司法書士の過去問
令和2年度
午後の部 問60
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問題
令和2年度 司法書士試験 午後の部 問60 (訂正依頼・報告はこちら)
不動産登記における審査請求に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、どれか。
ア 登記官の処分に不服のある者は、審査請求とは別に、処分の取消しの訴えを提起することができる。
イ 登記官の処分についての審査請求は、登記官を経由してしなければならない。
ウ 審査請求をした者は、当該審査請求の裁決があるまでは、いつでも口頭で審査請求を取り下げることができる。
エ 登記官は、処分についての審査請求を理由があると認めるときは、審査請求の日から3日以内に、意見を付して事件を当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。
オ 登記官を監督する法務局又は地方法務局の長は、審査請求を理由があると認めるときは、相当の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができる。
ア 登記官の処分に不服のある者は、審査請求とは別に、処分の取消しの訴えを提起することができる。
イ 登記官の処分についての審査請求は、登記官を経由してしなければならない。
ウ 審査請求をした者は、当該審査請求の裁決があるまでは、いつでも口頭で審査請求を取り下げることができる。
エ 登記官は、処分についての審査請求を理由があると認めるときは、審査請求の日から3日以内に、意見を付して事件を当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。
オ 登記官を監督する法務局又は地方法務局の長は、審査請求を理由があると認めるときは、相当の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができる。
- アイ
- アオ
- イエ
- ウエ
- ウオ
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は4です。
ア…正しいです。登記官の処分に不服のある者は、審査請求によらずに、行政事件訴訟法3条2項に規定する処分の取消しの訴えを提起することができます(行政事件訴訟法8条1項)。審査請求と処分の取消しの訴えとに劣後はないので、これらを並行して進めることも可能です(H20過去問)。
イ…正しいです。登記官の処分についての審査請求は、登記官を経由し、その登記官を監督する法務局長等に対して行います(不動産登記法156条1項、2項)。
ウ…誤りです。審査請求は、裁決があるまではいつでも審査請求人によって取り下げることができ、かつ当該取下げは書面でしなければなりません(行政不服審査法27条1項、2項)。これについて行政不服審査法の適用除外はありません(不動産登記法158条)。なお、審査請求の申立ても、不動産登記法に口頭でできる定めがないため、書面でしなければなりません(行政不服審査法19条1項)。
エ…誤りです。登記官は、処分についての審査請求を理由があると認めるときは、自ら相当の処分をします(不動産登記法157条1項)。これに対し、審査請求に理由がないと思われる場合には、審査請求の日から3日以内に、意見を付して事件を登記官自身を監督する法務局又は地方法務局の長に送付しなければなりません(不動産登記法157条2項)。
オ…正しいです。登記官を監督する法務局又は地方法務局の長は、審査請求を理由があると認める場合、処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができます(不動産登記法157条4項)。この仮登記は審査請求人によるものではなく、法務局又は地方法務局の長が、自身の裁量により定めるものです。
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02
正解 4
ア 正しい
登記官の処分に不服がある者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができます(不動産登記法156条1項)。
また、これとは別に、行政事件訴訟法に基づく処分の取消しの訴えを提起することも可能です。
イ 正しい
登記官の処分についての審査請求は、登記官を経由してする必要があります(不動産登記法156条2項)。
ウ 誤り
不動産登記法158条において、審査請求の取下げについて規定する行政不服審査法27条は適用除外とされていません。
したがって、審査請求人は、裁決があるまでは、いつでも審査請求を取り下げることができ(行政不服審査法27条1項)、この場合、審査請求の取下げは、書面でしなければなりません(同条2項)。
エ 誤り
登記官が、審査請求の日から3日以内に、意見を付して事件を当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に送付しなければならないのは、処分についての審査請求に理由がないと認めた場合等です(不動産登記法157条2項)。
オ 正しい
登記官を監督する法務局又は地方法務局の長は、相当の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができます(不動産登記法157条4項)。
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03
正解:4
<解説>
ア:正しいです。
登記官の処分に対しては、審査請求前置主義が取られているわけではないため、審査請求を経ずに処分取消しの訴えを提起することができます(行政訴訟法8条)。
したがって、本肢は正しいです。
イ:正しいです。
登記官の処分についての審査請求は、登記官を経由してしなければなりません(不動産登記法156条②)。
したがって、本肢は正しいです。
ウ:誤りです。
審査請求の取り下げに関する手続は、口頭ではなく、書面又はオンラインで、いつでも取り下げることができます。
したがって、本肢は誤りです。
エ:誤りです。
登記官は、審査請求を理由がないと認めるときは、その請求の日から3日以内に、意見を付して事件を審査請求がされた法務局又は地方法務局の長に送付しなければなりません(不動産登記法157条②)。
本肢の場合は、理由があるときとしていますので、本肢は誤りです。
オ:正しいです。
登記官を監督する法務局又は地方法務局の長は、審査請求を理由があると認めるときは、相当の処分を命ずる前に登記官に仮登記を命ずることができます(不動産登記法157条④)。
したがって、本肢は正しいです。
以上により、誤っているものは肢ウ・エであり、正解は4となります。
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