司法書士の過去問
平成29年度
午後の部 問62
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問題
平成29年度 司法書士試験 午後の部 問62 (訂正依頼・報告はこちら)
甲土地(不動産の価額100万円)について、次のアからオまでの第1欄の各登記の申請又は嘱託をする場合の登録免許税の額として、第2欄の金額が誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用はないものとし、また、当該申請又は嘱託は、登録免許税の額が最も低額となるように申請又は嘱託するものとする。
なお、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用はないものとし、また、当該申請又は嘱託は、登録免許税の額が最も低額となるように申請又は嘱託するものとする。
- アウ
- アオ
- イウ
- イエ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
誤っているのはイとエであり、4が正解となります。
各選択肢の解説は以下の通りです。
ア 受遺者が法定相続人である場合の遺贈による所有権移転登記の登録免許税額は、不動産価格に1,000分の4を乗じた金額(100万円×4/1,000=4,000円)となります。従って、本選択肢は正しいです。
イ 地上権の仮登記の本登記の際には、仮登記の際の1,000分の5を控除した1,000分の5を納付することになります。従って、登録免許税の金額は100万円×5/1,000=5,000円となるので、本選択肢は誤りです。
ウ 用益権者が用益権の目的となる不動産について所有権を取得し、所有権移転登記を受ける場合には、本来の税率に100分の50を乗じて計算した割合による登録免許税を納付します。従って、本選択肢の場合、納付すべき登録免許税額は(100万円×3分の1
=333,000円)×1,000分の20×100分の50=3,300円(100円未満切捨)となり、本選択肢は正しいです。
エ 信託による地上権の移転登記の登録免許税は、不動産の価額を課税標準として、これに1,000分の2を乗じた価格となります。従って、納めるべき登録免許税は100万円×1,000分の2=2,000円となるので、本選択肢は誤りです。
オ 不動産の強制競売による差押えの登記の登録免許税は、債権金額を課税標準として、これに1,000分の4を乗じた金額となります。従って、納めるべき登録免許税の金額は150万円×1,000分の4=6,000円となり、本選択肢は正しいです。
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02
正解は4です。登録免許税法の別表より算出します。
ア…正しいです。相続、遺贈または法人の合併による所有権移転の場合、不動産の価額に1000分の4を乗じたものが登録免許税となります。したがって100万円×(1000分の4)=4000円となり、正しいです。
イ…誤りです。仮登記を行った後に本登記を行う場合、通常の登録免許税の税率から、仮登記の際にすでに納付した登録免許税を控除した割合が本登記の申請における登録免許税の税率になります(登録免許税法17条)。したがって、本問の理由による通常の地上権の移転の登記では、不動産の価額に1000分の10を乗じたものを登録免許税として払うべきところ、仮登記としてすでに不動産の価額に1000分の5を乗じたものを登録免許税として払っているので、本登記で払うべき登録免許税は100万円×(1000分の10-1000分の5)=5000円となります。
ウ…正しいです。本問の理由による所有権の移転は、不動産の価額に1000分の20を乗じたものが登録免許税としてかかります。しかし、持分取得に係る登記は不動産全体の課税標準価額に持分の割合を乗じて計算した金額を用います(登録免許税法10条2項、3項)。また、地上権等用益権の権利の設定がなされているとき、その用益権者が土地を取得した場合の所有権移転登記の税率は、本来の税率に100分の50を乗じたものを税率として用います(登録免許税法17条4項)。したがって(100万円×3分の1)×(100分の50)×1000分の20=3333円となり、100円未満の金額を端数として切り捨てるので(国税通則法119条1項)、3300円となり、正しいです。
エ…誤りです。所有権の信託は、不動産の価額に1000分の4を乗じたものが登録免許税になりますが、所有権以外の権利の信託は、不動産の価額に1000分の2を乗じたものが登録免許税となります。したがって100万円×(1000分の2)=2000円となります。
オ…正しいです。差押の場合、債権金額に1000分の4を乗じたものが登録免許税になります。したがって150万円×(1000分の4)=6000円となり、正しいです。
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03
ア 正しい
遺贈による所有権移転の登記を申請する場合、登録免許税の税率は不動産価額1000分の20となるのが原則です(登録免許税法別表第一の一(二)ハ)。
もっとも、受遺者が遺言者の相続人であるときは、受遺者が相続人であることを証する情報を提供することで1000分の4に軽減されます(同表第一の一(二)二参照)。
イ 誤り
地上権の移転の仮登記がされている不動産について、当該仮登記に基づき本登記の申請をする場合の登録免許税の税率は、1000分の5の割合を控除した割合となります(登録免許税法17条)。
本肢では、地上権の移転登記を申請する場合に適用される登録免許税の税率(同法別表第一の一(三)二)から1000分の5の割合を控除することになります。
したがって、本肢の登録免許税額は5,000円です。
ウ 正しい
地上権設定の登記がされている土地について、その土地に係る地上権の登記名義人がその土地の取得に伴いその所有権の移転登記を受けるときは、当該登記に係る登録免許税の税率は、所有権の移転の登記にかかる税率に100分の50を乗じて計算します(登録免許税法17条4項)。
本肢において、所有権の移転登記にかかる税率は1,000分の20であるから(同法別表第一の一(二)ハ)、1,000分の20に100分の50を乗じた1,000分の10が持分の移転登記に適用される登録免許税の税率となります。不動産価額は、持分3分の1に相当する33万3000円となるため、登録免許税額は3,300円です。
エ 誤り
信託による権利の移転の登記を申請する場合、権利移転登記とは別に信託登記の申請を行う必要があります。
委託者から受託者に信託のために財産を移す場合における財産権の移転登記は、登録免許税は課されません(登録免許税法7条1項1号)。
したがって、本肢では、地上権の信託の登記として、2,000円の登録免許税がかかることになります(同法別表第一の一(十)ハ)。
オ 正しい
強制競売に係る差押えの登記を嘱託する場合の登録免許税は、債権金額を課税標準として、
税率が1000分の4となります(登録免許税法別表第一の一(五))。
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