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司法書士の過去問 平成25年度 午前の部 問32

問題

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次の二つの見解は、会社法第429条第1項の規定による役員等の第三者に対する損害賠償責任に関するものである。

第1説  会社法第429条第1項は、役員等の任務悌怠の行為と第三者の損害との間に相当の因果関係がある限り、会社がこれによって損害を受けた結果、ひいては第三者に損害を生じた場合(以下「間接損害の場合」という。)であると、直接第三者が損害を受けた場合(以下「直接損害の場合」という。)であるとを問うことなく、当該役員等が直接に第三者に対して損害賠償責任を負うことを規定したものである。
第2説  会社法第429条第1項は、直接損害の場合に役員等が第三者に対し損害賠償責任を負うことを規定したものであり、間接損害の場合に関して規定したものではない。


次のアからオまでの記述のうち、「この見解」が第2説を指すものの組合せとして最も適切なものは、後記1から5までのうち、どれか。


ア  この見解は、株式会社における役員等の負うべき責任と持分会社における無限責任社員の負うべき責任との違いを強調する。

イ  この見解に立ち、かつ、会社法第429条第1項に規定する第三者に株主が含まれるとする考え方に立つと、株主代表訴訟制度の意義が失われることになりかねない。

ウ  この見解は、我が国の現状において、株式会社の中には資本金や純資産が少額の企業が少なくないことを強調する。

エ  この見解に立つと、任務を慨怠した役員等の会社に対する損害賠償責任が総株主の同意により免除された場合に、損害を受けた第三者が役員等に対する責任を追及することが困難になりかねない。

オ  この見解は、債権者が債権者代位権に基づき第三債務者に対し自己に直接債務の弁済を請求することができるかどうかに関する判例の考え方と親和的である。

(参考)
会社法
第429条  役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。2(略)
   1 .
アウ
   2 .
アエ
   3 .
イエ
   4 .
イオ
   5 .
ウオ
( 平成25年度 司法書士試験 午前の部 問32 )
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この過去問の解説 (3件)

11
正解は 2 です。

第2節に立った見解はアとエなので、2が正解となります。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア. 持分会社の無限責任社員は、間接損害の場合と直接損害の場合を問うことなく、第三者に対して直接損害賠償責任を負うので、会社法429条1項が、役員が第三者に対して直接損害を与えた場合のみに関する
規定であるという本選択肢は、第2説を指します。

イ. 第1説のように、直接損害の場合であると、間接損害の場合であるとを問わず、会社法429条1項によって、役員等が第三者に与えた損害を賠償できるとすると、第三者に株主である場合には、株主は、株主代表訴訟によらなくても、会社法429条1項の規定によって、役員等に対して第三者が被った損害の賠償を請求することが可能になります。従って、本選択肢は、第1説を指します。

ウ. 株式会社が役員等の放漫経営によって倒産した場合、第2説では、会社の倒産によって不利益を受けた株主は、役員等に対して、放漫経営によって会社を倒産させて株主に損害を与えた責任を追及できません。一方、第1説では、その責任を追及することができます。我が国の現状において、株式会社の中に資本金や純資産額が少ない企業が多いことを強調すると、
株式会社が倒産した場合の株主の利益を保護する必要性が高いということになるので、本選択肢は第1節を指します。

エ. 第2説の場合、例えば、役員等の放漫経営によって会社の経営が悪化し、それよって第三者が損害を受けた場合、会社が役員等に対して有する損害賠償請求権を、株主が債権者代位することによって、第三者が役員等の損害を追及することになります。その際、会社に対する役員等の責任を総株主の同意によって免除できるとした場合、第三者は被代位債権を失い、その損害賠償の請求ができなくなります。よって、本選択肢は第2説を指します。ちなみに、第1節の場合、第三者は、会社法429条1項で間接損害の賠償を請求できるため、上記のような問題は起きません。

オ. 判例は、債権者は債権者代位権を行使した結果、第三債務者からその給付を直接受領できるとしているだけでなく、自己が受け取った金銭の債務者への返還債務と、自己の債務者に対する債権との相殺を認めています。(大審院昭和10年3月12日判決)。つまり、事実上は、代位債権者に対する優先弁済が認められています。第1説では、会社法429条1項によって、間接損害の場合にも、第三者が損害賠償請求権を行使することを認めているので、債権者代位権に基づいて、代位債権者が優先弁済を受けたのと同様の結論を
生じさせています。従って、本選択肢は第1節を指します。

