することができるが、親会社株式を承継することはできない。

エ  株式会社は、相当の時期に自己株式を処分することを要しないが、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。

オ  株券発行会社が自己株式の処分により株式を譲渡する場合には、当該自己株式に係る株券を交付しなくても、その効力が生ずるが、株券発行会社である親会社に係る親会社株式の処分により株式を譲渡する場合には、当該親会社株式に係る株券を交付しなければ、その効力は生じない。
   1 .
アウ
   2 .
アオ
   3 .
イエ
   4 .
イオ
   5 .
ウエ
( 平成25年度 司法書士試験 午前の部 問29 )
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この過去問の解説 (3件)

16
正解は 1 です。

誤っている選択肢はアとウなので、1が正解となります。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア. 株主は、その有する株式に質権を設定することができるが、自己株式又は親会社株式に関して、株式会社が質権者となることについて、特別の規定、制限は存在しません。従って、本選択肢は誤りです。

イ. 会社法453条では、株式会社は、その株主(当該株式会社を除く)に対して、剰余金の配当をすることができる、と規定しています。従って、株式会社は、自己株式については、剰余金の配当をすることができません。一方、株式会社が、その保有する親会社株式について剰余金の配当を受けてはならない、という規定は存在しません。従って、本選択肢は正しいです。

ウ. 会社法155条では、株式会社が自己株式を取得することができる場合が規定されていますが、その第12号に、吸収合併をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合とあるので、株式会社は、吸収分割により、他の会社から自己株式を承継することができます。一方、会社法135条1項では、子会社は、その親会社である株式会社の株式を取得してはならない、と規定しています。しかし、会社法135条2項3号では、吸収合併により他の会社から親会社株式を承継する場合には、例外的に、親会社株式を取得できると規定しています。従って、本選択肢は誤りです。

エ. 会社法135条3項では、子会社は相当な時期に、
その有する親会社株式を処分しなければならない、と規定しています。一方、自己株式については、会社法では、保有する自己株式を相当な時期に処分しなければならないという規定は存在しません。従って、本選択肢は正しいです。

オ. 会社法128条1項では「株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りではない」と規定しています。従って、本選択肢は正しいです。

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8
正解は1(ア、ウが誤り)です。

ア 誤り。
 2001年改正前商法では自己株式に対する質権設定は発行済株式総数の20分の1を上限とする旨定められていましたが、設定に留まる場合「譲渡」とは認められないとの趣旨から現行会社法ではこの規制は廃されています。また、質権の実行による自己株式の取得は会社法155条13号(法務省令で定める場合)中、「権利の実行に当たり目的達成のために必要不可欠の場合」(会社法施行規則27条8号)に該当し自己株式取得制限の対象外となります。
 親会社株式への質権設定についても同様に質権設定に対する制限はありません。

イ 正しい。
 自己株式は議決権が認められない(308条1項)ほか、一定の自益権(配当請求権(453条)・残余財産請求権(504条3項)・株主無償割当等での株式の割当てを受ける権利)が認められません。一方親会社株式については、議決権(308条1項)および議決権に関する共益権(株主提案権(303条)等)は認められませんが、その他の共益権は認められており、
配当請求権もその一です。

ウ 誤り。
 吸収分割による承継取得は、自己株式(会社法155条)、親会社株式(135条)ともに認められています。

エ 正しい。
 会社法は自己株式の取得・保有により生ずる弊害(株主平等の原則の毀損・経営者の保身等)を取得手続きの厳格化(165条、160条等)や配当請求権その他共益権の制限(308条、453条等)により排除した上で自己株式の保有を認めており、旧法に存在した自己株式の保有制限は廃されています。一方親会社株式については相当の時期に処分することが求められています(135条3項)。

オ 正しい。
 株券発行会社における株式譲渡の効力発生には、原則株券の交付が必要とされるところですが(128条)、自己株式の譲渡については新株発行と同様の秩序に服しているため(199条)、譲渡の効力は209条各号に定める日に発生し株券の譲渡は要求されません。一方親会社株式は原則に従うため、株券の交付が必要です

2
正解 1

ア 誤り
旧法では、自己株式に質権を設定する場合、発行済株式の総数の20分の1が上限とされていましたが、その後、この規定は削除されました。
また、親会社株式への質権設定について、これを制限するような規定は存在しません。

イ 正しい
株式会社は、自己株式を除き、剰余金を配当することができます(会社法453条)。

ウ 誤り
株式会社は、吸収分割をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合、当該株式会社の株式を取得することができます(会社法155条12号)。
また、吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合、親会社株式を取得することができます(135条2項3号)。

エ 正しい
旧法では、相当の時期に自己株式を処分することが必要でしたが、その後、この規定は削除されました。
したがって、株式会社は、相当の時期に自己株式を処分することを要しません。
一方で、子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければなりません(135条3項)。

オ 正しい
株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じませんが、例外的に、自己株式の処分による株式の譲渡については、株券の交付は要求されません(会社法128条1項)。
一方で、親会社株式については、例外的な規定が存在しないため、株券の交付が要求されます。

以上から、誤っている肢はアとウであり、1が正解となります。

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