司法書士の過去問
平成25年度
午後の部 問45
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問題
平成25年度 司法書士試験 午後の部 問45 (訂正依頼・報告はこちら)
営業保証供託に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 登記された法人が営業保証供託に係る供託金について供託物払渡請求書に官庁から交付を受けた支払証明書を添付して還付請求をする場合において、その額が10万円未満であるときは、供託物払渡請求書又は委任状に押された印鑑につき登記所の作成した証明書を供託物払渡請求書に添付することを要しない。
イ 営業主以外の第三者が営業保証供託をすることは、できない。
ウ 供託根拠法令において主たる事務所の最寄りの供託所に営業保証供託をしなければならないとされている場合において、有価証券を供託している事業者がその主たる事務所を移転したために主たる事務所の最寄りの供託所に変更が生じたときは、当該事業者は、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への供託物の保管替えを請求することができる。
エ 営業保証供託に係る供託金の差替えは、供託金の取戻請求権が差し押さえられているときは、することができない。
オ 営業保証供託の供託者は、その供託金全額についての払渡しと同時に、又はその後でなければ、当該供託金の供託金利息の払渡請求をすることができない。
ア 登記された法人が営業保証供託に係る供託金について供託物払渡請求書に官庁から交付を受けた支払証明書を添付して還付請求をする場合において、その額が10万円未満であるときは、供託物払渡請求書又は委任状に押された印鑑につき登記所の作成した証明書を供託物払渡請求書に添付することを要しない。
イ 営業主以外の第三者が営業保証供託をすることは、できない。
ウ 供託根拠法令において主たる事務所の最寄りの供託所に営業保証供託をしなければならないとされている場合において、有価証券を供託している事業者がその主たる事務所を移転したために主たる事務所の最寄りの供託所に変更が生じたときは、当該事業者は、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への供託物の保管替えを請求することができる。
エ 営業保証供託に係る供託金の差替えは、供託金の取戻請求権が差し押さえられているときは、することができない。
オ 営業保証供託の供託者は、その供託金全額についての払渡しと同時に、又はその後でなければ、当該供託金の供託金利息の払渡請求をすることができない。
- アイ
- アウ
- イエ
- ウオ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
正しい選択肢はイとエなので、3が正解です。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 法令の規定により印鑑を登記所に提出できる者以外の者が、供託金の払渡しを請求する場合において、その額が10万円未満であり、支払委託証明書を供託物払渡請求書に添付した場合には、印鑑証明書の添付は不要です。(供託規則26条3項5号参照)。それ以外の場合には、印鑑証明書の添付が必要です。従って、本選択肢は誤りです。
イ. 営業保証供託は、営業主以外の者がすることはできません。従って、本選択肢は正しいです。
ウ. 営業保証供託で供託した供託物の保管替えは、
供託物が金銭又は振替国債である場合に限り、実施することができます。従って、本選択肢は誤っています。
エ. 営業保証供託の供託物取戻請求権に対して、既に差押え等の処分の制限がなされた後において、供託物の差替えをすることはできません。従って、本選択肢は正しいです。
オ. 供託規則34条2項では「保証として金銭を供託した場合には、前項の規定にかかわらず、毎年、供託した月の応答する月の末日後に、同日までの供託金利息を払い渡すことができる」と規定しています。従って、供託金についての払い渡しと同時に又はその後でなければ、供託金利息の払い渡し請求ができないというわけではないので、本選択肢は誤りです。
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02
ア 誤り。
供託物の払渡しに際しては、原則として供託物払渡請求書又は委任による代理人の権限を証する書面に押された印鑑につき市町村長又は登記所の作成した証明書を添付することが必要であり(供託規則26条1項)、供託規則26条3項には例外として印鑑証明書の添付が不要である場合が定められています。しかしながら、本事例の払渡請求者は26条3項に定める場合のいずれにも該当しませんので、原則通り印鑑証明書の添付が必要です。
イ 正しい。
営業保証供託は営業主の資力を担保する目的にてなされるものであることから、第三者による供託は認められていません。
ウ 誤り。
供託物の保管替えが認められるのは供託物が金銭または振替国債である場合に限られます(供託規則21条の3、21条の6)。本事例では有価証券が供託されているため、保管替えを行うことはできません。
エ 正しい。
供託金の取戻請求権の差し押さえによって発生する処分の制限の効力は差し替えにも及びます。よって、差押え後に差し替えを行うことはできません。
オ 誤り。
供託金利息は元本と同時に払い渡されることが原則であり、元金と供託利息金の受取人が異なる等同時の払い渡しが困難な場合には元金の払い渡し後に払い渡されるべきものと規定されていますが(供託規則34条1項)、営業保証供託含む保証としての供託を行った者については、毎年供託した月に応当する月の末日後に、同日までの供託金利息を払い渡すことができることとされています(供託規則34条2項)
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03
正解は3。
ア:誤
「法令の規定に基づき印鑑を登記所に提出することができる者以外の者」が供託物の取戻しを請求する場合において、官庁又は公署から交付を受けた支払証明書を添付して還付請求をする場合において、その額が10万円未満であるときは、供託物払渡請求書又は委任状に押された印鑑につき登記所の作成した証明書を供託物払渡請求書に添付することを要しません(供託規則26条3項5号・4号、同条31条1項、同規則26条1項、同条2項)。
しかし、「登記された法人」は、法令の規定に基づき印鑑を登記所に提出できますので、この例外規定は適用されません。
よって、誤った記述です。
イ:正
営業保証供託は、営業主の信用力確認のためのものですから、営業主以外の第三者がすることはできません(昭和38年5月27日民甲1569号、昭和39年全国供託課長合同決議)。
よって、正しい記述です。
ウ:誤
供託の目的物が有価証券である場合には、供託金の保管替えの請求をすることはできません(供託規則21条の3第1項、21条の6第1項参照)。
よって、誤った記述です。
エ:正
差替えとは、裁判上の担保供託または営業補償供託において、裁判所または監督官庁の承認を得て、新たな供託をして従前の供託物を取り戻す手続です。
営業保証供託に係る供託金の取戻請求権について、譲渡、質入れまたは差押えもしくはその他の制限がされている場合には、当該供託金について差替えの手続をすることはできません(昭和36年7月19日1717号)。
よって、正しい記述です。
オ:誤
営業保証供託においては、保証の効力は元金のみに及び、利息には及びません。そのため、営業保証供託の供託者は、供託金の元金が払い渡された後でなければ、当該供託金利息の払渡請求をすることができません。
よって、誤った記述です。
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