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7
正解は2(ア、エにつき「この見解」が第2説を指す)です。
各選択肢の検討の前提として、429条1項の責任につき学説は
(1)法定責任説:429条1項の責任は民法の不法行為責任とは別個の法定責任であり、損害の範囲は直接損害・間接損害の双方を含む(第1説)(多数説・判例)
(2)不法行為責任説:429条1項は民法709条の特則であり、損害の範囲は直接損害に限定される(第2説)
の2説に大別されます。


ア 「この見解」が第2説を指す。
 持分会社における無限責任社員は会社債権者に対し直接の責任を負いますから、第三者に対する間接損害についても当然にその責めに帰すところです。前述のような持分会社における無限責任社員の責任の態様と異なるのは、役員の責任を直接損害に限定する第2説です。

イ 「この見解」が第1説を指す。
 役員が会社に損害を与えた場合には株主は常に株式価値の下落との形で間接損害を被るため、第三者に株主が含まれると解した上で、429条1項の損害には間接責任を含むとする第1説を採用すると、株主は常に429条1項による責任追及が可能であることとなります。そして、この見解(第1説)には、第2説から株主による役員の責任追及に際し厳格な手続きを定めた株主代表訴訟を潜脱するものであるとの批判がなされています。

ウ 「この見解」が第1説を指す。
 実態的には個人事業主である法人の場合、法人としての責任財産は充分でない場合が多々存在します。それゆえ、第1説のごとく429条1項なくしては法人への責任追及に留まりうる間接損害についても役員の責任を認めるべきとの結論に至ります。

エ 「この見解」が第2説を指す。
 会社法429条につき不法行為責任説を採用した場合であって、間接損害の事案について一義的には法律関係を会社とのみ有する第三者が役員の責任追及を試みる際は、役員の委任関係に基づく善管注意義務違反および忠実義務違反による損害賠償請求権につき会社に代位することで行うべきところです。しかし、会社法424条の規定により役員の責任が免除されると代位の対象たる債権債務が消失するため、第三者は債権者代位による役員への損害賠償請求権行使が不可能となります。


オ 「この見解」が第1説を指す。
 債権者代位における直接弁済の請求に際する債権者(1)―債務者(2)―第三債務者(3)の関係は、役員の任務懈怠に起因する法人の不法行為に際する第三者(1)―会社(2)―役員(3)の関係と相似であるといえます。そして、判例は代位債権者の第三債務者への弁済請求を容認していますから、会社法の局面において同判例と親和的であるのは(1)から(3)への請求権を認める第1説となります。

2

正解は2。

ア:「この見解」は第2説を指します。

持分会社における無限責任社員が負うべき責任(会社法580条1項)との違いを強調すると役員等が直接無限責任を負うべきではないため、責任の範囲は直接損害に限定されるべきと考えることになります。そうすると、間接損害という会社の損害を挟んだ損害に対する責任まで役員等が負うべきではなく、その責任は直接損害に限定されるべきと考えることになります。

よって、「この見解」は第2説を指します。

イ:「この見解」は第1説を指します。

間接損害を会社法429条1項の「損害」に含め、かつ、会社法第429条第1項に規定する第三者に株主が含まれるとする考え方に立つと、株主は間接損害を会社法429条1項によって、回復することができることになります。そうすると、株主代表訴訟を利用する必要がありませんので、この制度の意義が失われることになりかねません。

よって、「この見解」は第1説を指します。

ウ:「この見解」は第1説を指します。

我が国の現状において、株式会社の中には資本金や純資産が少額の企業が少なくないということを強調すれば、第三者を保護するために、役員等の負う責任を広く取るべきと考えることになります。そのため、直接損害と間接損害とがともに会社法429条1項の「損害」に含まれるとの考えと親和的です。

よって、「この見解」は第1説を指します。

エ:「この見解」は第2説を指します。

会社法429条1項の損害を直接損害に限定すると、役員等の任務懈怠責任(会社法423条)が総株主の同意によって免除された場合(同法424条)、間接損害については株主代表訴訟や債権者代位により回復することができなくなり、損害を受けた第三者が役員等に対する責任を追及することが困難となりかねません。

よって、「この見解」は第2説を指します。

オ:「この見解」は第1説を指します。

会社債権者が、間接損害について、会社法429条1項に基づき、役員等に対して損害賠償請求をすることができるとすると、これは直接には会社が被った損害についての賠償を、債権者が請求し、しかも直接自己への支払をせよとするものですので、債権者が債権者代位に基づき第三者に対し自己に直接債務の弁済(金銭の支払い)を請求することができるとする判例(大判昭和10年3月12日民集14巻482頁)の考え方と親和的です。

よって、「この見解」は第1説を指します。

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