司法書士の過去問
平成29年度
午後の部 問68

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問題

平成29年度 司法書士試験 午後の部 問68 (訂正依頼・報告はこちら)

合同会社の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア 社員の出資の目的を金銭とする合同会社の設立の登記の申請書には、当該金銭の払込みがあったことを証する書面として、当該合同会社の代表社員が作成した出資金領収書を添付することができる。
イ 代表社員が法人である合同会社が解散し、当該代表社員が代表清算人になる場合において、当該代表社員の職務執行者が引き続き代表清算人の職務執行者になるときは、清算人及び代表清算人の登記の申請書には、職務執行者の選任に関する書面及び当該職務執行者が就任を承諾したことを証する書面を添付することを要しない。
ウ 合同会社の設立の登記の申請書には、資本金の額として、出資として払込み又は給付がされた財産の価額の2分の1以上の額を記載しなければならない。
エ 合同会社の資本金の額の減少による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面を添付することを要しない。
オ 合同会社の代表社員が法人である場合の職務執行者の就任による変更の登記の申請をする者は、婚姻によって氏を改めた当該職務執行者の婚姻前の氏(記録すべき氏と同一であるときを除く。)をも記録するように申し出ることができる。
  • アイ
  • アオ
  • イエ
  • ウエ
  • ウオ

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。持分会社の申請に関わる添付書類をよく整理して理解しておく必要があります。

ア…正しいです。合同会社の場合、設立の登記の添付書面に、出資に係る払込および給付があったことを証する書面が必要です(商業登記法117条)。代表社員が作成した出資金領収書はこれに該当します。

イ…誤りです。代表清算人が法人である場合、清算人の登記の添付書面には①登記事項証明書、②当該清算人の職務を行うべき者の選任を証する書面、③職務を行うべき者の就任承諾書、が必要です(商業登記法99条2項、3項、111条、118条)。

ウ…誤りです。持分会社の定款に示された「社員の出資の目的およびその価額または評価の標準(576条1項)」は、有限責任社員しかいない合同会社においては、そのまま資本金の額となります。つまり設立時の合同会社においては出資の合計額=資本金の額が成り立ちます。選択肢は株式会社についての説明です(445条2項)。

エ…誤りです。合同会社の資本金の額の減少の目的には①損失てん補②出資または持分の払戻、があります。資本金の額の減少に関する書面として必要なものは、資本金の額の減少につき業務執行社員の過半数の一致を証する書面(商業登記法118条、93条)、債権者保護手続関係書面(商業登記法120条)、資本金の額が会社法および会社法計算規則に従って計上されたことを証する書面(商業登記規則92条、61条5項)です(先例)。

オ…正しいです。代表社員が法人である場合の職務執行者の氏の変更の登記の申請をする者は、その申請により登記簿に氏名を記録すべき者につき、婚姻前の氏(記録すべき氏と同一であるときを除く。)をも記録するように申し出ることができます(商業登記規則88条の2)。

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02

各選択肢の解説は以下のとおりです。

ア 合同会社の設立登記において添付すべき、社員が既に履行した出資の価額の書面は、株式会社の設立登記の添付書類たる「金銭の払い込みがあったことを証する書面」に準じた書面で足ります。従って、代表社員の作成に係る出資金領収書や財産の引受書でも差し支えありません。従って、本選択肢は正しいです。

イ 代表社員が法人である合同会社が解散し、当該代表社員が代表清算人になる場合について、当該代表社員の職務執行者が引き続き代表清算人の職務執行者になる場合であっても、清算人及び代表清算人の登記申請書には、職務執行者の就任に関する就任承諾書の添付が必要です。従って、本選択肢は誤りです。

ウ 合同会社の設立の登記の申請書には、資本金の額として、出資として払込み又は給付された財産の価額の2分の1以上の額を記載する必要はありません。従って、本選択肢は誤りです。

エ 合同会社の資本金の額の減少による変更の登記申請書には、資本金の額が会社法及び会社法計算規則に従って計上されたことを証する書面の添付は必要です。従って、本選択肢は誤りです。

オ 合同会社の代表社員が法人である場合の職務執行者の就任による変更の登記を申請する者は、婚姻によって氏を改めた当該職務執行者の婚姻前の氏をも記録するよう申し出ることができます。従って、本選択肢は正しいです。

選択肢2. アオ

正しいです。

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03

正解 2

ア 正しい
合同会社の設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、出資に係る払込みがあったことを証する書面を添付しなければなりません(商業登記法117条)。
ここでいう「書面」には、当該合同会社の代表社員が作成した出資金領収書も含まれます。

イ 誤り
代表社員が法人である合同会社が解散し、当該代表社員が代表清算人になる場合において、当該代表社員の職務執行者が引き続き代表清算人の職務執行者になるときは、清算人及び代表清算人の登記の申請書には、職務執行者の選任に関する書面及び当該職務執行者が就任を承諾したことを証する書面を添付する必要があります(商業登記法117条、同法99条2項3項)。

ウ 誤り
合同会社の資本金の額は、出資額の範囲で業務執行社員の過半数をもって決められます。
本肢のように、出資額の2分の1以上の額を記載しなければならないとする規定は存在しません。

エ 誤り
合同会社の資本金の額の減少による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面を添付する必要があります(商業登記規則92条、同61条9項)。

オ 正しい
合同会社の代表社員が法人である場合の職務執行者の就任による変更の登記の申請をする者は、婚姻によって氏を改めた当該職務執行者の婚姻前の氏(記録すべき氏と同一であるときを除く。)をも記録するように申し出ることができます(商業登記規則99条、同88条の2第1項)。

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