司法書士の過去問
令和2年度
午後の部 問44

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問題

令和2年度 司法書士試験 午後の部 問44 (訂正依頼・報告はこちら)

電子情報処理組織による供託の手続に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、どれか。

ア  有価証券の供託は、電子情報処理組織を使用してすることができる。
イ  登記された法人が電子情報処理組織による供託をしようとする場合において、申請書情報に当該法人の代表者が電子署名を行い、かつ、当該代表者に係る電子認証登記所の登記官が発行する電子証明書を当該申請書情報と併せて送信したときは、登記所の作成した代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。
ウ  登記された法人が電子情報処理組織による供託をしようとする場合において、当該法人の会社法人等番号が申請書情報と併せて送信され、これにより供託官が当該法人の登記情報を直ちに確認することができるときは、登記所の作成した代表者の資格を証する書面を提示することを要しない。
エ  電子情報処理組織により金銭の供託をしようとする者は、供託金の納入方法について、供託所に金銭を提出する方法、日本銀行に納入する方法、供託官が開設する預金口座へ振り込む方法又は供託官が告知する納付情報により納付する方法のいずれかを選択し、供託官に申し出なければならない。
オ  電子情報処理組織により金銭の供託をする供託者は、供託書正本に係る電磁的記録の提供を求める場合、既に書面による交付を受けているときを除き、供託官に対し、当該電磁的記録に記録された事項を記載して供託官が記名押印した書面の交付を請求することができる。
  • アエ
  • アオ
  • イウ
  • イオ
  • ウエ

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この過去問の解説 (3件)

01

正解 1

ア 誤り
電子情報処理組織を使用して供託できるのは、金銭または振替国債に限られており(供託規則38条1項1号)、有価証券について電子情報処理組織を使用して供託することはできません。

イ 正しい
登記された法人が電子情報処理組織による供託をする場合において、その申請書情報に当該法人の代表者が電子署名を行い、かつ、当該代表者に係る電子認証登記所の登記官が発行する電子証明書を当該申請書情報と併せて送信したときは、当該代表者の資格を証する書面を提示することは不要です(供託規則39条の2第1項)。

ウ 正しい
登記された法人が電子情報処理組織による供託をする場合において、当該法人の会社法人等番号がその申請書情報と併せて送信され、これにより供託官が当該法人の登記情報を直ちに確認することができるときは、登記所の作成した代表者の資格を証する書面を提示する必要はありません(供託規則39条の2第3項)。

エ 誤り
電子情報処理組織により金銭の供託に係る申請書情報が送信された場合、当該供託について、供託官の告知した納付情報による供託金の納付を申し出たものとみなされます(供託規則40条1項)。

オ 正しい
電子情報処理組織により金銭の供託をする供託者は、供託書正本に係る電磁的記録の提供を求めるときは、供託者が既に書面の交付を受けている場合を除き、供託官に対し、当該電磁的記録に記録された事項を記載して供託官が記名押印した書面の交付を請求することができます(供託規則42条1項)。

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02

正解:1

<解説>

ア:誤りです。

次に掲げる供託又は請求は、電子情報処理組織を使用してすることができます。

⑴ 金銭又は振替国債の供託(これと同時にするみなし供託書正本の交付又は送付の請求を含む。)

⑵ 供託金、供託金利息又は供託振替国債の払渡しの請求

(供託規則38条)

よって、有価証券の供託は、電子情報処理組織を使用してすることはできません。

したがって、本肢は誤りです。

イ:正しいです。

登記された法人が電子情報処理組織による供託をしようとする場合において、その申請書情報に当該法人の代表者が電子署名を行い、かつ、当該代表者に係る電子認証登記所の登記官が発行する電子証明書を当該申請書情報と併せて送信したときは、当該代表者の資格を証する書面を提示することを要しません(供託規則39条の2①)。

したがって、本肢は正しいです。

ウ:正しいです。

登記された法人が電子情報処理組織による供託をする場合において、当該法人の会社法人等番号がその申請書情報と併せて送信され、これにより供託官が当該法人の登記情報を直ちに確認することができるときは、登記所の作成した代表者の資格を証する書面又は代理人の権限を証する書面を提示することを要しません(供託規則39条の2③)。

したがって、本肢は正しいです。

エ:誤りです。

電子情報処理組織により金銭の供託をしようとする場合には、供託官の告知した納付情報による供託金の納付を受ける旨の申出があったものとされます(供託規則40条①)。

そのため、供託者は、供託官の告知した納付情報により供託金を納付しなければなりません。

したがって、本肢は誤りです。

オ:正しいです。

供託者は、供託書正本に係る電磁的記録の提供を求めたときは、供託官に対し、当該電磁的記録に記録された事項を記載して供託官が記名押印した書面の交付を請求することができます。

ただし、供託者が既に当該書面の交付を受けているときは、この限りでありません。

(供託規則42条①)。

したがって、本肢は正しいです。

以上により、誤っているものは肢ア・エであり、正解は1となります。

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03

正解は1です。

ア…誤りです。電子情報処理組織を使用してする供託の対象は、金銭および振替国債に限られます(供託規則38条1項1号)。

イ…正しいです。登記された法人が、電子情報処理組織による供託をしようとする場合において、その申請書情報に当該法人の代表者が電子署名を行い、当該代表者についての、商業登記規則33条の8第2項に規定する電子証明書(=代表者に係る事項につき、電子認証登記所の登記官の作成した電子証明書)を申請書と併せて送信したときは、代表者の資格証明情報を送付することを要しません(供託規則39条の2第1項、商業登記規則33条の8第2項)。

ウ…正しいです。登記された法人が、電子情報処理組織による供託をしようとする場合において、商業登記法7条に規定する会社法人等番号がその申請書と併せて送信され、これにより供託官が当該法人の登記情報を直ちに確認することができるときは、登記所の作成した代表者の資格を証する書面または代理人の権限を証する書面を提示することを要しません(供託規則39条の2第3項)。

エ…誤りです。電子情報処理組織を使用する方法でする金銭の供託は、その供託に係る申請書情報の送信があったときに、供託金の提出に代えて、供託官が告知した納付情報による供託金の納付(電子納付:供託規則20条の3)をする申出もしたものとみなされます(供託規則40条1項)。なお、供託者が国である場合、当該供託金の提出に代えて、国庫内の移管の手続による供託金の払込みを選択したものとみなされます(同項)。

オ…正しいです。電子情報処理組織により金銭の供託をする供託者は、供託所正本に係る電磁的記録の提出を求める場合、すでに書面により交付を受けているときを除き、供託官に、当該電磁的記録に記録された事項を記載して、供託官が記名押印した書面の交付を請求することができます(供託規則42条1項)。

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