司法書士の過去問
平成29年度
午前の部 問20
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問題
平成29年度 司法書士試験 午前の部 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
氏に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア AにはBとの間に生まれた嫡出でない子C(16歳)がおり、CがAの氏を称していた場合において、AがDとの婚姻によってDの氏を称することとしたときは、Cは、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、Dの氏を称することができる。
イ AとBは婚姻した際にBの氏を称することとしたが、その後Bが死亡した場合には、Aは、Bの死亡によって当然に婚姻前の氏に復する。
ウ AとBは婚姻した際にBの氏を称することとしたが、その後AとBが離婚した場合には、Aは、離婚の日から3か月以内であれば、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、婚姻前の氏を称することができる。
エ AとBが婚姻した際にBの氏を称することとした場合には、その後AとCとの間で、Cを養親、Aを養子とする養子縁組がされたときであっても、Aは、Bの氏を称する。
オ AにはBとの間に生まれBから認知を受けた子Cがおり、CがAの氏を称していた場合において、AがBとの婚姻によってBの氏を称することとしたときは、Cは、AとBの婚姻によって当然にBの氏を称する。
ア AにはBとの間に生まれた嫡出でない子C(16歳)がおり、CがAの氏を称していた場合において、AがDとの婚姻によってDの氏を称することとしたときは、Cは、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、Dの氏を称することができる。
イ AとBは婚姻した際にBの氏を称することとしたが、その後Bが死亡した場合には、Aは、Bの死亡によって当然に婚姻前の氏に復する。
ウ AとBは婚姻した際にBの氏を称することとしたが、その後AとBが離婚した場合には、Aは、離婚の日から3か月以内であれば、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、婚姻前の氏を称することができる。
エ AとBが婚姻した際にBの氏を称することとした場合には、その後AとCとの間で、Cを養親、Aを養子とする養子縁組がされたときであっても、Aは、Bの氏を称する。
オ AにはBとの間に生まれBから認知を受けた子Cがおり、CがAの氏を称していた場合において、AがBとの婚姻によってBの氏を称することとしたときは、Cは、AとBの婚姻によって当然にBの氏を称する。
- アイ
- アエ
- イウ
- ウオ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
ア…正しいです。子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができます(791条1項)。また、本問のCは16歳であるので、本文通り、法定代理人ではなく、C本人が届け出る必要があります(同条3項)。
イ…誤りです。夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができます(751条1項)。当然に婚姻前の氏に復するわけではないので誤りです。
ウ…誤りです。夫婦は、離婚によって当然に婚姻前の氏に復します(767条1項)。離婚から3か月以内に、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏(=婚姻中の氏)を称することができます(767条2項)。
エ…正しいです。養子は、原則として養親の氏を称しますが、婚姻によって氏を改めた者については、婚姻の際に定めた氏を称すべき間(=婚姻中)は、この限りでないとされています(810条)。
オ…誤りです。父又は母が氏を改めたことにより子が父母と氏を異にする場合には、子は、父母の婚姻中に限り、家庭裁判所の許可なく、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父母の氏を称することができます(791条2項)。また、791条2項の適用があるかどうかは、婚姻中の父母が「実の父母」であることが要件となりますので、本問のように、非嫡出子でも、認知をした父と母とが結婚した場合、家庭裁判所の許可は不要です。
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02
正しい選択肢はアとエなので、2が正解です。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
ア 民法791条1項によると、子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法に定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができます。従って、本選択肢は正しいです。
イ 配偶者の死亡によって当然に結婚前の氏に服するわけではありません。従って、本選択肢は誤りです。
ウ 離婚によって婚姻前の氏に服した後に届け出ることによって復するのは婚姻前の氏ではなく、離婚の際に称していた氏です。従って、本選択肢は誤りです。
エ 民法810条は「養子は養親の氏を称する」と規定しています。そして、民法810条但書では「婚姻によって氏を改めた者については、この限りではない」としています。従って、本選択肢は正しいです。
オ 民法791条1項は「子が父又は母と氏を異にする場合には、子は家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができる」としています。さらに、民法791条2項は「父又は母が氏を改めたことによる子が父母と氏を異にする場合には、子は父母の婚姻中に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、戸籍法の定めることろにより届け出ることによって、その父母の氏を称することができる」としています。従って、本選択肢は誤りです。
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03
正しい選択肢は、アとエなので、2が正解となります。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 民法第791条第1項によると子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができるとされています。従って、本選択肢は正しいです。
エ. 民法第810条によると「養子は、養親の氏を称する。ただし、婚姻によって氏を改めた者については、婚姻の際に定めた氏を称すべき間は、この限りでない」とされています。従って、本選択肢は正しいです。
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