ア 〇 一度定めた親権者の変更は、家庭裁判所の審判又は調停を要し、当事者の協議だけで変更することはできません。
なぜなら、公的機関を介入せず当事者の話し合いだけで親権者がコロコロ変わったら子の利益を害することになるからです。
よって離婚後に親権者を変更する場合は、家庭裁判所にその旨を請求することによってのみ、変更することができます(民法819条6項)。
イ 〇 原則として、未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない(民法798条)。
例外的に自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は、家庭裁判所の許可を得る必要はありません。(民法798条)
つまり、孫を養子にする場合家庭裁判所の許可は必要ないのです。
ウ × 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができます。(民法819Ⅵ)
そして、Cの親族とは6親等内の血族のことですから(民法725)、Aの父母であるD及びEはCの6親等内の血族です。
よって、D及びEは、Aへの親権者の変更を求める調停又は審判の申し立てをすることができます。
エ 〇 本肢を一言でまとめると、再婚相手の連れ子と養子縁組を結んだら自分と再婚相手が親権者となります。
よって、BがFと婚姻して、FがBの親権に服する未成年の嫡出子Cと養子縁組をした場合、Cの親権者は、B及びFです。
オ × 本肢は実務でよくあるパターンです。
子が養親から虐待されているからといって親権者を変更することはできません。
なぜなら、実親Bと養親Fが婚姻して共同親権を行使しているから、民法819Ⅵの適用はないのです。
本肢の場合は親権停止又は親権喪失の審判等を請求して子の保護を図ることになるのが通例です。