司法書士の過去問
平成26年度
午後の部 問57

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問題

平成26年度 司法書士試験 午後の部 問57 (訂正依頼・報告はこちら)

司法書士法務太郎は、次のような登記事項の記録( 抜粋 )がある土地に設定された乙区1番の抵当権について ( 1 ) から ( 3 ) までの変更の受記を申請し、いずれも登記された。この場合において、( 1 ) から ( 3 ) までの変更の登記について次のⅠからⅢまでの事実が当てはまるとき、次のアからオまでの記述のうち、「 この変更の登記 」について ( 3 ) の登記が当てはまるものは、幾つあるか。なお、( 1 ) から ( 3 ) までの変更の登記は、判決による登記及び代位による登記ではなく、また、法令の規定により提供を省略することができる情報及び提供されたものとみなされる情報についても、添付情報として提供しているものとする。
おって、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用は、ないものとする。


( 登記事項の記録( 抜粋 ))
甲区1番 所有権移転
平成10年1月7日受付第888号 共有者 持分2分の1 X
2分の1 Y

2番 Y持分全部移転
平成26年1月6日受付第777号 所有者 持分2分の1 X

乙区1番 X持分抵当権設定
平成12年1月5日受付第555号 債権額金500万円、利息年8%、債務者X 抵当権者Z

2番 地上権設定
平成25年1月7日受付第999号 地上権者W

Ⅰ  ( 1 ) から ( 3 ) までの登記は、共有持分上の抵当権の効力を単有不動産全部に及ぼす変更、重畳的債務引受又は利息の組入れの登記のいずれかである。
Ⅱ  ( 2 ) 及び ( 3 ) の登記は、完了後の登記記録に、登記の目的として「 1番抵当権変更 」と記録されている。
Ⅲ  ( 2 )の登記の際に納付した登録免許税は、担保の目的たる不動産1個につき1,000円である。


ア  「この変更の登記」は、Xが単独で申請することができる。

イ  「この変更の登記」は、被担保債権の額を申請情報の内容とすることを要しない。

ウ  「この変更の登記」は、延滞した利息の額を申請情報の内容とすることを要しない。

エ  「この変更の登記」は、添付情報として、Xの印鑑に関する証明書を提供することを要しない。

オ  「この変更の登記」は、添付情報として、Wが承諾したことを証する情報を提供することを要しない。
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この過去問の解説 (3件)

01

変更の登記は①共有持分上の抵当権の効力を単有不動産全部に及ぼす変更の登記 ②重畳的債務引受登記 ③利息の元本組入登記です。

以上より
ア誤
③は共同申請

イ誤
③は非担保債権額を申請情報の内容となる。

ウ正
③は遅滞した利息額は申請情報の内容とならない。

エ誤
③は印鑑証明書が必要

オ正
③は添付情報としてWの承諾情報は不要です。

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02

正解 2

Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ記載の事実から、( 1 )~( 3 )は順に「共有持分上の抵当権の効力を単有不動産全部に及ぼす変更」、「重畳的債務引受」、「利息の組み入れ」の登記となります。

ア ( 3 )の登記に当てはまらない
利息の組み入れの登記は、登記権利者を抵当権者Z、登記義務者を所有者Xとして共同で申請します。

イ ( 3 )の登記に当てはまる
利息の組み入れの登記は、被担保債権の額を申請情報の内容とすることを要しません。

ウ ( 3 )の登記に当てはまらない
利息の組み入れの登記は、延滞した利息の額を申請情報の内容とする必要があります。

エ ( 3 )の登記に当てはまらない
利息の組み入れの登記は、所有者が登記義務者となるため、本肢では、添付情報として、Xの印鑑に関する証明書を提供する必要があります。

オ ( 3 )の登記に当てはまる
利息の組み入れの登記は、実質において債権額の増額変更登記であるため、後順位の担保権者は登記上の利害関係人に該当し、その者が承諾したことを証する情報を提供する必要があります。
本肢におけるWは、後順位の用益権者であるため、その者が承諾したことを証する情報を提供することを要しません。

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03

正解は 2 です。

③の登記が当てはまるものは、ウとオの2個なので、2が正解となります。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの事実から、①は「抵当権の効力を単有不動産全部に及ぼす変更」の登記、②は「重畳的債務引受」の登記、③は「利息の組み入れ」の登記となります。

ア. ①②③とも、Xが単独で登記することはできません。従って、本選択肢は、すべてに該当しません。

イ. ①と②の登記は、被担保債権の額を申請情報の内容とすることができませんが、③は、被担保債権の内容を申請情報の内容とすることができます。従って、本選択肢は、③に当てはまりません。

ウ. ③の登記には、延滞した利息の額を申請情報の内容とする必要がありますが、①と②にの登記については、その必要がありません。従って、本選択肢は③に当てはまります。

エ. ①と③の登記には、添付書面としてXの印鑑証明書を提供することが必要になります。②の登記には、Xの印鑑証明書の添付は不要です。従って、本選択肢は、③に当てはまりません。

オ. ②と③の登記をする際、Wは利害関係人に該当しないので、本選択肢は、③に当てはまります。ちなみに、①の登記をする際に、Wは利害関係人に該当しますが、Wの承諾が得られない場合、①の登記は主登記で行われるため、①の登記の際に、必ずWの承諾書が必要だというわけではありません。



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