司法書士の過去問
平成30年度
午後の部 問39

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問題

平成30年度 司法書士試験 午後の部 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

簡易裁判所の訴訟手続に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、少額訴訟に関する特則については、考慮しないものとする。

ア  簡易裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送することができる。

イ  反訴の提起は、口頭ですることができない。

ウ  証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができる。

エ  判決書に事実及び理由を記載するには、請求の趣旨及び原因の要旨、その原因の有無並びに請求を排斥する理由である抗弁の要旨を表示すれば足りる。

オ  裁判所は、当事者の共同の申立てがあるときは、司法委員を審理に立ち会わせて事件についてその意見を聴かなければならない。
  • アウ
  • アエ
  • イウ
  • イオ
  • エオ

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この過去問の解説 (3件)

01

正しい肢はアとエで【正解は2】です。

ア ○ 簡易裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送することができます(民事訴訟法18条)。

イ × 簡易裁判所において、訴えは、口頭で提起することができます(民事訴訟法271条)。そして、反訴については、訴えに関する規定による(民事訴訟法146条4項)ことから、簡易裁判所では反訴も提起も口頭ですることができます。

ウ × 少額訴訟の証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができます(民事訴訟法371条)。これは少額訴訟の規定であって簡易裁判所でのすべての訴訟手続についての規定ではありません。

エ ○ 簡易裁判所では、判決書に事実及び理由を記載するには、請求の趣旨及び原因の要旨、その原因の有無並びに請求を排斥する理由である抗弁の要旨を表示すれば足ります(民事訴訟法280条)。

オ × 裁判所は、必要があると認めるときは、和解を試みるについて司法委員に補助をさせ、又は司法委員を審理に立ち会わせて事件につきその意見を聴くことができます(民事訴訟法279条1項)。当事者の共同の申立てによってではなく、裁判所の裁量で行うことができます。

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02

正解:2

ア:正
簡易裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送することができます(民訴18)。

イ:誤
訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければなりません(民訴133Ⅰ)が、簡易裁判所においては、口頭で提起することができます(民訴271)。反訴については、訴えに関する規定が適用されます(民訴146Ⅳ)ので、簡易裁判所における反訴の提起は、口頭ですることができます。

ウ:誤
少額訴訟における証拠調べを除いて、簡易裁判所の訴訟手続上、証拠調べが即時に取り調べることができる証拠に限定されることはありません(民訴371)。

エ:正
判決書に事実及び理由を記載するには、請求の趣旨及び原因の要旨、その原因の有無並びに請求を排斥する理由である抗弁の要旨を表示すれば足ります(民訴280)。

オ:誤
裁判所は、必要があると認めるときは、和解を試みるについて司法委員に補助をさせ、又は司法委員を審理に立ち会わせて事件につきその意見を聴くことができます(民訴279Ⅰ)が、これらは裁判所の裁量に委ねられており、当事者の共同の申立てがある場合に、司法委員を審理に立ち会わせて事件についてその意見を聴かなければならないわけではありません。

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03

正解は2です。


ア…正しいです。簡易裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、申立てによりまたは職権で、訴訟の全部または一部を、その所在地を管轄する地方裁判所に移送することができます(民事訴訟法18条)。


イ…誤りです。簡易裁判所の訴訟手続では、訴えを口頭で提起することができます(民事訴訟法271条)。


ウ…誤りです。少額訴訟の場合、証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができます(民事訴訟法371条)。簡易裁判所における訴訟手続すべてに対する証拠調べの制限ではないので、誤りです。


エ…正しいです。簡易裁判所の訴訟手続において、判決書に事実及び理由を記載するには、請求の趣旨および原因の要旨、その原因の有無並びに請求を排斥する理由を記載すれば足ります(民事訴訟法280条)。


オ…誤りです。裁判所は、必要があると認めるときは、司法委員を審理に立ち会わせ、事件についてその意見を聴くことができます(民事訴訟法279条1項)。当事者の申立てによってではありません。

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