問題
ア 持参債務の債務者は、弁済期日に弁済をしようとして、債権者の住居に電話で在宅の有無を問い合わせた場合において、債権者以外の家人から、債権者が不在であるため受領することができない旨の回答があっただけでは、受領不能を原因とする弁済供託をすることはできない。
イ 不法行為の加害者は、自ら算定した損害賠償額と不法行為発生時から提供日までの遅延損害金の合計額を被害者に提供した場合において、被害者がその受領を拒んだときは、受領拒絶を原因とする弁済供託をすることができる。
ウ 建物の賃貸借における賃借人は、債務の本旨に従って賃料を賃貸人に提供し、賃料の受領と引き替えに受領証の交付を請求した場合において、賃貸人が賃料は受領しようとしたものの、受領証の交付を拒んだとしても、受領拒絶を原因とする弁済供託をすることはできない。
エ 建物の賃貸借における賃借人は、賃貸人が死亡しその共同相続人二人がその地位を承継した場合において、賃貸人の死亡後に発生した賃料全額を当該共同相続人のうちの一人に提供し、その受領を拒まれたとしても、賃料全額について、受領拒絶を原因とする弁済供託をすることはできない。
オ 譲渡禁止特約のある債権の債務者は、当該債権が譲渡され、債務者に対する確定日付のある証書による通知がされた場合において、債権譲受人の善意・悪意を知ることができないときは、債権者不確知を原因とする弁済供託をすることができる。