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司法書士の過去問 平成26年度 午後の部 問56

問題

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次の対話は、甲土地の所有権の登記名義人であるAが、公正証書によって、その所有する財産の全部をAの相続人でないBに対して遺贈する旨の遺言をした事例に関する司法書士と補助者との対話である。司法書士の質問に対する次のアからオまでの補助者の解答のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


司法書士 : Aの生前に、甲土地について遺贈を原因とする所有権移転請求権保全の仮登記を申請することができますか。

補助者 : ア  死因贈与を原因とする仮登記を申請することができるので、遺贈を原因とする仮登記も、申請することができます。

司法書士 : 次に、Aの生前にBが死亡しBの直系卑属であるCがいる場合について検討しましょう。この場合に、Aが死亡した後、Aの遺言に基づいて甲土地についてCを受遺者とする遺贈による所有権の移転の登記を申請することはできますか。

補助者 : イ  Cは、Bを代襲してAから遺贈を受けることはできないので、Cを受遺者とする遺贈による所有権の移転の登記を申請することはできません。

司法書士 : では、甲土地が農地であった場合について検討しましょう。この場合に、Aの遺言に基づいて甲土地について所有権の移転の登記を申請するときは、農地法所定の許可は必要となりますか。

補助者 : ウ  Aの遺言に基づくBへの遺贈は包括遺贈に当たるため、農地法所定の許可は不要です。

司法書士 : それでは、Aの遺言について家庭裁判所により遺言執行者が選任された場合について検討しましょう。この場合に、遺言執行者がAの遺言に基づいて所有権の移転の登記を申請するときは、どのような書類を代理権限証明情報として提供しなければなりませんか。

補助者 : エ  遺言執行者選任の審判書、遺言書及び遺言者の死亡を証する情報を代理権限証明情報として提供しなければなりません。

司法書士 : 最後に、Aが遺言をした後に甲土地についてAからDへの売買による所有権の移転の登記がされた場合について検討しましょう。この場合に、所有権の移転の登記が錯誤により抹消され、その後にAが死亡したときは、Bは、Aの遺言に基づいて遺贈による所有権の移転の登記を申請することはできますか。

補助者 : オ  はい。遺言の内容と抵触する生前処分に係る登記が錯誤により抹消されていますので、Bは、Aの遺言に基づいて遺贈による所有権の移転の登記を申請することができます。
   1 .
アウ
   2 .
アエ
   3 .
イエ
   4 .
イオ
   5 .
ウオ
( 平成26年度 司法書士試験 午後の部 問56 )
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この過去問の解説 (3件)

6
正解は 2 です。

誤っている選択肢は、アとエなので、2が正解です。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア. 遺贈を原因とする所有権移転請求権仮登記を申請することはできません(登研352P.104参照)。従って、本選択肢は誤りです。

イ. 遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じません(民法994条1項参照)。従って、本選択肢は正しいです。

ウ. 被相続人の有する財産の全部を遺贈する旨の遺言は包括遺贈に当たります。また、包括遺贈による所有権移転登記を申請する場合、受贈者が相続人以外であっても、農地法所定の許可を証する情報の提供を要しません(農地法3条1項16号、農地法施行規則15条5号参照)。従って、本選択肢は正しいです。

エ. 先例は、遺言執行者が相続人以外の第三者への所有権移転登記の申請をする場合に提供すべき代理権限証書は、遺言執行者選任の審判所及び遺言書であり、遺言者の死亡を証する情報の提供を要しない、としています(昭和59年1月10日民3.150参照)。従って、本選択肢は誤りです。

オ. 先例は、不動産登記手続きにおいては、前の遺言と抵触する生前処分に係る登記が錯誤により抹消されている場合、受遺者は、前の遺言による所有権移転登記を申請することができる、としています(平成4年11月25日民3.6558参照)。従って、本選択肢は正しいです。

 

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3
ア誤
遺贈を登記原因とする所有権移転請求権保全の仮登記はできません。

イ正
遺贈は受遺者が遺言者より先に死亡すると効果が生じません。

ウ正
その通り。包括遺贈に該当するため農地法所定の許可書を添付する必要はありません。

エ誤
代理権限証書に遺言者の死亡を証する情報に添付は不要です。

オ正
錯誤無効により生前処分に係る登記が抹消された場合は遺贈による所有権移転登記ができます。

1
正解 2

ア 誤り
不動産の仮登記は、物権変動が生じ、または、物権変動の請求権が生じた状態になるなどしなければ、申請することはできません(不動産登記法105条参照)。
したがって、将来の相続による不動産の移転を内容とする遺贈を原因として、仮登記を申請することはできません。

イ 正しい
遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じません(民法994条1項)。

ウ 正しい
遺贈は包括遺贈に当たるため、農地法所定の許可は不要です。

エ 誤り
遺言執行者が、家庭裁判所の審判により指定された場合には、遺言執行者の資格を証する書面は、その審判書を添付すれば遺言者の死亡を証する書面を添付する必要はありません(登研447号84頁)。

オ 正しい
先例(平成4年11月25日民三6568号回答)は、「遺贈に係る遺言と抵触する生前処分を原因とする所有権移転登記が「錯誤」を原因として抹消されている場合には、右遺言による遺贈を原因とする所有権移転登記の申請をすることができる。」としています。

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