司法書士の過去問
平成26年度
午後の部 問40
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問題
平成26年度 司法書士試験 午後の部 問40 (訂正依頼・報告はこちら)
訴えの取下げに関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 訴えは、控訴審においては、取り下げることができない。
イ 訴えの取下げは、詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為によりされたときであっても、その効力を生ずる。
ウ 被告が本案について口頭弁論をした後に原告が訴えを取り下げた場合において、被告が同意しない旨を明らかにしたときは、その後被告が改めて同意をしても、その訴えの取下げは効力を生じない。
エ 原告が反訴の本案について口頭弁論をした後に、本訴の取下げをした場合であっても、反訴の取下げは、原告の同意を得なければ、その効力を生じない。
オ 本案について第一審の終局判決があり、当該終局判決が控訴審で取り消されて差し戻された場合において、原告が差戻し後の第一審において終局判決があるまでに訴えを取り下げたときは、その原告は、同一の訴えを提起することができる。
ア 訴えは、控訴審においては、取り下げることができない。
イ 訴えの取下げは、詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為によりされたときであっても、その効力を生ずる。
ウ 被告が本案について口頭弁論をした後に原告が訴えを取り下げた場合において、被告が同意しない旨を明らかにしたときは、その後被告が改めて同意をしても、その訴えの取下げは効力を生じない。
エ 原告が反訴の本案について口頭弁論をした後に、本訴の取下げをした場合であっても、反訴の取下げは、原告の同意を得なければ、その効力を生じない。
オ 本案について第一審の終局判決があり、当該終局判決が控訴審で取り消されて差し戻された場合において、原告が差戻し後の第一審において終局判決があるまでに訴えを取り下げたときは、その原告は、同一の訴えを提起することができる。
- アイ
- アオ
- イエ
- ウエ
- ウオ
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この過去問の解説 (3件)
01
正しい選択肢はウとオなので、5が正解です。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 民事訴訟法261条1項は、訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる、と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。
イ. 判例は、訴えの取下げは訴訟行為であるから、一般に行為者の意思の瑕疵が直ちにその効力を左右するものではないが、詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為により訴えの取下げがなされた時は、民事訴訟法338条1項5号の法意に照らし、その取下げは無効と解すべきである、としています(最高裁昭和46年6月25日判決参照)。従って、本選択肢は誤りです。
ウ. 判例は、被告が本案について答弁書を提出した後、原告が訴えの取下書を提出し、被告がこれに対する同意を拒絶した場合には、原告の訴えの無効は確定する、としています(最高裁昭和37年4月6日判決)。従って、本選択肢は正しいです。
エ. 訴えの取り下げは、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続きにおいて申述をし、又は口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じません。しかし、本訴の取下げがあった後の反訴については、この限りではありません(民事訴訟法216条2項参照)。従って、本選択肢は誤りです。
オ. 判例は、一旦言い渡された第一審の終局判決が第二審で取り消されその効力を失った後は、差戻後の第一審において改めて本案の終局判決がなされるまでは、訴えの取り下げにより失効されるべき「終局判決」はなくなっているのであるから、その間における訴えの取り下げについては、民事訴訟法262条2項所定の再訴禁止の効果を生じない、としています(最高裁昭和38年10月1日判決)。従って、本選択肢は正しいです。
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02
訴えは控訴審において取り下げることができます。
イ誤
訴えの取り下げは意思に瑕疵がある場合はその効力は生じません。
ウ正
被告が一度訴えの取り下げについて同意しない旨を明らかにした場合は、無効が確定します。
エ誤
本訴の取り下げをした場合は反訴の取り下げについて原告の同意は不要です。
オ正
その通り。第一審の終局判決は控訴審で取り消され、差し戻された後に訴えを取り下げると原告は同一の訴えを提起することができます。
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03
ア 誤り
訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができます(民事訴訟法261条1項)。
イ 誤り
判例(最判昭和46年6月25日)は、本肢と同様の事案において、「詐欺脅迫等明らかに刑事上罰すべき他人の行為によってなされた訴の取下は、民訴法420条1項5号の法意に照らし、無効と解すべきである。」としています。
ゥ 正しい
判例(最判昭和37年4月6日)は、本肢と同様の事案において、「訴の取下に対し同意を拒絶したときは、訴の取下は無効と確定し、その後右拒絶を撤回し改めて同意をしても、右訴の取下は効力を生じない。」としています。
エ 誤り
訴えの取下げは、相手方が本案について口頭弁論をした後にあっては、相手方の同意を得なければ、その効力を生じませんが(民事訴訟法261条2項)、本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては、相手方の同意は必要ありません(同項但書き)。
オ 正しい
判例(最判昭和38年10月1日)は、本肢と同様の事案において、「差戻後の第一審において改めて本案の終局判決がなされるまでに、訴の取下がなされた場合には、再訴禁止の効果を生じない。」としています。
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