司法書士の過去問
平成26年度
午前の部 問35
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問題
平成26年度 司法書士試験 午前の部 問35 (訂正依頼・報告はこちら)
商行為に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 代理人が本人のためにすることを示さないで法律行為をした場合であっても、当該法律行為が当該代理人にとって商行為となるときは、当該法律行為は、本人に対してその効力を生ずる。
イ 商行為の代理に際し、代理人が本人のためにすることを示さないで法律行為をした場合において、当該代理人が本人のためにその行為をすることを相手方が過失により知らなかったときは、当該相手方は、当該代理人に対して履行の請求をすることができない。
ウ 商行為の代理に際し、代理人が本人のためにすることを示さないで法律行為をし、相手方がその選択により本人又は代理人のいずれかに対して債務を負担することを主張することができる場合において、本人が当該相手方に対し当該債務の履行を求める訴えを提起し、その訴訟の係属中に当該相手方が当該代理人を債権者として選択したときは、本人の請求は、当該訴訟が係属している間、当該代理人の債権につき催告に準じた時効中断の効力を及ぼす。
エ 商行為の受任者は、委任の本旨に反しない範囲内において、委任を受けていない行為をすることができる。
オ 委任者にとって商行為となる委任契約により代理人に代理権を付与したときは、当該代理権は、委任者の死亡によって消滅する。
ア 代理人が本人のためにすることを示さないで法律行為をした場合であっても、当該法律行為が当該代理人にとって商行為となるときは、当該法律行為は、本人に対してその効力を生ずる。
イ 商行為の代理に際し、代理人が本人のためにすることを示さないで法律行為をした場合において、当該代理人が本人のためにその行為をすることを相手方が過失により知らなかったときは、当該相手方は、当該代理人に対して履行の請求をすることができない。
ウ 商行為の代理に際し、代理人が本人のためにすることを示さないで法律行為をし、相手方がその選択により本人又は代理人のいずれかに対して債務を負担することを主張することができる場合において、本人が当該相手方に対し当該債務の履行を求める訴えを提起し、その訴訟の係属中に当該相手方が当該代理人を債権者として選択したときは、本人の請求は、当該訴訟が係属している間、当該代理人の債権につき催告に準じた時効中断の効力を及ぼす。
エ 商行為の受任者は、委任の本旨に反しない範囲内において、委任を受けていない行為をすることができる。
オ 委任者にとって商行為となる委任契約により代理人に代理権を付与したときは、当該代理権は、委任者の死亡によって消滅する。
- アウ
- アオ
- イウ
- イエ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
誤っているのは、ア及びオなので、2が正解です。
ア. 商行為の代理においては、代理人が本人のためにすることを示さないで行為をした時でも、その行為は本人のために生じます(会社法504条参照。)ここの、商行為は、本人のために商行為となる行為を言います。従って、本選択肢は誤りです。
イ. 商行為の代理において、代理人が本人のためにすることを示さないでこれをした場合、相手方が本人のためにすることを知らなかったときは、代理人に対して、これを請求することができます(商法504条参照)。しかし、判例は、相手方が、代理人が本人のためにすることを知らなかったことにつき過失がある場合には、相手方は保護に値しないから、商法504条は適用されない、としています(最高裁昭和43年4月24日判決)。従って、本選択肢は正しいです。
ウ. 判例は、本人が相手方に対して債務の履行を求める訴えを提起し、その訴訟の継続中に相手方が債権者として代理人を選択した時は、本人の請求は、右訴訟が継続している間代理人の債権につき、催告に準じた時効中断の効力を及ぼす、としています(最高裁昭和48年10月30日判決)。従って、本選択肢は正しいです。
エ. 商法505条では、商行為の受任者は、委任の本旨に反しない範囲で、委任を受けていない行為をすることができる、と規定しています。従って、本選択肢は正しいです。
オ. 商法506条では、商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっては消滅しない、と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。
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02
ア 誤り
商行為の代理人が本人のためにすることを示さないでこれをした場合であっても、その行為は、相手方が代理人が本人のためにすることを知らなかったときを除き、本人に対してその効力を生じます(商法504条)。
ここでいう「商行為」とは、代理人にとっての商行為ではなく、本人にとっての商行為のことを意味します。
イ 正しい
商行為の代理人が本人のためにすることを示さないでこれをした場合であっても、その行為は、相手方が代理人が本人のためにすることを知らなかったときを除き、本人に対してその効力を生じます(商法504条)。
相手方が、代理人が本人のためにすることを知らなかったときは、代理人に対して履行の請求をすることができますが、本肢では、相手方に過失があるため、当該相手方は、当該代理人に対して履行の請求をすることはできません。
ウ 正しい
判例(最判昭和48年10月30日)は、本肢と同様の事案において、「代理人した商行為による債権につき本人が提起した債権請求訴訟の係属中に、相手方が商法504条但書に基づき債権者として代理人を選択したときは、本人の請求は、右訴訟が係属している間代理人の債権につき催告に準じた時効中断の効力を及ぼすものと解するのが相当である。」としています。
エ 正しい
商行為の受任者は、委任の本旨に反しない範囲内において、委任を受けていない行為をすることができます(商法505条)。
オ 誤り
商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっては、消滅しません(商法506条)。
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03
商法504条。商行為の代理人は本人のためにすることを示さないでした行為の効力は本人に対して生じます。記述の場合は商行為に該当しません。
イ正
相手方に過失がある場合は商法504条は適用されません。
ウ正
当該記述の場合は本人の請求が催告に準じた中断の効力を及ぼします。
エ正
その通り。商法505条。
オ誤
商行為の委任よる代理権は本人の死亡によって消滅しません。
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