司法書士の過去問
平成30年度
午前の部 問35
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
平成30年度 司法書士試験 午前の部 問35 (訂正依頼・報告はこちら)
客から寄託を受けた物品が滅失し、又は客が特に寄託していない物品が滅失した場合に、客の来集を目的とする場屋の主人が負う商法上の損害賠償の責任(以下「場屋の主人の責任」という。)に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 場屋の主人は、客から寄託を受けた物品(貨幣、有価証券その他の高価品を除く。)の滅失については、不可抗力によるものであったことを証明しなければ、場屋の主人の責任を免れることができない。
イ 場屋の主人は、客が特に寄託していない物品であっても、場屋の中に携帯した物品(貨幣、有価証券その他の高価品を除く。)が、場屋の主人の使用人の不注意によって滅失したときは、場屋の主人の責任を負う。
ウ 場屋の主人は、客から寄託を受けた物品が滅失した場合であっても、客が場屋の中に携帯した物品につき責任を負わない旨を告示していたときは、場屋の主人の責任を免れることができる。
エ 場屋の主人は、貨幣、有価証券その他の高価品については、その物品が滅失した場合であっても、客がその種類及び価額を明告してこれを場屋の主人に寄託したときを除き、場屋の主人の責任を負わない。
オ 場屋の主人の責任は、客から寄託を受けた物品が滅失した時から1年を経過したときは、時効によって消滅する。
ア 場屋の主人は、客から寄託を受けた物品(貨幣、有価証券その他の高価品を除く。)の滅失については、不可抗力によるものであったことを証明しなければ、場屋の主人の責任を免れることができない。
イ 場屋の主人は、客が特に寄託していない物品であっても、場屋の中に携帯した物品(貨幣、有価証券その他の高価品を除く。)が、場屋の主人の使用人の不注意によって滅失したときは、場屋の主人の責任を負う。
ウ 場屋の主人は、客から寄託を受けた物品が滅失した場合であっても、客が場屋の中に携帯した物品につき責任を負わない旨を告示していたときは、場屋の主人の責任を免れることができる。
エ 場屋の主人は、貨幣、有価証券その他の高価品については、その物品が滅失した場合であっても、客がその種類及び価額を明告してこれを場屋の主人に寄託したときを除き、場屋の主人の責任を負わない。
オ 場屋の主人の責任は、客から寄託を受けた物品が滅失した時から1年を経過したときは、時効によって消滅する。
- アウ
- アエ
- イエ
- イオ
- ウオ
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
ア:正
旅館、飲食店、浴場その他の客の来集を目的とする場屋における取引をすることを業とする者(以下、場屋営業者)は、客より寄託を受けた物品の滅失又は毀損について、不可抗力によるものであることを証明しなければ、損害賠償の責任を免れることができません(商596Ⅰ)
イ:正
客が特に寄託していない場合でも、場屋の中において携帯している物品が、場屋営業者又はその使用人の不注意によって滅失又は毀損したときは、場屋営業者は損害賠償の責任を負わなければなりません(商596Ⅱ)。
ウ:誤
客の携帯している物品について、場屋営業者は責任を負わない旨を告示した場合であっても、場屋営業者は損害賠償の責任を免れることができません(商596Ⅲ)。
エ:正
貨幣、有価証券その他の高価品については、客がその種類及び価額を明告してこれを場屋営業者に寄託した場合を除き、場屋営業者は、その滅失又は毀損によって生じた損害を賠償する責任を負いません(商597)。
オ:誤
商法第596条及び第597条の場屋営業者の責任は、場屋営業者が寄託物を返還し、又は客が携帯した物品を持ち去った後1年経過したときに時効によって消滅します。この時効期間は、物品の全部滅失の場合にあっては、客が場屋を去った後1年を経過したときに時効によって消滅します(商598Ⅰ)。
参考になった数9
この解説の修正を提案する
02
ア ○ 場屋の主人は、客より寄託を受けた物品の滅失又は毀損につき、その不可抗力によったことを証明しなければ損害賠償の責任を免れることができません(改正商法596条1項)。
イ ○ 客が特に寄託しない物品であっても、場屋中に携帯した物品が場屋の主人又はその使用人の不注意によって滅失又は毀損したときは、場屋の主人は損害賠償の責任を負います(改正商法596条2項)。
ウ × 客の携帯品につき責任を負わない旨を告示したときであっても、場屋の主人は寄託を受けた物品の滅失又は毀損、場屋中に携帯したものの不注意による滅失又は毀損については責任を免れることができません(改正商法596条3項)。
エ ○ 貨幣、有価証券などの高価品については、客がその種類および価額を明告してこの高価品を場屋の主人に寄託したときでなければ、その場屋の主人は、その物品の滅失又は毀損によって生じた損害を賠償する責任を負いません(改正商法597条)。
オ × 場屋の主人の責任は、同人が寄託物を返還し又は客が携帯品を持ち去った後1年を経過したときは、時効によって消滅します(改正商法598条)。
参考になった数7
この解説の修正を提案する
03
正解は5です。
ア…正しいです。場屋の主人(=場屋営業者)は、客から寄託を受けた物品を滅失又は損傷させてしまった場合は、不可抗力によるものであったことを証明しなければ、損害賠償の責任を免れることはできません(商法596条1項)。
イ…正しいです。場屋の主人は、客が特に寄託していない物品であっても、場屋の中に携帯した物品が、場屋の主人が注意を怠ったことにより滅失又は損傷したときは、場屋の主人は損害賠償の責任を負います(商法596条2項)。
ウ…誤りです。場屋の主人は、客が場屋の中に携帯した物品につき責任を負わない旨を告示していたときでも、場屋の主人としての責任を免れることはできません(商法596条3項)。
エ…正しいです。貨幣、有価証券その他の高価品については、客がその種類及び価額を通知してこれを場屋営業者に寄託した場合を除き、場屋の主人は、当該高価品の滅失又は損傷によって生じた損害賠償責任を負いません(商法597条)。
オ…誤りです。場屋の主人の責任に係る債権は、➀場屋の主人が寄託を受けた物品を返還したとき、②客が場屋の中に携帯した物品を持ち去ったとき、③物品全部が滅失した場合、客が場屋を去ったとき、のいずれかから一年間行使しないときに、時効によって消滅します(商法598条1項)。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
前の問題(問34)へ
平成30年度問題一覧
次の問題(問36)へ