司法書士の過去問
平成28年度
午後の部 問67
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問題
平成28年度 司法書士試験 午後の部 問67 (訂正依頼・報告はこちら)
清算株式会社の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 定款の定めにより監査役及び会計監査人を置いていた会社が解散したときは、解散の登記がされても、監査役設置会社である旨及び会計監査人設置会社である旨の登記を抹消する記号は、いずれも記録されない。
イ 清算株式会社となった時点で会社法上の公開会社であった会社は、清算開始後に定款を変更して発行する全部の株式を譲渡制限株式とし、監査役を置く旨の定めを廃止しても、監査役設置会社の定めの廃止の登記をすることができない。
ウ 支配人の登記がされていた会社が解散し、解散の登記がされたときは、当該支配人の登記を抹消する記号が記録されるが、清算手続中に支配人が選任されたときは、当該支配人の選任の登記をすることができる。
エ 破産手続終了後の会社につき、残余財産があることが判明した場合において、裁判所が清算人を選任したときは、清算人の選任の登記は、裁判所書記官の嘱託によって行われる。
オ 解散前に会社法上の公開会社であり、かつ、会社法上の大会社であった会社は、解散して清算株式会社となった後に定款を変更して監査役会を置く旨の定めを廃止しても、監査役会設置会社の定めの廃止の登記をすることができない。
ア 定款の定めにより監査役及び会計監査人を置いていた会社が解散したときは、解散の登記がされても、監査役設置会社である旨及び会計監査人設置会社である旨の登記を抹消する記号は、いずれも記録されない。
イ 清算株式会社となった時点で会社法上の公開会社であった会社は、清算開始後に定款を変更して発行する全部の株式を譲渡制限株式とし、監査役を置く旨の定めを廃止しても、監査役設置会社の定めの廃止の登記をすることができない。
ウ 支配人の登記がされていた会社が解散し、解散の登記がされたときは、当該支配人の登記を抹消する記号が記録されるが、清算手続中に支配人が選任されたときは、当該支配人の選任の登記をすることができる。
エ 破産手続終了後の会社につき、残余財産があることが判明した場合において、裁判所が清算人を選任したときは、清算人の選任の登記は、裁判所書記官の嘱託によって行われる。
オ 解散前に会社法上の公開会社であり、かつ、会社法上の大会社であった会社は、解散して清算株式会社となった後に定款を変更して監査役会を置く旨の定めを廃止しても、監査役会設置会社の定めの廃止の登記をすることができない。
- アウ
- アオ
- イウ
- イエ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
正しい選択肢はイとウなので、3が正解です。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 監査役及び会計監査人を置いていた会社が解散したときは、監査役設置会社である旨の登記を抹消する記号は記録されないが、会計監査人設置会社である旨の登記を抹消する記号は記録されます(商業登記規則72条参照)。従って、本選択肢は誤りです。
イ. 清算株式会社となった時点で公開会社であった清算株式会社は、監査役を置かねばなりません(会社法477条4項参照)。従って、本選択肢は正しいです。
ウ. 清算株式会社は、清算の目的の範囲内で支配人を選任することができ、その登記を申請することができます(会社法489条6項3号参照)。従って、本選択肢は正しいです。
エ. 清算人の選任の登記について裁判所書記官の嘱託による旨の規定はありません(会社法937条参照)。従って、本選択肢は誤りです。
オ. 公開会社又は大会社であった清算株式会社は、監査役を置かなければならないが、監査役会は廃止することができます(会社法477条4項参照)。従って、本選択肢は誤りです。
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02
ア…誤りです。株式会社が解散しても、監査役は監査役に関する定款の変更がない限り、当然には退任しませんが(会社法480条1項1号、2号)、会計監査人などの役員は地位を失います。したがって、株式会社の解散の登記がされた場合、監査人設置会社である旨の抹消記号は記録されませんが、会計監査人設置会社である旨を抹消する記号は記録されます(商業登記規則72条1項4号)。
イ…正しいです。清算株式会社となった時点で、当該会社が公開会社であった場合、監査役を置く必要があります(会社法477条4項)。この場合、清算株式会社となった後に、発行済株式の全てを譲渡制限株式とし、非公開会社となったとしても、監査役設置会社の定めの廃止の登記はできません。
ウ…正しいです。会社が解散したときは、支配人の登記を抹消する記号を記録しなければなりません(商業登記規則59条)。また、清算株式会社でも、清算の目的の範囲内と認められる行為ならばすることができ、支配人の選任および解任に関する登記もできます(会社法482条3項1号)。
エ…誤りです。解散会社における清算人の登記は、法定清算人があるときは、その清算人(または代表清算人)が行います(会社法928条1項)。裁判所が清算人を選任した場合にも、清算人の登記申請は清算株式会社が行います(会社法928条3項)。
オ…誤りです。解散前に公開会社または大会社であった会社は、監査役を置かなければなりませんが(会社法477条4項)、監査役会については廃止してはならないとする規定はありません。
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03
正解 3
ア 誤り。
監査役を置いていた会社が解散したときは、監査役設置会社である旨の登記を抹消する記号は記録されません。
しかし、会計監査人を置いていた会社が解散したときは、会計監査人設置会社である旨の登記を抹消する記号が記録されます(商業登記規則72条1項4号)。
イ 正しい。
清算の開始原因が生じた時において公開会社であった清算株式会社は、監査役を置かなければなりません(会社法477条4項)。清算開始後に非公開会社となり、監査役を置く旨の定めを廃止しても、監査役設置会社の定めの廃止の登記をすることはできません。
ウ 正しい。
支配人の登記がされていた会社が解散登記をすると、支配人の登記を抹消する記号が記録されます(商業登記規則59条)。
もっとも、清算手続中に支配人を選任することも可能であり(会社法482条3項2号)、その場合、支配人の選任の登記をすることもできます。
エ 誤り。
裁判所による清算人の選任の登記について、裁判所書記官の嘱託によって行われるとする旨の規定はありません(会社法937条)。
よって、裁判所が清算人を選任したときであっても、その旨の登記は清算株式会社が行う必要があります。
オ 誤り。
清算の開始原因が生じた時において公開会社又は大会社であった清算株式会社は、監査役を置く必要はありますが(会社法477条4項)、監査役会の設置は義務付けられていません。
よって、 定款を変更して監査役会を置く旨の定めを廃止し、その旨の登記をすることができます。
よって、正しい肢はイとウとなり、3が正解となります。
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