司法書士の過去問
平成30年度
午前の部 問31

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問題

平成30年度 司法書士試験 午前の部 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

監査役設置会社(清算株式会社を除く。以下同じ。)の監査役に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア  監査役は、会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与の職務の執行を監査する。

イ  取締役は、監査役会設置会社以外の監査役設置会社において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役が二人以上ある場合にあっては、その全員の同意を得なければならない。

ウ  監査役会設置会社において、会計監査人が職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったときは、監査役会によるその会計監査人の解任は、監査役の全員の同意によって行わなければならない。

エ  監査役会を招集する監査役を定款又は監査役会で定めたときは、その監査役以外の監査役は、監査役会を招集することができない。

オ  監査役設置会社が会計監査人であった者に対し訴えを提起する場合には、その訴えについては、監査役がその監査役設置会社を代表する。
  • アウ
  • アオ
  • イウ
  • イエ
  • エオ

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この過去問の解説 (3件)

01

正しい肢はアとウで【正解は1】です。

ア ○ 会計参与設置会社の監査役は、取締役及び会計参与の職務の執行を監査します(会社法381条1項前段括弧書)。

イ × 監査役会設置会社以外の監査役設置会社における取締役は監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければなりなせん(会社法343条1項)。

ウ ○ 監査役設置会社において、会計監査人が職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったときは、監査役会によるその会計監査人の解任は、監査役全員の同意によって行わなければなりません(会社法340条1項1号、2項、4項)。

エ × 監査役会は、各監査役が招集します(会社法391条)。監査役会の招集は各監査役の権限です。たとえ、監査役会を招集する監査役を定款又は監査役会で定めた時であっても他の監査役は監査役会を招集することができます。

オ × 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します(会社法349条4項)。監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査役が監査役設置会社を代表します(386条1項1号)。

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02

正解 1

ア 正しい
監査役は、会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与の職務の執行を監査します(会社法381条1項括弧書き)。

イ 誤り
取締役は、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出する場合には、監査役が二人以上いる場合にはその過半数の同意を得なければなりません(会社法343条1項)。

ウ 正しい
監査役会設置会社において、会計監査人に職務上の任務懈怠・非行・心身の故障がある場合には、監査役全員の同意により、会計監査人を解任することができます(会社法340条1項、2項、4項)。

エ 誤り
監査役会は各監査役が招集できます(会社法391条)。
独任制の趣旨から、取締役会のような形式で招集権者を限定することは認められていません。

オ 誤り
監査役設置会社が取締役(取締役であった者を含む。)に対して訴えを提起する場合は、監査役が監査役設置会社を代表します(会社法386条1項1号)。
会計監査人はここでいう「取締役」に含まれないため、本肢の訴えについては、代表取締役が監査役設置会社を代表することになります(同349条4項)。

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03

正解:1

ア:正
監査役は、取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行を監査します(会381Ⅰ前段)。

イ:誤
取締役は、監査役がある場合において、監査役の選任に関する議案を株主総会に提出するには、監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければなりません(会343Ⅰ)。したがって、監査役全員の同意までは要しません。

ウ:正
会計監査人が①職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき②会計監査人としてふさわしくない非行があったとき③心身の故障のため、職務執行に支障があり、又はこれに堪えないときに該当した場合、監査役はその会計監査人を解任することができます(会340Ⅰ)。
この解任について、監査役会設置会社においては、監査役の全員の同意によって行わなければなりません(会340ⅡⅣ)。

エ:誤
監査役会は、各監査役が招集します(会391)。監査役会の場合、監査役会を招集する監査役を、定款又は監査役会で定めることはできません。

オ:誤
代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する(会349Ⅳ)ので、監査役設置会社が会計監査人であった者に対し訴えを提起する場合、当該訴えについては、代表取締役が監査役設置会社を代表します。

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