司法書士の過去問
平成29年度
午後の部 問69
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問題
平成29年度 司法書士試験 午後の部 問69 (訂正依頼・報告はこちら)
株式会社(特例有限会社を除く。)の公告方法又は貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスの変更の登記の申請に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 公告方法を官報に掲載する方法としている会社が、公告方法を電子公告とする変更の登記を申請する場合において、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の予備的公告方法を定めたときは、その登記の申請もしなければならない。
イ 公告方法を官報に掲載する方法としている会社が、貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスの設定の登記の申請をする場合には、貸借対照表の電磁的開示の制度の採用及びそのウェブページのアドレスを代表者が決定したことを証する書面を添付しなければならない。
ウ 公告方法を官報に掲載する方法とし、かつ、貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスを登記している会社が、有価証券報告書提出会社に該当することとなったため、そのためのウェブページのアドレスを廃止する変更の登記の申請をする場合には、当該会社が有価証券報告書提出会社に該当することとなったことを証する書面を添付しなければならない。
エ 公告方法につき「A新聞に掲載してする。」旨の定款の定めがある会社が、公告方法を「B市において発行するA新聞に掲載してする。」とする定款の変更をしても、当該公告方法の変更の登記の申請をすることができない。
オ 公告方法を官報に掲載する方法とし、かつ、貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスを登記している会社が、その公告方法を電子公告に変更し、公告方法の変更の登記がされたときは、登記官の職権により、貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスの登記を抹消する記号が記録される。
ア 公告方法を官報に掲載する方法としている会社が、公告方法を電子公告とする変更の登記を申請する場合において、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の予備的公告方法を定めたときは、その登記の申請もしなければならない。
イ 公告方法を官報に掲載する方法としている会社が、貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスの設定の登記の申請をする場合には、貸借対照表の電磁的開示の制度の採用及びそのウェブページのアドレスを代表者が決定したことを証する書面を添付しなければならない。
ウ 公告方法を官報に掲載する方法とし、かつ、貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスを登記している会社が、有価証券報告書提出会社に該当することとなったため、そのためのウェブページのアドレスを廃止する変更の登記の申請をする場合には、当該会社が有価証券報告書提出会社に該当することとなったことを証する書面を添付しなければならない。
エ 公告方法につき「A新聞に掲載してする。」旨の定款の定めがある会社が、公告方法を「B市において発行するA新聞に掲載してする。」とする定款の変更をしても、当該公告方法の変更の登記の申請をすることができない。
オ 公告方法を官報に掲載する方法とし、かつ、貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスを登記している会社が、その公告方法を電子公告に変更し、公告方法の変更の登記がされたときは、登記官の職権により、貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスの登記を抹消する記号が記録される。
- アイ
- アオ
- イエ
- ウエ
- ウオ
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この過去問の解説 (3件)
01
正しい選択肢はアとオなので、2が正解です。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
ア 公告方法を官報に掲載してすると定めていた会社が、公告方法を電子公告により行うものと変更した場合において、事故その他やむを得ない事由によって、電子公告による公告をすることができない場合に備えて、予備的な公告方法を定めた時は、その内容を登記しなければなりません。従って、本選択肢は正しいです。
イ 官報又は日刊新聞紙を公告方法とする会社では、貸借対照表の電磁的開示制度の採用及びURLの決定は、会社の代表者による業務決定として行われます。この場合の登記すべき事項は、貸借対照表の電磁的開示のためのURL及び変更年月日であるが、添付書面としては委任状のみであり、代表者の電磁的制度の採用及びそのURLの決定手続きについては、添付書面は不要です。従って、本選択肢は誤りです。
