ア × 本肢を要約すると、政党の党員に対する除名処分に司法審査は原則及ばないが、例外的に及ぶ場合がありますよ。(ただし極めて例外的な場合だけ。)ということです。
政党がその政党の党員に対してした処分が一般市民秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の審査権は及ばないとし、さらに、当該処分が一般市民としての権利利益を侵害する場合であっても、当該処分のの当否は、当該政党の自律的に定められた規範が公序良俗に反するなどの特段の事情のない限り、当該規範に照らし、規範を有しないときは条理に基づき、適正な手続きにしたがってされたか否かによって決すべきであり、審理もその点に限られるとして、裁判所が審理判断する場合を認めている。(昭和63.12.20)
イ 〇 本肢を要約すると、大学における単位授与行為は原則として司法審査の対象とはならないが特段の事情がある場合には司法審査の対象となり得ます。
判例は一般市民社会の中にあってこれとは別個に自律的な法規範を有する特殊な部分社会における法律上の係争は、それが一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、自主的、自律的な解決に委ねるのが適当であり裁判所の司法審査の対象とならないとした上で大学はその設置目的を達成するために必要な事項を学則等により規定し実施する自律的、包括的な機能を有し、一般市民社会とは異なる特殊な部分社会を形成しているから、大学はその設置目的を達成するために必要な事項を学則等により規定し実施する自律的、包括的な機能を有し、一般市民社会とは異なる特殊な部分社会を形成しているから、大学単位授与行為は、他にそれが一般市民法秩序と直接の関係を有するものであることを肯認するに足りる特段の事情のない限り、純然たる大学内部の問題として、裁判所の司法審査の対象とはならないとした。(昭和52.315)
ウ × 判例は、宗教団体における特定の者の宗教活動上の地位の存否を審理、判断するにつき、当該宗教団体の教義ないし信仰の内容に立ち入って、審理、判断することが必要不可欠である場合でも裁判所は、審理、判断することができない。(平成5.9.7)
エ × 原則として国会議員の立法行為が違法の評価を受けるか否かについて裁判所が審理判断することは許されないが、例外的な場合があります。(昭和60.11.21)
その例外的な場合とは、国会議員の行った立法行為が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず国会があえて当該立法を行うというごとき、容易に想定しがたいような場合です。
したがって、国会議員の立法行為が違法の評価を受けるか否かについて裁判所が審理判断することは許されないとする点で、本肢は誤っています。
オ 〇 両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する(憲法55)
よって国会議員の資格争訟の裁判は立法権に属し、裁判所の審判権は及びません。