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司法書士の過去問 平成30年度 午後の部 問58

問題

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質権の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア  不動産の使用及び収益をしない旨の定めがない質権の設定の登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行としての処分禁止の登記及び保全仮登記がされている場合には、当該保全仮登記に係る仮処分の債権者は、当該保全仮登記に基づく本登記の申請と同時に、当該処分禁止の登記に後れる地上権の設定の登記の抹消を単独で申請することができる。

イ  登記原因証明情報である質権設定契約書に被担保債権につきその債務不履行があった場合の違約金についての定めがあるときは、当該定めを質権の設定の登記の申請情報の内容として登記の申請をすることができる。

ウ  賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨の定めがある賃借権の設定の登記がされている場合において、当該賃借権を目的とする質権の設定の登記を申請するときは、賃貸人の承諾を証する情報を提供することを要する。

エ  Aを所有権の登記名義人とする土地について、質物の保存の費用及び質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保しない旨の定めがある、Bを登記名義人とする質権の設定の登記がされている場合において、当該定めの廃止に係る質権の変更の登記を申請するときは、当該申請は、Aを登記権利者、Bを登記義務者としてしなければならない。

オ  利息に関する定め及び損害金に関する定めがいずれもないA株式会社を登記名義人とする質権の登記がされている土地について、不動産登記法第70条第3項後段の規定に基づき当該質権の登記の抹消を申請する場合には、被担保債権に加え、年6分の割合によるその利息及び損害金に相当する金銭をも供託したことを証する情報を提供することを要する。
   1 .
アイ
   2 .
アウ
   3 .
イオ
   4 .
ウエ
   5 .
エオ
( 平成30年度 司法書士試験 午後の部 問58 )
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この過去問の解説 (3件)

8
正解:4

ア:正
不動産の使用又は収益をする権利について保全仮登記がされた後、当該保全仮登記に係る仮処分の債権者が本登記を申請するとき、これと同時に申請する場合に限り、仮処分債権者は単独で、仮処分の登記に後れる所有権以外の不動産の使用もしくは収益をする権利、又はその権利を目的とする権利の登記を抹消することができます(民保58Ⅳ、不登113)。

イ:正
質権の設定の契約において、違約金についての定めがあるときは、当該違約金の定めを質権の設定の登記の申請情報の内容として申請することができます(不登95Ⅰ③)。

ウ:誤
質権の目的となる賃借権につき、賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨が定められているので、当該質権の設定の登記を申請するときに、賃貸人の承諾を証する情報を提供することを要しません。

エ:誤
質物の保存の費用及び質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保しない旨の定めが廃止されるということは、質権の目的である土地の負担が加重されることになります。よって、当該定めの廃止に係る質権の変更の登記を申請する場合において、当該土地の所有権の登記名義人は、登記上直接に不利益を受ける者つまり登記義務者(不登2⑬)となり、担保する範囲が拡大する当該質権の登記名義人は、登記上直接に利益を受ける者つまり登記権利者(不登2⑫)となります。

オ:正
休眠担保権の抹消の規定(不登70Ⅲ)により、登記権利者が単独で質権に関する登記の抹消を申請する場合、債権、利息及び損害金の全額を供託したことを証する情報を提供しなければなりません。質権の登記において、利息に関する定め及び損害金に関する定めがいずれもないとき、年6分の割合による利息及び損害金に相当する全額を供託したことを証する情報を提供しなければなりません(昭63.7.1民三3499号)。

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2

正解 4

ア 正しい
不動産の使用又は収益をする権利について保全仮登記がされた後、当該保全仮登記に係る仮処分の債権者が本登記を申請する場合、当該債権者は、所有権以外の不動産の使用若しくは収益をする権利又は当該権利を目的とする権利に関する登記であって当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れるものの抹消を単独で申請することができます(不動産登記法113条)。

イ 正しい
質権の登記において、違約金の定めは登記事項です(不動産登記法95条1項3号)。
よって、違約金の定めを質権の設定の登記の申請情報の内容として登記の申請をすることができます。

ウ 誤り
質権の目的となる賃借権について、賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨の定めがあるため、当該賃借権を目的とする質権の設定の登記を申請する際に、賃貸人の承諾証明情報を提供する必要はありません。

エ 誤り
本肢において、質物の保存の費用及び質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保しない旨の定めの廃止は、Aにとっては、登記上、直接に不利益を受け(不動産登記法2条13号)、Bにとっては、登記上、直接に利益を受ける(同条12号)ことになります。
よって、当該定めの廃止に係る質権の変更の登記を申請するときは、当該申請は、Aを登記義務者、Bを登記権利者としてしなければなりません。

オ 正しい 
休眠担保権の登記の抹消(不動産登記法70条3項)を申請する場合、登記権利者は質権の被担保債権が消滅したことを証する情報を提供することにより、単独で登記の抹消を申請することができます。
本肢のように、質権の被担保債権が消滅したことを証する情報として、供託したことを証する情報を提供する場合において、質権の登記において利息に関する定め及び損害金に関する定めがいずれもない場合は、被担保債権に加え、年6分の割合によるその利息及び損害金に相当する金銭をも供託したことを証する情報を提供する必要があります(昭和63年7月1日民三3456号、同3499号)。

よって、誤っている肢はウとエとなり、4が正解となります。

1

正解:4

<解説>

ア:正しいです。

不動産の使用又は収益をする権利について保全仮登記がされた後、当該保全仮登記に係る仮処分の債権者が本登記を申請する場合においては、当該債権者は、所有権以外の不動産の使用若しくは収益をする権利又は当該権利を目的とする権利に関する登記であって当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れるものの抹消を単独で申請することができます(不動産登記法113条)。

本肢の場合、この「所有権以外の不動産の使用若しくは収益をする権利又は当該権利を目的とする権利に関する登記であって当該保全仮登記とともにした処分禁止の登記に後れるもの」は地上権に該当します。

したがって、本肢は正しいです。

イ:正しいです。

違約金又は賠償額の定めがあるとき、その定めは質権又は転質の登記の登記事項となっています(不動産登記法95条①⑴)。

したがって、本肢は正しいです。

ウ:誤りです。

質権は、財産権をその目的とすることができ(民法362条)、譲渡又は転貸をすることができる旨の特約のある賃借権も質権の設定登記を申請することができます(昭30・5・16民甲929号)。

その申請にあたっては、賃貸人の承諾を証する情報の提供は不要です。

したがって、本肢は誤りです。

エ:誤りです。

質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保しますが、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りではありません(民法346条)。

そして、その別段の定めがあるとき、その定めは質権又は転質の登記の登記事項です(不動産登記法95条⑸)。

本肢の「質物の保存の費用及び質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保しない旨の定め」を廃止した場合には、被担保債権の範囲は広がりますから、本肢の変更の登記は、質権者にとって利益のある変更であり、質権設定者にとっては、不利益な変更です。

これより、質権者であるBが登記権利者、質権設定者であるAが登記義務者となります。

したがって、本肢は誤りです。

オ:正しいです。

不動産登記法70条3項に基づいて休眠担保権の抹消の登記を申請するには、被担保債権の弁済期から20年が経過し、かつ、その期間を経過した後に債権に加え、年6%の割合によるその利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭を供託しなければなりません(昭63・7・1民三3499号)。

したがって、本肢は正しいです。

以上により、誤っているものは肢ウ・エであり、正解は4となります。

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