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司法書士の過去問 平成25年度 午前の部 問35

問題

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商行為に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア  数人の者がそのうちいずれの者のためにも商行為とならない行為によって債務を負担した場合であっても、当該行為が債権者のために商行為となるときは、その債務は、当該数人の者が連帯して負担する。

イ  保証人がある場合において、主たる債務者が自己のために商行為となる行為によって主たる債務を負担したときは、当該主たる債務者及び当該保証人が各別の行為によって債務を負担したときであっても、当該保証人は、当該主たる債務者と連帯して債務の履行をする責任を負う。

ウ  商人がその営業のために商人でない者に対して金銭を貸し付けた場合には、当該商人は、利息についての定めがないときでも、弁済期において年6分の法定利率による利息を請求することができる。

エ  商人がその営業のために商人でない顧客に対して物品を販売し、当該顧客が売買代金の支払を遅滞した場合において、当事者間に遅延損害金についての定めがないときは、当該商人は、年6分の法定利率による遅延損害金を請求することができる。

オ  商人である主たる債務者がその営業のために商人でない者に保証の委託をし、これを受けて当該商人でない者が保証人となった場合において、当該保証人が当該主たる債務者に代わって弁済をしたときは、当該保証人が有する求償権は、5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
   1 .
アイ
   2 .
アウ
   3 .
イオ
   4 .
ウエ
   5 .
エオ
※ 平成29年(2017年)の民法改正に伴い、商法514条は削除され、民法404条により法定利率は年3%となりました。
この問題は平成25年(2013年)に出題されたものになります。
( 平成25年度 司法書士試験 午前の部 問35 )
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この過去問の解説 (3件)

9
正解は2(ア、ウが誤り)です。

ア 誤り。
 商法511条1項は「数人の者がその一人又は全員のために商行為となる行為によって債務を負担したときは、その債務は、各自が連帯して負担する」と定めています。しかしながら、本選択肢の事例では、債務者は各債務者らのために商行為となる行為によって債務を負担したものではありませんので、商法の規定は適用されず分割債務となります。

イ 正しい。
 商法511条2項の規定です(保証人がある場合において、債務が主たる債務者の商行為によって生じたものであるとき、又は保証が商行為であるときは、主たる債務者及び保証人が各別の行為によって債務を負担したときであっても、その債務は、各自が連帯して負担する)。

ウ 誤り。
 商法513条においては、商人間にて金銭消費貸借を行った場合、貸主は商事法定利率に基づく利息を請求しうる旨定められていますが、本選択肢の事例では当事者の一方が非商人であるため商法513条の規定は適用されず、別段の定めのない場合民法の原則に従い無利息となります。

エ 正しい。
 本選択肢の行為は商人がその営業のためにするものであるため商行為に該当し(商法503条)、商事法定利率が適用されます(商法514条)。よって、商人は年6分の利率による遅延損害金を請求することができます。

オ 正しい、
 主たる債務者の行為は商人がその営業のために行う行為であることから商行為となりますが、主債務が商行為である場合の主債務の保証は保証人が商人であるかに関わらずまた商行為となるというのが判例の立場です(最判昭和42・10・6)。よって、保証人の求償債権についても商事の短期消滅時効が適用されます。

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5
正解は 2 です。

誤っている選択肢はアとウなので、2が正解となります。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア. 商法511条1項では「数人の者が1人又は全員のために商行為にとる行為によって債務を負担したときは、その債務は、各自が連帯して負担する」と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。

イ. 商法511条2項では「保証人がある場合において、債務が主たる債務者の商行為によって生じたものであるとき、又は、保証が商行為であるときは、主たる債務者及び保証が商行為であるときは、主たる債務者及び保証人が格別の行為によって債務を負担した時であっても、その債務は各自が連帯して負担する」と規定しています。従って、本選択肢は正しいです。

ウ. 商法513条1項では「商人間において金銭の消費貸借をしたときは、貸主は、法定利息を請求することができる」と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。

エ. 商法514条では「商行為によって生じた債務に関しては、法定利息は年6分とする」と規定しています。本選択肢の遅延損害金は、商行為によって生じた債務と同一視することができるので、本選択肢は正しいです。

オ. 最高裁昭和42年10月6日判決「商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、5年間行使しない時は、時効によって消滅する。商行為によって生じた債権とは、商行為によって生じた債権と実質的に同一視されるものも含まれるとされ、商人である主たる債務者が委託をして商人でない者が保証人となり、主たる債務者に代わって弁済をしたときは、弁済行為自体は商行為に当たらないとしても、商事債権として短期消滅時効の適用を受けるものと解する」と規定しています。従って、本選択肢は正しいです。

1

正解はなし(平成29年民法改正に伴う、関連する商法の規定の削除前の規定によれば2)

ア:誤

「数人の者がその一人又は全員のために商行為となる行為によって債務を負担したときは、その債務は、各自が連帯して負担する」(商法511条1項)とされていますが、債務を負担する者のいずれの者のためにも商行為とならない場合には、債権者にとっては商行為になる場合でも511条1項は適用されません(大判明治45年2月29日民録18輯148頁)。

よって、誤った記述です。

イ:正

「保証人がある場合において、債務が主たる債務者の商行為によって生じたものであるとき、又は保証が商行為であるときは、主たる債務者及び保証人が各別の行為によって債務を負担したときであっても、その債務は、各自が連帯して負担する」(商法511条2項)と規定されています。

よって、正しい記述です。

ウ:誤

商行為によって生じた債務に関しては、法定利率を年6分とする商法514条は削除されたため、誤ないし解答不能となります。

もっとも、削除前においても、この規定は商人間において金銭の消費貸借がされた場合に適用されるもので、借主が商人ではない場合には適用されません。したがって、これによっても誤った記述です。

エ:誤

上述のように、商法514条が削除されましたので、誤った記述です。

削除前には、契約上の債務不履行に基づく損害賠償債務についても、当該契約が商行為の性質を有するのであれば、削除前の商法514条における「商行為によって生じた債務」にあたるとして(最判昭和47年5月25日判時671号83頁)、年6分の法定利率による遅延損害金を請求することができましたので、正しい記述でした。

オ:誤

商行為によって生じた債権について、別段の定めがある場合を除き、5年間での短期の時効消滅を定めていた商法522条が削除されましたので(民法166条等で規律されることとなります)、誤った記述です。

なお、削除前には、保証人自身は商人ではなくとも、商人である主たる債務者の委託に基づく保証であるときは、保証人が主たる債務者に代わってした弁済によって生じた求償権についても、商法522条の適用があるとするのが判例(最判昭和42年10月6日民集21巻8号2051頁)でしたので、正しい記述です。

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