正解は 4 です。
第1欄に掲げる事由が生じた場合に、第2欄に掲げる事項の申請情報を内容とする抵当権の設定登記ができないのは、ウ及びエなので、4が正解となります。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 先例は、賃借権契約を定める保証金返還請求権を担保するための抵当権は、普通抵当権によるべきであり、その場合の登記原因は「年月日賃貸借契約の保証金返還請求権の年月日設定」とするべきである、としています(昭和51年10月15日民3.5414)。従って、第1欄に掲げる事由が生じた場合に、第2欄に掲げる事項の申請情報を内容とする抵当権の設定登記ができます。
イ. 先例は、石炭売買の引渡債権を目的とした抵当権の設定の登記について「年月日石炭売買の引渡債権年月日設定 債権価額 石炭何千トン 価額金何万円」とする登記ができるとしています(記録例368)。従って、第1欄に掲げる事由が生じた場合に、第2欄に掲げる事項の申請情報を内容とする抵当権の設定登記ができます。
ウ. 先例は、貸借額1億円のうち5,000万円について抵当権を設定した場合の登記の登記原因は、「年月日金銭消費貸借金1億円のうち金5,000万円年月日設定」となる、としています(昭和30年4月8日民甲683、記録例364)。従って、第1欄に掲げる事由が生じた場合に、第2欄に掲げる事項の申請情報を内容とする抵当権の設定登記ができません。
エ. 先例は、いわゆるアドオン方式による金銭消費貸借契約に基づく抵当権設定登記の申請をする場合、債権額は前払いの利息相当額と交付額の合計額を持って記載し、利息は支払済と記載して差し支えない、としています(昭和39年10月15日民甲3395)。従って、第1欄に掲げる事由が生じた場合に、第2欄に掲げる事項の申請情報を内容とする抵当権の設定登記ができません。
オ. 先例は、申請書に取扱店の表示をして抵当権又は根抵当権の設定の申請の登記があった場合には、その登記において取扱店を表示して差し支えない、としています(昭和36年5月17日民甲1134)。従って、第1欄に掲げる事由が生じた場合に、第2欄に掲げる事項の申請情報を内容とする抵当権の設定登記ができます。