司法書士の過去問
平成31年度
午後の部 問47
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問題
平成31年度 司法書士試験 午後の部 問47 (訂正依頼・報告はこちら)
電子情報処理組織を使用する方法による不動産登記の申請(以下「電子申請」という。)の手続に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、どれか。
なお、不動産登記令附則第5条に規定する添付情報の提供方法に関する特例(特例方式)については、考慮しないものとする。
ア 代理人によらず登記権利者と登記義務者とが共同して自ら電子申請をする場合には、登記権利者及び登記義務者の双方が申請情報に電子署名を行わなければならない。
イ 法人の代表者が申請情報に電子署名を行った場合において、電子認証登記所の登記官が作成した当該法人の代表者に係る電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該法人の会社法人等番号の提供に代えることができる。
ウ 代理人が登記義務者から登記識別情報を知ることを特に許され、その提供を受けて電子申請を行う場合には、登記識別情報の暗号化に関する権限が委任されていることを要しない。
工 電子申請の受付をした登記所に登録免許税に係る領収証書を貼付した登録免許税納付用紙を提出する方法によって、登録免許税の納付をすることはできない。
オ 代理人によらず申請人自らが電子申請をした場合において、登記官が当該電子申請を却下するときは、登記官は、書面により決定書を作成して、申請人ごとにこれを交付しなければならない。
- アイ
- アエ
- イオ
- ウエ
- ウオ
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この過去問の解説 (3件)
01
正解 ウエ
ア 正しい
電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請するときは、申請人は、申請情報に電子署名を行わなければなりません(不動産登記令12条1項)。
本肢における申請人は、登記権利者と登記義務者の双方であるため、双方が申請情報に電子署名を行う必要があります。
イ 正しい
電子申請の申請人が、電子認証登記所の登記官が作成したその者に係る電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の会社法人等番号の提供に代えることができます(不動産登記規則44条2項)。
ウ 誤り
代理人が登記義務者から登記識別情報を知ることを特に許され、その提供を受けて電子申請を行う場合であっても、代理人の権限を証する情報に登記識別情報の暗号化に関する権限の委任条項が必要になります(平成20年1月11日民二57号)。
エ 誤り
電子申請による場合、電子申請の受付をした登記所に登録免許税に係る領収証書を貼付した登録免許税納付用紙を提出する方法によって、登録免許税の納付をすることができます。
オ 正しい
登記官は、申請を却下するときは、代理人によって申請がされた場合を除き、決定書を作成して、これを申請人ごとに交付するものとされています(不動産登記法38条1項)。
これは、電子申請による場合でも同様です。
以上から、誤っている選択肢はウとエとなります。
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02
正解:ウエ
ア:正
電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請するときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請情報に電子署名を行わなければなりません(不登令12Ⅰ)。代理人によらず登記権利者と登記義務者とが共同して自ら電子申請をする場合には、登記権利者と登記義務者双方の電子署名が必要です。
イ:正
電子申請の申請人が、その者の電子認証登記所の登記官が作成した電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の会社法人等番号の提供に代えることができます(不登規44Ⅱ、43)。
ウ:誤
代理人として電子申請をする者が申請人から登記識別情報を知ることを特に許され、その提供を受けて電子申請を行う場合、代理人の権限を証する情報に「登記識別情報の暗号化に関する一切の権限」の委任条項が必要です(平20.1.11民二57号)。
エ:誤
電子申請の場合であっても、登録免許税に係る領収証書を貼付した登録免許税納付用紙を窓口に提出する方法によって、登録免許税の納付をすることができます。
オ:正
登記官は、申請を却下するときは、決定書を作成して、これを申請人ごとに交付します(不登規38Ⅰ本文)。この規定は電子申請の場合であっても適用されます。
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03
<解説>
ア:正しいです。
電子申請により登記を申請する場合には、申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請情報に電子署名を行わなければなりません(不動産登記令12条①)。
本肢のように、代理人によらず登記権利者と登記義務者とで共同申請する場合には、登記権利者及び登記義務者の双方が申請情報に電子署名を行わなければなりません。
したがって、本肢は正しいです。
イ:正しいです。
法人の代表者である電子申請の申請人が、電子認証登記所の登記官が作成した当該法人の代表者に係る電子証明書を提供したときは、当該電子証明書の提供をもって、当該申請人の会社法人等番号の提供に代えることができます(不動産登記規則44条②)。
したがって、本肢は正しいです。
ウ:誤りです。
代理人として電子申請をする者が申請人から登記識別情報を知ることを特に許され、当該代理人がその登記識別情報を提供するときには、代理人の権限を証する情報に「登記識別情報の暗号化に関する一切の権限」の委任条項が必要です(平20・1・11民二57号)。
したがって、本肢は誤りです。
エ:誤りです。
申請によって登記を受ける場合の登録免許税の納付方法には、登録免許税の額に相当する登録免許税を国に納付し、当該納付に係る領収書を当該登記等の申請書にはり付けて当該登記等に係る登記官署等に提出する方法(現金納付、登録免許税法21条)と、当該登記等につき課されるべき登録免許税の額が3万円以下である場合その他政令で定める場合には、当該登録免許税の額に相当する金額の印紙を当該登記等の申請書にはり付けて登記官書等に提出することにより、国に納付する方法(印紙納付、登録免許税法22条)とがあります。
また、電子申請によって登記を受ける場合には、現金納付や印紙納付に加えて、電子納付の方法によることもできます(登録免許税法24条の2①)。
したがって、本肢は誤りです。
オ:正しいです。
申請人が電子申請をした場合であっても、登記官は、申請を却下するときは、決定書を作成して、これを申請人ごとに交付することとされており、代理人によって申請された場合には、代理人に決定書を交付すれば足ります(不動産登記規則38条)。
したがって、本肢は正しいです。
以上により、誤っているものは肢ウ・エです。
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