ウ 株式会社は、貸借対照表の広告義務を負い、公告方法を官報又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙とする株式会社は、その広告にかえて、その内容である情報を電磁的記録によって開示する措置を取ることができますが、こられの規定は、金融商品取引法24条1項の規定により有価証券報告書を内閣に提出しなければならない株式会社には適用されません。この場合、有価証券報告書提出会社は、当該電磁的記録開示のためのURLの登記を廃するることになるが、その申請の際には、当該会社に該当することを証する書面の添付は不要です。従って、本選択肢は誤りです。
エ 全国紙のうち、一般発行地の新聞紙のみを公告方法とする変更の登記は申請することができます。従って、本選択肢は誤りです。
オ 公告方法を官報に掲載してする方法としている会社が、貸借対照表の電磁的開示を行っている場合において、主たる公告方法を電子公告とする変更をした場合においては、貸借対照表の広告は登記官の職権によって抹消されることになります。従って、本選択肢は正しいです。
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02
正解は2です。株式会社は、定時株主総会の終結後、遅滞なく、貸借対照表(大会社においては貸借対照表ならびに損益計算書)を公告しなければなりません(決算公告、会社法440条1項)。
ア…正しいです。公告方法を電子公告に変更するときは、その旨の定款変更の登記をすれば足ります。この場合には、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の予備的公告方法を定めることもでき、官報に掲載する、もしくは時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する、のいずれかを定めることができます(会社法939条3項)。株主が公告方法を一意的に知ることができなければ意味がないので、予備的公告方法を定めた場合、その方法も登記事項です。
イ…誤りです。公告方法が官報または日刊新聞紙である会社の場合、定時株主総会の終結後から5年を経過するまでの間、貸借対照表の電磁的方法による開示が可能です(会社法440条3項、会社計算規則147条)。このとき申請すべき登記の内容は、ウェブページのアドレスですが、アドレスの決定手続きにおいて、添付書類は不要とされています。
ウ…誤りです。有価証券報告書を提出することになった会社は、貸借対照表の公告自体が不要となります(会社法440条4項)。したがって貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページを廃止し、登記する必要がありますが、設定同様、添付書類が不要であるという通例解釈がされています。
エ…誤りです。地方新聞など、読者が限定されるようなものでも、時事を掲載する日刊新聞紙であれば、公告方法として認められます(先例)。
オ…正しいです。公告方法を電子公告に変更し、電磁的開示のためのウェブページを登記する必要がなくなった(公告方法の変更の登記においてウェブページアドレスが登記事項であるため、決算公告もそのアドレスで行われるから)場合、登記官の職権で貸借対照表の電磁的開示のための登記は抹消されます(商業登記規則71条)。電子公告用のアドレスとは異なるアドレスを、決算公告用として使いたい場合、新たな登記が必要になります(会社法施行規則220条2項)。
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03
ア 正しい
公告方法を官報に掲載する方法としている会社が、公告方法を電子公告とする変更の登記を申請する場合において、予備的公告方法を定めたときは、その登記の申請もしなければなりません。
イ 誤り
代表取締役は、貸借対照表の電磁的開示の採用及びそのウェブページのアドレスを適宜決定することができ、この場合の貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスの設定の登記申請において、これらを代表者が決定したことを証する書面を添付する必要はないとされています。
ウ 誤り
貸借対照表の電磁的開示を採用している株式会社が、有価証券報告書提出会社に該当することとなった場合は、貸借対照表の電磁的開示をすることは必要なくなります(会社法440条4項)。
この場合、貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスを廃止する変更の登記を申請する必要がありますが、その際に有価証券報告書提出会社に該当することとなったことを証する書面を添付することは不要と解されています。
エ 誤り
新聞紙の発行地を限定する旨の公告方法の変更については、その旨の変更登記を申請することが可能です。
オ 正しい
公告方法を官報に掲載する方法とし、かつ、貸借対照表の電磁的開示のためのウェブ ページのアドレスを登記している会社が、電子公告を公告方法としたことによる変更の登記をしたときは、貸借対照表の電磁的開示のためのウェブページのアドレスの登記を抹消する記号が記録されることになります(商業登記規則71条)。
当該記録は、登記官の職権によって行われることとされています。
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