ア × 電子定款については、登記の申請書又は申請情報に、電子定款に係る電磁的記録及び所定の電子証明書を添付しなければならない。
電子定款を印刷して設立時代表社員が押印したのみでは信ぴょう性に欠けます。
やはり、公的な電子証明書を添付しないと登記官は真正な電子定款だと信じてくれません。
よって本肢は、「本書面は電子定款に係る電磁的記録に記録された情報と同一である」旨記載して押印したときは、電磁的記録をもって作成された定款に代えて当該書面を添付して、設立の登記を申請することができるとする点が誤っています。
イ 〇 持分会社の定款変更は総社員の同意により変更することができます。
持ち分会社の定款の絶対的記載事項(会社576Ⅰ)は必ず押さえておきましょう。
そして、持分会社は定款自治が色濃く反映される会社です。(定款変更するときに総社員の同意を得てますから)
よって、社員の加入には代表社員の同意があれば足りる旨の定款の定めも有効なのです。
ウ × 持ち分会社の存続期間を定款で定めなかった場合(会社の存続期間がほぼ永久的)、
又はある社員の終身の間持分会社が存続することを定款で定めた場合(人生100年時代だから会社の存続期間がめちゃくちゃ長い)、
各社員は、事業年度終了時の6か月前までに退社の予告をしたうえで事業年度終了時に退社することができます。
つまり、3月31日に退社できるということです。
この場合、退社予告書を添付しなければなりませんが、総社員の同意書は不要です。
確かに社員の変更だから定款変更で総社員の同意が必要なのではないかと考えがちですが、
総社員の同意はよほどのことがなければ得られません。
よって、定款変更ですが総社員の同意は不要なのです。
エ × 清算持分会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、相続及び合併の場合の特則(会社608)の定款の定めがないときであっても、当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の持分を承継する。(会社675)
よって、清算持分会社においては、社員の死亡による退社及び相続による加入の事実を公示する実益はないので、社員の死亡による退社の登記及び相続による加入の登記を申請する必要はありません。
考えてみていただきたいのですが、今から会社登記簿を閉鎖しようとしている清算会社の社員はビジネスにおいてあまり重要ではありません。
それに、登記官は無駄な仕事はしたくないんです。
オ 〇 持分会社が一部の社員の同意によって継続することができる場合は以下の3つです。
①定款で定めた存続期間の満了(定款で定めた時は同意したのに、考えが翻った社員)
②定款で定めた解散事由の発生(定款で定めた時は同意したのに、考えが翻った社員)
③総社員の同意によって、解散した場合で清算が決了するまで(一旦は解散に賛成したのにやっぱり、継続したいと翻った社員)
そして、持分会社を継続することについて同意をしなかった社員は、持分会社が継続することとなった日に退社するため当該社員につき、社員の退社による変更の登記を申請しなければなりません。