司法書士の過去問
平成25年度
午前の部 問34
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問題
平成25年度 司法書士試験 午前の部 問34 (訂正依頼・報告はこちら)
合名会社の社員の退社に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 合名会社の存続期間を定款で定めなかった場合には、当該合名会社の社員は、退社する6か月前までに退社の予告をすることにより、いつでも退社することができる。
イ 合名会社は、社員が後見開始の審判を受けたことによっては退社しない旨を定めることができる。
ウ 合名会社の社員が退社した場合には、当該合名会社は、当該社員の持分の払戻しに際し、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。
エ 合名会社を退社した社員は、その退社後に生じた当該合名会社の債務について、これを弁済する責任を負わない。
オ 合名会社がその商号中に退社した社員の氏名を用いている場合には、当該社員は、当該合名会社に対し、その氏名の使用をやめることを請求することができる。
ア 合名会社の存続期間を定款で定めなかった場合には、当該合名会社の社員は、退社する6か月前までに退社の予告をすることにより、いつでも退社することができる。
イ 合名会社は、社員が後見開始の審判を受けたことによっては退社しない旨を定めることができる。
ウ 合名会社の社員が退社した場合には、当該合名会社は、当該社員の持分の払戻しに際し、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。
エ 合名会社を退社した社員は、その退社後に生じた当該合名会社の債務について、これを弁済する責任を負わない。
オ 合名会社がその商号中に退社した社員の氏名を用いている場合には、当該社員は、当該合名会社に対し、その氏名の使用をやめることを請求することができる。
- アエ
- アオ
- イウ
- イオ
- ウエ
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この過去問の解説 (3件)
01
誤っている選択肢は、アとエなので、1が正解となります。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 会社法606条1項では「持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合には、各社員は、事業年度の終了の時において退社することができる。この場合においては、各社員は6か月前までに、持分会社に退社の予告をしねければならない」と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。
イ. 会社法607条1項7号では、社員が後見開始の審判を受けた場合には退社すると規定しています。しかし、同条2項では、持分会社は、社員が後見開始の審判を受けても退社しない旨を定めることができる、とも規定しています。従って、本選択肢は正しいです。
ウ. 会社法611条3項では「退社した社員の持分は、その出資を問わず、金銭で払い戻すことができる」と規定しています。従って、本選択肢は、正しいです。
エ. 会社法612条1項では「退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う」と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。
オ. 会社法613条では「持分会社がその商号中に退社した社員の氏又は氏名若しくは名称を用いるときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏又は氏名若しくは名称の使用をやめることを請求することができる」と規定しています。従って、本選択肢は、正しいです。
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02
ア 誤り。
持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合又、各社員は六箇月前までに持分会社に退社の予告をした上で、事業年度の終了の時において退社をすることができます。いつでも退社できるものはありません(会社法606条1項)。
なお、持分会社の社員は、やむを得ない事由がある場合はいつでも退社することができます(会社法606条3項)。
イ 正しい。
後見開始の審判は法定退社事由ですが(会社法607条)、定款によって別段の定めをすることができます(会社法607条2項)。
ウ 正しい。
会社法611条本文、611条3項の規定です。
エ 誤り。
会社法612条1項は「退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う」と定めています。よって、退社後かつ退社の登記以前に持分会社に生じた債務につき責任を免れることができません。
なお、612条1項の責任は、同項の登記後2年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅します(会社法612条2項)。
オ 正しい。
会社法612条の定めです(「持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる。」)
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03
正解は1。
ア:誤
「持分会社の存続期間を定款で定めなかった場合」「各社員は、事業年度の終了の時において退社をすることができ」、「この場合においては、各社員は、6箇月前までに持分会社に退社の予告をしなければ」なりません(会社法606条)。
すなわち、いつでも退社をすることができるわけではなく、「事業年度の終了の時において」退社することができるのです。
よって、誤った記述です。
イ:正
会社法607条1項7号は、社員が後見開始の審判を受けたことを退社の事由としていますが、同条2項は、「その社員が前項第5号から第7号までに掲げる事由の全部又は一部によっては退社しない旨を定めることができる」と規定し、後見開始の審判を受けても退社しない旨を定めることができるとしています。
よって、正しい記述です。
ウ:正
「退社した社員は、その出資の種類を問わず、その持分の払戻しを受けることができる」のが原則です(会社法611条1項)。そして、この払戻しは、「その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができ」ます(同条3項)。
よって、正しい記述です。
エ:誤
会社法612条1項は、「退社した社員は、その登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う」と定めています。つまり、合名会社の社員は無限責任社員ですが、退社した後でかつ退社した旨の登記をする前に持分会社が負うこととなった債務についても、従前の責任の範囲内で弁済の責任を負うのです。
よって、誤った記述です。
オ:正
会社法613条は、「持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる」と規定しています。
よって、正しい記述です。
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