司法書士の過去問
平成31年度
午前の部 問4
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問題
平成31年度 司法書士試験 午前の部 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
成年に達したものとみなされていない未成年者に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、どれか。
ただし、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとする。
ア 法定代理人が目的を定めないで処分を許した財産は、未成年者が自由に処分することができる。
イ 意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に未成年者であったときは、表意者は、その意思表示を取り消すことができる。
ウ 未成年者は、後見人となることができない。
工 未成年者が認知をするには、その法定代理人の同意を要しない。
オ 未成年者であっても、15歳に達していれば、遺言執行者となることができる。
ただし、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとする。
ア 法定代理人が目的を定めないで処分を許した財産は、未成年者が自由に処分することができる。
イ 意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に未成年者であったときは、表意者は、その意思表示を取り消すことができる。
ウ 未成年者は、後見人となることができない。
工 未成年者が認知をするには、その法定代理人の同意を要しない。
オ 未成年者であっても、15歳に達していれば、遺言執行者となることができる。
- アウ
- アオ
- イエ
- イオ
- ウエ
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この過去問の解説 (3件)
01
ア:正
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならないのが原則です(民5Ⅰ本文)が、法定代理人が目的を定めないで処分を許した財産は、未成年者が自由に処分することができます(民5Ⅲ後段)。
イ:誤
意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に未成年者であっても、表意者は、その意思表示を取り消すことができません。
ウ:正
次の者は後見人の欠格事由に該当します。
①未成年者、②家庭裁判所で免ぜられた法定代理人・保佐人又は補助人、③破産者、④被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族、⑤行方の知れない者後見人(民847)
よって、未成年者は後見人となることができません。
エ:正
認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しません(民780)。
オ:誤
未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができません(民1009)。よって、15歳に達していたとしても、未成年者であることを理由に遺言執行者となることができません。
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02
ア…正しいです。未成年者であっても、法定代理人が目的を定めないで処分を許した財産は、未成年者が自由に処分することができます(5条3項)。
イ…誤りです。意志表示の相手方については、その意思表示を受けたときに未成年者であった場合、その意思表示をもってその相手方に対抗することはできませんが(98条の2)、表意者の側は、相手側が未成年者であるというだけでは、意思表示を取り消すことはできません。
ウ…正しいです。未成年者は後見人となることができません(847条1号)。このほか、家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人または補助人(同条2号)、破産者(同条3号)、被後見人に対して訴訟をし、またはした者、ならびにその配偶者及び直系血族(同条4号)、行方不明者(同条5号)なども後見人になることはできません。
エ…正しいです。認知をするには、父又は母が未成年者または成年被後見人であっても、その法定代理人の同意を要しません(780条)。認知は身分行為にあたるためです。
オ…誤りです。未成年者及び破産者は、遺言執行人となることができません(1009条)。15歳以上でなることができるのは、遺言者です(961条)。
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03
ア:正
未成年者は、法定代理人の同意を得なければ法律行為を有効にすることができないのが原則です(民法5条1項)。しかし、同条3項は、「第1項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする」と定めています。
したがって、法定代理人が目的を定めないで処分を許した財産を、未成年者が自由に処分することができます。
よって、正しい記述です。
イ:誤
意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に未成年者であったときについては、民法98条の2本文が「その意思表示もってその相手方に対抗することができない」と定め、意思表示の相手方を保護するのみで、表意者側からの取消等については規定しません。
よって、誤った記述です。
ウ:正
民法847条1号は、後見人になることができない者として、「未成年者」をあげています。
したがって、未成年者は、後見人となることができません。
よって、正しい記述です。
エ:正
民法780条は「認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない」と定めています。
したがって、未成年者が認知をするには、その法定代理人の同意を要しません。
よって、正しい記述です。
オ:誤
民法1009条は、「未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない」と定めています。
したがって、15歳に達した未成年者であっても、遺言執行者となることはできません。
よって、誤った記述です。
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