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司法書士の過去問 令和2年度 午後の部 問69

問題

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持分会社の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、どれか。

ア  清算中の合名会社において、社員の一人について破産手続開始の決定があった場合には、当該社員の退社による変更の登記を申請しなければならない。
イ  合同会社において、代表社員が法人である場合の職務執行者の就任による変更の登記の申請書には、当該職務執行者が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付することを要しない。
ウ  「社員が死亡したときは、その相続人が当該社員の持分を承継する。」旨を定款で定めている合資会社において、社員が死亡した場合には、当該社員の共同相続人のうちの一人であるAが当該社員の持分を承継する旨の遺産分割協議が成立したときであっても、Aのみの相続による加入を原因とする社員の変更の登記を申請することはできない。
エ  合名会社において、法人である社員が加入する場合には、当該社員が代表社員でないときであっても、社員の加入による変更の登記の申請書には、登記すべき事項として、当該社員の名称及び住所並びに当該社員の職務執行者の氏名及び住所を記載しなければならない。
オ  合資会社において、社員の除名の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、当該判決の判決書の正本及び確定証明書を添付して当該社員の退社による変更の登記を申請しなければならない。
   1 .
アウ
   2 .
アエ
   3 .
イウ
   4 .
イオ
   5 .
エオ
( 令和2年度 司法書士試験 午後の部 問69 )
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この過去問の解説 (3件)

9

正解 3

ア 誤り
清算持分会社では、社員の破産手続開始決定による退社について、変更登記をすることは不要だとされています。

イ 正しい
合同会社の代表社員が法人である場合の職務執行者の就任による変更の登記申請において、当該職務執行者が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑の証明書を添付すべきとする規定はありません。

ウ 正しい
定款の定めにより社員の相続人が加入する場合において、共同相続の場合は、たとえ遺産分割協議で共同相続人のうちの一人を社員持分の承継者と定めても、いったん全員の相続による加入を原因とする社員の変更登記をしなければなりません(昭和34年1月14日民甲2723号、昭和38年5月14日民甲1357号参照)。

エ 誤り
持分会社において、法人社員の職務執行者の氏名及び住所が登記事項となるのは、当該法人社員が代表社員である場合です。

オ 誤り
除名による社員の退社の登記は、裁判所書記官が嘱託することとされています。

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3

正解:3

<解説>

ア:誤りです。

持分会社社員の破産手続開始の決定は退社をする事由として規定されています(会社法607条①⑸)。

それに対して、清算持分会社においては、その規定は適用されないため、当該社員の退社による変更の登記を申請しなければならないというわけではありません。

したがって、本肢は誤りです。

イ:正しいです。

本肢の場合、当該職務執行者が就任を承諾したことを証する書面を添付しなければなりません(商業登記法118条、97条①、94条⑵ハ)。

しかし、その書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付することは要しません(商業登記規則92条、61条④参照)。

したがって、本肢は正しいです。

ウ:正しいです。

持分会社は、「社員が死亡したときは、その相続人が当該社員の持分を承継する。」旨を定款で定めることができ(会社法608条①)、死亡した場合には、その相続人(社員以外のものに限ります。)は、当該社員の持分を承継した時に、当該持分を有する社員となります(会社法608条①②③)。

相続人が数名いる場合について、共同相続人の遺産分割協議により、相続人の一人が社員の地位を承継することとなったときでも、当該相続人のみの加入の登記をすることはできず、一旦、共同相続人全員の加入の登記をした上で、相続人間における持分譲渡の登記をすべきとしています(昭38・5・14民甲1357号)。

したがって、Aのみの相続による加入を原因とする社員の変更の登記を申請できないとする本肢は正しいです。

エ:誤りです。

当該社員の職務執行者の氏名及び住所を記載しなければならないのは、当該社員が代表社員であるときです(会社法912条⑺)。

したがって、当該社員が代表社員でないときであってもこれを記載しなければならないとする本肢は誤りです。

オ:誤りです。

持分会社の社員が、⑴出資の義務を履行しないとき、⑵教行の禁止の規定に違反したとき、⑶業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したとき、⑷持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたとき、⑸その他重要な義務を尽くさないときには、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができます(会社法859条)。

そして、社員の除名の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官、職権で、遅滞なく、会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければなりません(会社法937条①⑴ル)。

したがって、退社による変更登記を申請しなければならないとする本肢は誤りです。

以上により、正しいものは肢イ・ウであり、正解は3となります。

2

正解は3です。


ア…誤りです。清算持分会社の社員は、死亡または法人の合併により消滅した場合を除き、退社することができません(会社法674条2号)。したがって清算中の会社の社員の破産手続開始の決定は、退社事由になりません。


イ…正しいです。合同会社において代表社員が法人である場合、他の持分会社同様、職務を行うべき者(=職務執行者)を選任しなければなりません(会社法914条8号)。この職務執行者の就任による変更の登記の申請書には、➀法人の登記事項証明書、②当該職務執行者の選任に関する書面、③当該職務執行者が就任を承諾したことを証する書面、の添付が必要です(商業登記法118条、97条1項、94条2号)。合同会社の設立においてこれらの書面を提出する場合には、職務執行者の名で、代表社員となる当該法人の印鑑を合同会社の実印として使用する旨を届け出る保証書(印鑑届出書)と、当該法人の印鑑証明書を添付するのが一般的です。職務執行者は、法人が代表社員である間も退任・就任できることもあり、就任承諾書への押印は必要であるものの、その印鑑証明書は必要とされていません。


ウ…正しいです。持分会社においては、社員が死亡した場合、その相続人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができます(会社法608条1項)。相続人が複数ある共同相続の場合、相続人の内の一人が持分を承継する遺産分割協議が成立したときであっても、いったん共同相続人全員が持分承継を原因とする社員の加入の登記をした上で、相続人の一人に対する持分譲渡の登記をしなければなりません(昭34・1・14民甲2723号民事局長回答、昭38・5・14民甲1357号回答)。


エ…誤りです。法人が(業務執行社員として)合名会社に加入する場合、当該法人の職務執行者の選任が必要です(会社法598条1項)。しかし、法人が代表社員として加入する場合とは異なり、代表社員ではない社員として加入する場合には、社員の加入の変更の登記において、職務執行者に関する登記(=職務を行う者の氏名及び住所の記載)は不要です(先例、会社法915条1項、912条7号参照)。添付書面上も当該法人の登記事項証明書があればよく、職務執行者の選任に関する書面等は必要とされません(商業登記法96条1項、94条3号)。


オ…誤りです。持分会社の社員の除名の訴えの請求が認容された場合、本店および当該登記に係る所在地を管轄する登記所に、登記を嘱託しなければなりません(会社法937条1項1号ル)。変更の登記の申請ではありません。

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