司法書士の過去問
平成25年度
午後の部 問55
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問題
平成25年度 司法書士試験 午後の部 問55 (訂正依頼・報告はこちら)
登記記録に次のような記録(抜粋)がある甲土地について、乙区2番で抹消された乙区1番の根抵当権の設定の登記の回復を申請する場合(以下この申請を「本件申請」という。)に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用は、ないものとする。
ア 乙区2番の抹消後に甲土地を買い受けたと主張するDが現れたとしても、甲土地について、その旨のAからDへの所有権の移転の登記がされない限り、Dは、本件申請における登記義務者とはならない。
イ 登記権利者及び登記義務者が書面申請の方法により共同して本件申請をする場合には、登記義務者の印鑑に関する証明書を添付情報として提供することを要しない。
ウ 申請人は、本件申請の添付情報として、Cの承諾を証するCが作成した情報又はCに対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければならない。
エ 本件申請における登録免許税の額は、8万円となる。
オ 本件申請により根抵当権の設定の登記の回復がされるときは、乙区4番でその回復の登記がされるとともに、乙区5番で、当該設定の登記の受付番号等、抹消された当該設定の登記と同一の登記事項をもって、根抵当権の設定の登記がされる。
なお、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用は、ないものとする。
ア 乙区2番の抹消後に甲土地を買い受けたと主張するDが現れたとしても、甲土地について、その旨のAからDへの所有権の移転の登記がされない限り、Dは、本件申請における登記義務者とはならない。
イ 登記権利者及び登記義務者が書面申請の方法により共同して本件申請をする場合には、登記義務者の印鑑に関する証明書を添付情報として提供することを要しない。
ウ 申請人は、本件申請の添付情報として、Cの承諾を証するCが作成した情報又はCに対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければならない。
エ 本件申請における登録免許税の額は、8万円となる。
オ 本件申請により根抵当権の設定の登記の回復がされるときは、乙区4番でその回復の登記がされるとともに、乙区5番で、当該設定の登記の受付番号等、抹消された当該設定の登記と同一の登記事項をもって、根抵当権の設定の登記がされる。
- アイ
- アウ
- イオ
- ウエ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
以下の解説によって、正しい選択肢はア及びウとなり、従って、2が正解となります。
ア. 実質的に登記をすることによって不利益を受けるものであっても、権利に関する登記の登記名義人でないものは、登記義務者とはなりえないので、Dは登記義務者に該当せず、本選択肢は誤りです。
イ. 登記権利者及びと登記義務者が共同で登記の申請を行う場合、登記義務者が所有権の登記名義人である場合には、登記申請書に、その者の印鑑証明書を添付しなくてはなりません。従って、本選択肢は誤りです。
ウ. 抹消された先順位の根抵当権を回復する場合に、後順位の地上権の登記名義人は、利害関係を有する第三者に該当するので、当該回復の登記を申請する場合には、当該第三者の承諾を証する情報又は当該第三者に対抗できる裁判があったことを証する情報の提供が必要です。従って、本選択肢は正解です。
エ. 抹消された登記を回復する場合の登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。従って、本選択肢は誤りです。
オ. 抹消された登記の回復の登記は、新しい順位番号でその回復の登記をするとともに、抹消された登記と同一の順位番号で、抹消された登記と同一の登記を行います。従って、本選択肢は誤りです。
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02
イ 本件申請は、所有権登記名義人Aが登記義務者となる場合ですから、登記義務者の印鑑証明書を提供しなければなりません(不登規則47条3号イ(1))。したがって、本記述は誤りです。
ウ 抹消回復の登記の申請については、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、その承諾を要し(不登法72条)、当該第三者の承諾を証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供しなければなりません(不登令別表27ロ)。後順位の地上権者のCも、地上権の存続が脅かされる地位にあるため登記上の利害関係を有する第三者に該当します。したがって、本記述は正しいです。
エ 抹消回復の登記の登録免許税は、不動産の個数1個につき1,000円です(登免税別表第一.1.(14))。したがって、本記述は誤りです。
オ 全部が抹消された登記の回復の場合、主登記(乙区4番)で抹消回復の登記をした後、抹消に係る登記と同一の登記が抹消前と同一の順位番号(本件申請でいえば乙区1番)でなされます(不登規155条)。したがって、本記述は誤りです。
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03
正解は2。
ア:正
抹消された根抵当権の登記の回復を申請する場合には、回復すべき根抵当権の登記名義人を登記権利者としますが、当該根抵当権の登記の抹消後に所有権移転の登記がされているときは、現在の所有権の登記名義人が登記義務者として共同して申請します(昭和57年5月7日民三3291号回答)。設例では、AからDへの所有権の移転の登記がされない限り、Dは、本件申請における登記義務者となりません。
よって、正しい記述です。
イ:誤
アで検討したように、抹消された根抵当権の登記の回復を申請する場合には、回復すべき根抵当権の登記名義人を登記権利者、現在の所有権の登記名義人が登記義務者として共同で申請します。そのため、当該登記を書面で申請するときは、登記義務者である所有権の登記名義人の印鑑証明書を提供する必要があります(不動産登記規則47条3号イ(1))。
よって、誤った記述です。
ウ:正
抹消された登記の回復は、登記上の利害関係を有する第三者が存在する場合には、当該第三者の承諾があるときに限り申請することができる(不動産登記法72条)。
乙区1番で登記がされている根抵当権の設定登記が抹消された後に、乙区3番で地上権の設定の登記を受けたCは、乙区1番の根抵当権の設定の登記の回復における登記上の利害関係を有する第三者に該当します。そのため、申請に際しては、Cの承諾を証する情報またはCに対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供する必要があります(不動産登記令別表27添付情報欄ロ)。
よって、正しい記述です。
エ:誤
抹消された根抵当権の設定の登記の回復を申請する際に納付すべき登録免許税の額は、不動産1個につき金1,000円です(登録免許税法別表第一.1(14))。
よって、誤った記述です。
オ:誤
本件申請による回復の登記が申請されたときは、乙区4番で1番根抵当権の設定の登記を回復する旨の登記をした後、抹消された根抵当権と同一の順位である乙区1番をもって抹消に係る登記と同一の登記することになります(不動産登記規則155条。記録例636「抵当権の設定の登記の回復」も参照)。
よって、誤った記述です。
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